問1. ヒップアダクションで強化のターゲットになる主な筋肉は?
- 内転筋
- 外側広筋
- ハムストリングス
今回のテーマ「ヒップアダクション」は、以前に解説した「ヒップアブダクション」と名前が酷似するが、動きのベクトルは真逆。
後者の“アブダクション”が「外転(=外に開く)」なのに対し、“アダクション”は「内転(=内に閉じる)」を意味するものだ。
その名が示すように、お尻を含む股関節を“内側に閉じる”ヒップアダクションで鍛えられるのは、答え①の内転筋。
実はこの筋肉、日常生活の中で使われる機会が非常に少なく、また骨盤から大腿骨が外向きに付着する股関節の構造上、誰にとっても衰えやすい筋肉だ。
これが脚を閉じる力を低下させガニ股やО脚の原因になるだけでなく、下肢のアライメントが崩れて歪み、股関節だけでなく膝や足首の痛みにもつながってしまうのだ。
自体重トレをはじめ、専用のマシン、チューブやケーブルマシンを使うものなど選択肢も豊富なため、必須の定番種目としてトレーニングのルーティンにぜひ取り入れたい。
問2. 自体重のヒップアダクションにおいて正しいフォームを選べ。
- 爪先を伸ばす
- 足首は90度に曲げる
- 膝を軽く曲げる
ここからは、意外とコツがつかみづらいヒップアダクションのフォームについて解説していこう。
まずは最も手軽な自体重トレについて。
よくあるNG例に、持ち上げる脚の軌道が前にズレる、膝が曲がるなどが見られるが、これでは内転筋に正しく刺激が入らない。
脚はまっすぐ伸ばしたまま真上へ、なるべく高く上げるのがフォームとしては正解だ。さらに腹に軽く力を入れて腹圧をかけ、骨盤は床から垂直のポジションで安定させることで、原因となるカラダのグラつきを防ぐことができる。
さらに、間違いやすいのが足首の角度。膝につられて爪先まで伸ばしがちだが、これでは足の末端やふくらはぎの筋肉に負荷が逃げてしまう。
そこで足首を90度に曲げるとこの作用がロックされ、内股に正しく負荷をかけられるのだ。ここまでを総合すると、問いの答えは②。
最後にマシントレについて。最も大切なのは、スタートポジションの設定だ。
開脚の可動域に個人差はあるが、内転筋を最大限に伸び縮みさせるためにも90度+αで45度、計135度は欲しいところ。キツければ範囲を狭くして、いくらか余裕がある状態からスタートしよう。
また、腰が反る・丸くなるのも太腿の内外に正しく刺激が入らないためNG。左右の坐骨をシートにしっかりつけ、骨盤が立った状態が基本の姿勢、と心得ておこう。