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こんなパンを待っていた! 豆でつくられたグルテンフリーの《ZENB ブレッド》
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カラダ作りに関する知識を深める「ストレングス学園」。今回からは、股関節まわりに効かせるトレーニングの種目を複数回にわたって解説していこう。本記事で学ぶのは、マシンと自体重による「ヒップアブダクション」について。
お尻(=ヒップ)を外転(=アブダクション)させる動きから名付けられたこのトレーニング。ここで股関節を外に開く動きに欠かせないのが、お尻に位置する臀筋群だ。特に側面にある中臀筋は股関節の外転に働いて、片脚立ちの際に骨盤を安定させるという役割を担っている。
具体的なメリットとしては、ランや歩行時のバランスを保つ、体幹の安定に貢献して運動パフォーマンスを高めるなど。さらに、垂れ下がった尻の上部に丸みを作り、キュッと引き締まった下半身が手に入るといった御利益も期待できる。
というわけで問いの答えは②だが、実際にはお尻を広くカバーする大臀筋、中臀筋の下に重なる小臀筋も連動して働くことを補足しておこう。
またマシントレの場合は両脚を同時に鍛えられる利点があるが、普段の生活にない動きのためキツさを感じやすく、狭い範囲でチョコチョコと動かすNG例が多く見られる。
だが筋トレ効果を正しく得るには、最大可動域に近い範囲で動かしてこそ。両脚をなるべく大きく開いたら、少し静止してジワジワと戻すのが極意だ。
横向き寝の側臥位で上側の脚を持ち上げ、中臀筋に刺激を加える自体重のヒップアブダクション。
ここで最も注意したいNGフォームが、脚を無理に上げようとする動きにつられて爪先が上を向き、外に開いてしまうこと。すると股関節が外旋し、脚上げ動作を股関節の前側にある腸腰筋や、外腿の大腿筋膜張筋に頼ってしまうのだ。
同様に、カラダが「く」の字になったり、上の脚の膝が曲がった状態になると、負荷が逃げて中臀筋に正しい刺激が入らない。太腿の外側には力を入れず、あくまで股関節を使って脚を上下させるトレーニングであることを肝に銘じておこう。
加えて注意すべきNGが、腰が反って骨盤がグラグラ動いてしまうこと。対する正解フォームでは爪先をやや下に向けて(=股関節はやや内旋)脚はやや後ろに上げ、骨盤は床から垂直にしてカラダを安定させる。
これを実現するために腹に軽く力を入れ、腹圧をかけておくのもポイントだ。よって問いの答えは①②。
ある程度トレーニングを重ねて自体重に慣れたら、ゴムバンドやアンクルウェイトで負荷をプラスする方法もおすすめ。
取材・文/オカモトノブコ イラストレーション/モリタクマ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)
初出『Tarzan』No.864・2023年9月7日発売