首・肩・腰。産後のカラダをケアするペア&セルフマッサージ
妊娠期間での骨盤、背骨などの体型変化に加え、産後の授乳や抱っこでの首や肩の凝りと、とにかくカラダに負担が蓄積する産後にはケアが必須。そこで、今回はパートナーとできるペアマッサージ、セルフでできるマッサージを紹介する。
取材・文/宮田恵一郎 イラストレーション/森優
初出『Tarzan』No.867・2023年10月19日発売
過酷な出産後にボディケアは必須
一説には「鼻からスイカを出す」といわれるほど出産は過酷なこと。
さらに、おおよそ十月十日の妊娠期間で骨盤は前傾し、重心のバランスを取るため脊椎は大きく彎曲。そういった産後特有のカラダの変化を元に戻すため、研究、実証を重ねて「ガスケ・メソッド」は生まれた。
考案者のベルナデット・ド・ガスケ医師の著書『産後の身体を守る ペリネのエクササイズ&サポート』には、育児しながらできるセルフケアから、パートナーと行うペアメニューまで、さまざまなマッサージ法が紹介されている。
妊娠・出産に加え、産後は授乳や抱っこで追い打ちをかけるように首や肩が凝る。カラダがボロボロになる前に、産後ケアは急務と心得よう。
パートナーと一緒に「首」のケア
首の両側に位置する僧帽筋のマッサージ。まず横向きに寝て、上側の腕をカラダに沿って下ろし、逆の腕やクッションで頭を支える。
パートナーは合掌するように両手を合わせ、頭蓋骨と首すじの間に手を置き、圧迫しすぎないように注意しながら、頭と肩を引き離すようなイメージで両手を左右に開いていく。これを5回、逆側も。
パートナーと一緒に「肩」のケア
「首」の時と同じ姿勢を取り、上側の脚を胸に引き寄せる。パートナーは後ろに座り、片腕を脇の下から入れて肩を摑む。
もう一方の手を肩甲骨に当て、そこを支点に、大きな円を描くようにゆっくりと肩を後ろに回す。パートナーの動きだけに頼らず、二人の呼吸に合わせて行うとより効果的。これを5周、もう一方の肩も。
パートナーと一緒に「腰」のケア
うつ伏せになり、両腕を組み、クッションにお腹を乗せる。母乳で膨らんだ胸がクッションに当たり痛みを感じた場合は、バスタオルを丸めて代用。
パートナーは、手を背骨の左右に置いて背骨を引き伸ばすように、肩から仙骨まで手のひらで軽く圧迫を加えていく。回数の目安は特になく、お互いに疲れない程度。
育児しながらセルフでも
赤ちゃんをあやしながら、一緒に遊び感覚で楽しめるセルフケア法がある。必要なのはストレッチボール。
壁を背にして立ち、背中との間に挟んで体重を預ける。膝を曲げ伸ばししながらストレッチボールを転がすことで、上下方向の背中のマッサージに。またストレッチボールを腰の位置にずらし、カラダを左右に回転させることで腰もほぐせる。
産後の身体を守るペリネのエクササイズ&サポート
ガスケ・メソッドがまとめられた、“産後ケア”のための一冊。カラダを保護しながら、筋肉を再構築するための具体的なケアや骨盤底筋群のエクササイズ、日常生活での正しい姿勢や動作を、医学的な根拠とともに解説。3,960円(メディカ出版)。