一椀で野菜のビタミンやミネラル、食物繊維を丸ごと摂れる味噌汁はベジ活に最適。タンパク質を加えれば、カラダづくりにも役立ち一石二鳥。おまけに、発酵食品の味噌も摂れ、腸活効果も期待できる“神味噌汁”を、鍛えるシェフたちが提案! 今回は〈MATSURIKA〉店主、高橋佑介さん考案の薬膳を意識した個性派中華ミソスープのレシピをご紹介。
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発酵×発酵の奥深さ、5色のミソスープ
高橋佑介さん
教えてくれた人
〈MATSURIKA〉店主。筋トレは小学生から、という真正トレーニー。中国料理の老舗や〈JASMINE広尾本店〉を経て、2019年現店をオープン。名物よだれ鶏と濃厚鶏白湯麺の2枚看板が好評。
〈MATSURIKA〉の高橋佑介さんが考案してくれたのは、薬膳を意識した個性派中華ミソスープ。「食材の色ごとに“赤、黄、緑、白、黒 ”の5色のスープに。また、どのスープも味噌の味が引き立つように、ほかの発酵食品や発酵調味料も掛け合わせています」。発酵×発酵の奥深い味も楽しもう。
※トッピングの味付けに使用している〈下味用の味噌調味料〉は、味噌大さじ1強、薄口醬油小さじ1弱、料理酒小さじ1、湯50mLを混ぜたもの。塩の代わりに使用。
赤い冷製発酵スープ
味噌&キムチの発酵×発酵スープ
カロリー168kcal タンパク質11.9g 糖質14.4g 脂質5.2g
トマト、ニンジンなど、具の野菜はすべて赤。「スープは赤味噌&キムチでパンチのある味に。タンパク質はトッピングのマグロのたたきでプラス」(高橋さん)
材料(1人分)
- [A]※すべてサイコロ状に切る
- トマト(皮は湯剝き)…1/2個
- 赤パプリカ(種を取る)…1/4個
- ニンジン…1/3本
- キムチ(食べやすく切る)…100g
- 赤タマネギ(薄切り)…1/4個
- 水… 300mL
- 赤味噌…小さじ1強
- 塩…ひとつまみ
- 油(何でも)…小さじ1
- マグロ(サク)…適量
- 下味用の味噌調味料…数滴
作り方
- 鍋に油をひき、野菜[A]、キムチを入れて炒める。
- 1に水を加えてひと沸かししたら、味噌を溶き入れ、塩を加え混ぜて火を止める。大きなボウルなどに氷水を作り、鍋のまま浸けて汁を冷ます。
- マグロのたたきを作る。フッ素樹脂加工のフライパンを温め、マグロの4面をサッと炙る。食べやすい大きさに切り、下味用の味噌調味料をつける。
- 器に2を盛り、3を適量、赤タマネギを乗せる。
栄養ポイントはココ!
味噌はもとより、キムチは乳酸菌の宝庫。植物性の菌なので、生きたまま腸に届きやすいです。トッピングのマグロは、ビタミンDや代謝に必要なナイアシンが豊富。(管理栄養士・河村玲子さん)
黄色い酸湯醬(サンタンジャン)スープ
夜遅めの食事はこれ一椀でOK
カロリー343kcal タンパク質20.7g 糖質29.3g 脂質12.1g
コーンとカボチャの甘みに、味噌のコク。伏兵に黄唐辛子の発酵調味料・酸湯醬のピリリとした辛み。「タンパク質はチキンで。ボリュームも満点です」。
材料(1人分)
- 茹でトウモロコシ(ホールコーン缶も可)…1/2本
- カボチャ(皮を剝く)…1/5個
- 黄パプリカ(種を取る)…1/2個
- サラダチキン(手作りする場合は、鶏胸肉皮なしを沸騰した湯に入れ火を止め、鍋にラップをして30分放置)…1/2枚
- 酸湯醬…小さじ1/2(3g)(豆板醬小さじ1でも可)
- 水…300mL
- 砂糖…小さじ1
- 料理酒…大さじ1+小さじ1
- 味噌(信州味噌がおすすめ)…大さじ1/2強
- 油(何でも)…小さじ2
- パルメザンチーズ…大さじ1
作り方
- トウモロコシは包丁で粒だけ削ぐ。カボチャ、パプリカはサイコロ状に切る。サラダチキンは薄切りにする。
- 鍋に油をひき、1の野菜を炒めて火を通す。酸湯醬を加えて香りが立ってきたら、水を入れて煮立たせる。砂糖、酒、味噌を溶かし入れて火を止める。
- 器に2を盛り、1のサラダチキンを乗せ、パルメザンチーズを振る。
栄養ポイントはココ!
