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適切な圧、タイミング、頻度は? 専門家に聞くセルフマッサージ8つの疑問

セルフマッサージ8つの疑問

自分で手軽にできるセルフマッサージは、慢性的な凝りや痛みへの対処法として有効。ただ、適切な圧、頻度、タイミングなど意外と知らないことも多いのでは。そこで、今回はセルフケアのプロ達に、気になるマッサージの疑問をぶつけてみた。自分に合った正しいやり方で、セルフマッサージの効果を最大化しよう。

教えてくれた人
  • 滝澤幸一さん(筋膜治療家)

  • 石垣英俊さん(あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師)

  • 岡部朋子さん(ヨガセラピー指導者
  • 丸山祥一さん(カイロプラクター)

  • 寺林陽介さん(あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師)

Q1. 適切な強さは? 揉み返しがないと効かないの?

凝ってコリコリしているところはつい強く刺激したくなるが、それでは筋肉や筋膜などが傷つき、逆効果になるリスクが高い。ことに、翌日になって揉み返しが起こるようでは、カラダは相当なダメージを負っていると覚悟せよ。

「揉み返しは、筋膜が部分的に破れている証拠。そもそも筋膜には、痛みを感じるセンサーが多い。神経がないのに、骨が折れると激痛が走るのは、骨を覆う骨膜という筋膜が破れるからなのです」(滝澤さん)

強めのマッサージがクセになってしまうと、より強く押したり揉んだりしないと満足できなくなり、どんどんエスカレートする恐れもある。痛いけど気持ちいい“痛キモ”ではなく、ただただ“気持ちいい”と感じる強さに留めておくのが正解。

Q2. どのタイミングでやるべきでしょう?

セルフマッサージは、思い立ったときに、いつでもどこでもできるのが大きなメリット。基本的にはタイミングを計りすぎず、好きなときにやってよいけれど、できれば避けたいタイミングはある。

「食後はカラダが消化吸収に集中していますから、食後2時間ほどは避けましょう。体温が低くてカラダが硬い朝の起き抜けも、マッサージには向いていません」(石垣さん)

一日のうちでルーティン化したいなら、カラダが温まり、柔らかくなっている入浴後がベストタイミング。タイミングを決めると、習慣化しやすくなるという利点もある。いつやるにしても、マッサージで血流を促し、老廃物の排泄をスムーズに進めるために、前後にコップ1杯程度の水を飲んでおくといいだろう。

Q3. どのくらいの頻度でやるべきですか?

揉み返しのない優しいセルフマッサージなら毎日やっても構わない。ただし、義務に感じるのはNG。

「何事も“ねばならない”と捉えるとストレスになります。ストレスは痛みや凝りを悪化させますから、“やってもいいかも”とユルく考えましょう。マッサージで気持ちよくなることが、頑張っている自分へのご褒美だと思えるようになれば、“今日もやりたい!”に変わります」(岡部さん)

平日忙しいなら、週末に集中ケアするという手もある。

「少し長めに時間を取ってマッサージしながら、自分自身とじっくり向き合いましょう。“凝りが先週より強いから、来週は有休を取って休もう”といった具合に、体調の自己管理にも役立ちます」(丸山さん)

Q4. 完全に脱力するコツがなかなか掴めません

カラダが緊張している状態では、凝りも痛みも解消しにくい。マッサージする際は、カラダの力みをいかに抜けるかがポイントだ。ところが、つねにストレス下にある現代人は無意識に緊張しており、脱力してリラックスするのが苦手。

「こわばっている人に“力を抜いてください”と言うと、“え? 抜いてますけど”という答えが返ってくるケースが大半です」(寺林さん)

力が抜けない自覚があるなら、逆に力をギュッと込めてみよう

「たとえば、肩の力を抜きたいなら、肩をすくめるように力を入れてから、ストンと肩を落とすと力が抜ける感覚が得られるはずです。さらに、吐く息を意識して長くすると副交感神経が優位になり、血管も緩みやすく、完全脱力に近づけます」(寺林さん)

Q5. ペアで取り組むときの注意点が知りたい

セルフマッサージにはパートナーに頼めるものもある。安心できるパートナーに委ねられたら脱力しやすいから、効果アップ間違いナシだが、注意点もある。コミュニケーションを欠かさないことだ。

「僕たちプロでも、施術中は“痛くありませんか?”などとつねに尋ねます。ペアマッサージでもいちばん大事なのは、コミュニケーション。施術側は、“強すぎない?” “凝っているところはどこ?”などとしつこいくらい尋ねながら、相手に最適な負荷でマッサージしましょう。やってもらう側も、“気持ちいいよ”などと自ら感想を伝えると、相手がやる気になります」(石垣さん)

施術側は、大切な相手を傷つけないように事前に爪を短く切り手を十分温めてから臨むようにしたい。

Q6. 習慣化するにはどうしたらいいでしょう

どんなマッサージでも、たった一度で劇的に効くことはあり得ない。トレーニングと同じで、マッサージも習慣化してある程度長く続けないと期待したような成果は得られない。そのために重要なのは?

「運動が続いている人は、動いた方がラクだと実感している人。だから、仕事でしんどくても、ちょっと運動してみようと思える。同じように、セルフマッサージもいろいろ試し、心地よさを実感していれば、疲れているときでも“マッサージで回復させよう!”と自然に思えるので、習慣化しやすいのです」(滝澤さん)

むろん、マッサージでしんどさが増すようなら、中断して休養に努めるべき。また、Q2で触れたように、タイミングを決めてルーティン化するのも賢い方法。

Q7. 日常生活で気をつけるべきことを教えてください

凝りや痛みの誘因の多くは、日常生活の悪い姿勢や動きの偏りにある。それらを放置していたら、いくらマッサージに励んだとしても、凝りとも痛みとも永遠に縁が切れない。第一に忘れてならないのは、坐りすぎを避けること

「立っているときと比べると、坐るだけで背骨にかかる負担は増えるし、座位では前屈みの姿勢に陥りやすく姿勢も乱れがち。できれば30分に一度、無理なら60分に一度は立ち上がって姿勢を正し、歩き回って血流を促しましょう」(丸山さん)

一日の約3分の1は寝ているから、その間の姿勢も重要。

「肝心なのは頭を支え、首にかかる負担を減らすこと。枕やタオルなどを首の後ろに当て、しっかり緩む姿勢で眠りましょう」(岡部さん)

Q8. プロに頼るべきタイミングは?

セルフマッサージを1〜2週間続けても何も変わらないなら、プロに頼ることを視野に入れるべき。少しでも凝りや痛みが強まったら、セルフは即中止。早めにプロに診てもらおう。安静時でも違和感があるなら、整形外科の受診も考えたい。

加えて大事なのは、困ったらここへ駆け込めば何とかなるという切り札を事前に見つけておくこと。

「凝りや痛みが我慢の限度を超えてから慌てて探しても、見つからないこともあります。ネット検索では良し悪しはわからないケースがほとんどなので、同じ悩みを持つ知人や同僚にリサーチし、本当に信頼に足るプロを見つけておきましょう。

イザというときに予約がすぐ取れないことも考えられますから、数人確保しておくと安心です」(寺林さん)

取材・文/井上健二

初出『Tarzan』No.867・2023年10月19日発売

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