多くの人が気持ちよく歩けるように。歩行筋サポートギア《futto》の可能性
健康寿命を延ばすためにも“歩く力”の維持をしたいところだが、歩行に悩みのある人たちも少なくない。介護やリハビリの現場でテストを重ねて作られたのが歩行筋サポートギア《futto》。開発者である山田好洋さんに伺った。
取材・文/神津文人 撮影/石原敦志
初出『Tarzan』No.862・2023年8月3日発売
歩く喜び、歩く楽しさを感じてほしい
健康寿命を延ばし、自立した生活を続けるためには“歩く力”の維持が欠かせない。
筋力が低下した高齢者、足腰に不安がある人など、歩行に悩みのある人たちでも気持ちよく歩けるようにと作られたのが、歩行筋サポートギア《futto》だ。
開発者は、整骨院や介護施設を運営する山田好洋さん。
山田好洋さん
開発した人
やまだ・よしひろ/(株)YAMADA代表。1993年、静岡県浜松市に山田整骨院を開業。その後、介護施設やスポーツジムを通じて、地域医療に貢献。2023年6月に《futto》を発表した。
「施設に来られていた方が、補助ロボットで歩くのを非常に楽しみにしていたのですが、実際にロボットを使ったら、まったく歩けなかったということがあったんです。なんとかしてあげたいなと、ベルトにトレーニングチューブをたくさんつけた補助具を作ったのが始まりでした」
最初は筋肉の走行に沿って、かなりの数のゴムをつけていたが、着脱のしやすさや軽量性を考慮し、簡素化。
介護やリハビリの現場でテストを重ね、シンプルで十分なサポート力のある《futto》の構造に辿り着いた。
「誰でも使えるように、着け心地についてもヒアリングを重ねて設計しました」
実際に着けて歩いてみると、想像以上にサポートがあってかなり歩きやすい。自然と爪先が上がり、膝が内側・外側にブレにくいので、ランニングのフォーム修正にも良さそうな印象。
リハビリや介護はもちろん、スポーツの現場でも活躍しそうだ!