高タンパク&脂質も糖質も適度に摂れ、残業後の食事にも○。ちなみに野菜の黄色や赤の色素はカロテノイドの一種。活性酸素の発生を抑える働きがあります。(管理栄養士・河村玲子さん)
緑の冷製翡翠スープ
濃厚クリーミー、白味噌が決め手
カロリー358kcal タンパク質23.8g 糖質22.5g 脂質14.5g
「枝豆と空豆を、甘口の白味噌、豆乳とミキサーで攪拌するだけ。緑色ザーサイ(発酵食品)と混ぜながら味わうと味により深みが」
材料(1人分)
- [A]
- 冷凍塩茹で枝豆(さやなし)…100g
- 冷凍塩茹で空豆…50g
- 白味噌…大さじ1/2
- 調製豆乳…200mL
- 茹でブロッコリー(房)…1/5個
- 緑色ザーサイ(野沢菜の漬物も可)…適量
- 茹でホウレンソウ…適量
- 下味用の味噌調味料…適量
作り方
- [A]をすべてミキサーに入れて、なめらかになるまで攪拌する。
- ザーサイ、ホウレンソウは食べやすく切り、下味用の味噌調味料で和える。
- 器に1を盛り、ブロッコリー、2を乗せる。
栄養ポイントはココ!
同じ豆でも栄養素が異なるので、いろいろな種類を組み合わせると栄養価がUP。ザーサイや野沢菜など発酵させた漬物には植物性乳酸菌が豊富なので、積極的に摂って。(管理栄養士・河村玲子さん)
白い薬膳スープ
秋冬に向けてカラダを整える
カロリー174kcal タンパク質12.9g 糖質16.6g 脂質4.5g
ほんのり甘い白味噌は根菜と相性抜群。「野菜はレンコン、長芋などに、タンパク源で大豆も。汁は白味噌+甘酒でとろりと仕立てています」。
材料(1人分)
- レンコン…1〜2cm
- 長芋…1〜2cm
- 茹で大豆…20g
- 水…300mL
- 甘酒…大さじ2
- 白味噌…大さじ1/2
- 塩…少々
- [A]
- 油(何でも)…少々
- 下味用の味噌調味料…少々
作り方
- フライパンに油をひき、トッピング用の[A]を焼き、下味用の味噌調味料をまぶす。
- レンコン、長芋はともに食べやすい大きさに切る。沸騰させた湯でサッとゆがき、ザルに空けてぬめりを取る。
- 鍋に水、2、大豆を入れて火にかける。火が通ってきたら甘酒、白味噌を溶かし入れ、塩を加えてひと沸かしする。
- 器に3を盛り、1を乗せる。
栄養ポイントはココ!
根菜、白味噌、甘酒と、秋冬に向けてカラダを温めてくれそうな一椀ですね。根菜の長芋はネバネバの正体・レジスタントスターチが腸の奥まで届き、腸活的に○。(管理栄養士・河村玲子さん)
黒い酸辣(サンラー)スープ
疲労回復に酸っぱいミソスープ
カロリー431kcal タンパク質25.6g 糖質17.2g 脂質24.3g
見た目もインパクト大の酸っぱいミソスープ。「味噌×黒酢で旨みのある酸味に」。具材もウナギ、黒豆、黒ゴマ、ナスなど“黒”で統一。
材料(1人分)
- ウナギ蒲焼き(レトルトパック)…100g
- 水で戻したワカメ…適量
- 水で戻した黒キクラゲ…適量
- 黒ゴマ…大さじ1/2
- 蒸し黒豆…20g
- 水…300mL
- [A]
- 味噌(信州味噌がおすすめ)…小さじ1強
- 黒酢…大さじ1+小さじ1
- 穀物酢…大さじ1+小さじ1
- 塩…ひとつまみ
- 醬油大さじ…1/2強
- 黒コショウ…小さじ1
- ナス(薄切り)…1本
- 油…少々
- 下味用の味噌調味料…少々
作り方
- フライパンに油をひき、トッピング用のナスを焼き、下味用の味噌調味料をまぶす。ウナギ、ワカメ、キクラゲは食べやすく切る。
- 鍋に水、1のウナギ、ワカメ、キクラゲと黒ゴマ、黒豆を入れて火にかける。火が通ってきたら、汁の調味料[A]を加え混ぜ、沸いてきたら火を止める。
- 器に2を盛り、1のナスを乗せる。
栄養ポイントはココ!
疲労回復効果が期待できるスープ。酢の効果に加え、ウナギには疲れ目対策にもなるビタミンA、黒豆や黒ゴマ、ナスの皮などの黒い色素には抗酸化物質のアントシアニンが豊富。(管理栄養士・河村玲子さん)
取材・文/小沢緑子 撮影/大嶋千尋 スタイリスト/矢口紀子 栄養計算&監修/河村玲子
初出『Tarzan』No.863・2023年8月24日発売
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