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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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カラダ作りの知識を深める「ストレングス学園」。トレーニングの理論と実践、今回は、股関節まわりでも特に衰えやすい筋肉をピンポイントに強化する種目「ヒップアダクション」について解説。
今回のテーマ「ヒップアダクション」は、以前に解説した「ヒップアブダクション」と名前が酷似するが、動きのベクトルは真逆。
後者の“アブダクション”が「外転(=外に開く)」なのに対し、“アダクション”は「内転(=内に閉じる)」を意味するものだ。
その名が示すように、お尻を含む股関節を“内側に閉じる”ヒップアダクションで鍛えられるのは、答え①の内転筋。
実はこの筋肉、日常生活の中で使われる機会が非常に少なく、また骨盤から大腿骨が外向きに付着する股関節の構造上、誰にとっても衰えやすい筋肉だ。
これが脚を閉じる力を低下させガニ股やО脚の原因になるだけでなく、下肢のアライメントが崩れて歪み、股関節だけでなく膝や足首の痛みにもつながってしまうのだ。
自体重トレをはじめ、専用のマシン、チューブやケーブルマシンを使うものなど選択肢も豊富なため、必須の定番種目としてトレーニングのルーティンにぜひ取り入れたい。
ここからは、意外とコツがつかみづらいヒップアダクションのフォームについて解説していこう。
まずは最も手軽な自体重トレについて。
よくあるNG例に、持ち上げる脚の軌道が前にズレる、膝が曲がるなどが見られるが、これでは内転筋に正しく刺激が入らない。
脚はまっすぐ伸ばしたまま真上へ、なるべく高く上げるのがフォームとしては正解だ。さらに腹に軽く力を入れて腹圧をかけ、骨盤は床から垂直のポジションで安定させることで、原因となるカラダのグラつきを防ぐことができる。
さらに、間違いやすいのが足首の角度。膝につられて爪先まで伸ばしがちだが、これでは足の末端やふくらはぎの筋肉に負荷が逃げてしまう。
そこで足首を90度に曲げるとこの作用がロックされ、内股に正しく負荷をかけられるのだ。ここまでを総合すると、問いの答えは②。
最後にマシントレについて。最も大切なのは、スタートポジションの設定だ。
開脚の可動域に個人差はあるが、内転筋を最大限に伸び縮みさせるためにも90度+αで45度、計135度は欲しいところ。キツければ範囲を狭くして、いくらか余裕がある状態からスタートしよう。
また、腰が反る・丸くなるのも太腿の内外に正しく刺激が入らないためNG。左右の坐骨をシートにしっかりつけ、骨盤が立った状態が基本の姿勢、と心得ておこう。
取材・文/オカモトノブコ イラストレーション/モリタクマ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)
初出『Tarzan』No.866・2023年10月5日発売