目次
① 立つ、歩く、走るの基本動作がスムーズに行える
地上の生き物で、直立二足歩行をしているのはヒトだけ。当たり前すぎて意識するのは難しいけれど、立ったり、歩いたり、走ったりといった基本的な動作のすべてに足が関わっている。
ひとたび足を痛めると、たとえ膝や股関節がどんなに立派でも、立ったり、歩いたりするのもひと苦労。走るなんて論外だ。
足をトレーニングして衰えを防ぎ、安定性(スタビリティ)と可動性(モビリティ)がともにアップすれば、立つ、歩く、走るといったデイリーアクティビティがラクに。
羽が生えたようにフットワークが軽くなり、毎日が快適に過ごせるようになる。
② 歩幅が広がり、日常の活動量がアップする
私たちが平素消費しているエネルギーのおよそ30%を占めているのは、NEAT。日本語にすると「非運動性熱産生」。通勤や家事などのように、いわゆる運動以外で消費しているエネルギーを意味する。
消費エネルギーを底上げしてカラダを絞りたいなら、苦手な運動に励む前にNEATを高めるのが手軽で効果的。
NEATを上げるコツは歩数を増やすこと。歩行を伴う活動ほど、より多くのエネルギーを消費してくれるからだ。加えて足を鍛えると、歩幅が自然と広がる。それによりNEATが一層稼げるため、無駄な体脂肪が燃えやすくなる。
③ スポーツパフォーマンスが高まる
足が大切なのは、なにも日常生活のシーンばかりではない。大半のスポーツやトレーニングでも、足がパフォーマンスの鍵を握っている。
陸上競技やサッカー、スクワットやデッドリフトは言うまでもなく、上半身が主役の運動に思える野球のバッティングやピッチング、ゴルフやテニスのスイング、そしてベンチプレスでも、そのパワーの源泉は足にある。
「足で地面を確実に捉え、力強く踏ん張ると、それと同じだけのパワーが得られます。この“地面反力”こそが、足を地面につけて行っている、あらゆる運動の原動力になっているのです」(カイロプラクターの丸山祥一さん)
④ 姿勢が安定。腰痛やガニ股が解消できる
地震や台風などの自然災害に強く、頑丈な建物を建てるには、基礎となる土台をしっかりと作り込むべき。それはカラダも同じ。
骨格と姿勢のベースとなる足が衰えると、悪影響は膝→股関節→骨盤→背骨と連鎖。負のドミノ倒しが波及し、骨格は歪み、姿勢が悪くなる。
「たとえば、足裏のアーチが崩れると足元から衝撃が伝わり、膝痛や腰痛を起こしやすくなりますし、足の歪みからO脚(ガニ股)やX脚なども生じやすくなります」
姿勢を正しく整え、腰痛などのトラブルとも無縁のニュートラルなカラダに保ちたいなら、足を鍛えるのが肝心である。
⑤ 脳へのシグナルが増える
足は地面とダイレクトに接しているゆえに、そこからできるだけ多くのデータを得ようと、足裏には数多くのセンサーが配備されている。
足裏からのシグナルは、脳への刺激でもある。怪我などで寝たきりになると認知機能が衰える一因は、足裏からの情報入力が途絶えることにあるという説もある。
フランスの偉大な哲学者パスカルは「人間は“考える葦”である」という名言を残しているけれど、ひょっとすると私たちは“考える足”なのかも。散歩すると良いアイデアが浮かびやすいのは、たぶん足が発想力をサポートしてくれるおかげだろう。
⑥ バランス感覚が養われる
不安定な体勢で倒れそうになっても、しなやかに持ち直し、決してバランスを崩さないためには、カラダのどこのパーツが大事なのか? そう聞かれると、多くの人は、半ば反射的に「体幹でしょ!」と答えるのではないだろうか。
確かにバランスを乱さないためには体幹の鍛錬も求められるが、土台の足が弱いままでは体幹力をいかに高めても不十分。
こちらの記事(TarzanWebの記事:足の衰えをチェックする6つの動き)で紹介したような、足裏感覚や閉眼片脚立ちのテストを試すと実感できるように、足がバランス保持に果たしている役割は大きい。
バランス力に磨きをかけたいなら、体幹とともに足を見直すことも忘れないように。