副交感神経の活性化をサポート!深く吸い、吐くための呼吸筋ストレッチ
緊張が強く、浅い呼吸がクセになっていると呼吸筋が硬く弱くなってしまう。そこで、今回は硬くなった呼吸筋をほぐすための簡単なストレッチを紹介。継続すれば優れたリラックス効果も実感できるはず。
撮影/小川朋央 スタイリスト/川合康太 ヘア&メイク/村田真弓 監修/赤井利奈(アメリカンクリニック東京、医学博士・公認心理師)
初出『Tarzan』No.858・2022年6月8日発売
教えてくれた人
赤井利奈(あかい・りな)/公認心理師。アメリカンクリニック東京、医学博士・公認心理師。ハーバード大学卒業後、昭和大学医学部で博士号を取得。
呼吸と情動の研究を続けながら、エビデンスに基づく呼吸筋ストレッチ体操を指導。不安障害などの患者へのカウンセリングを提供。
吸う筋肉も 吐く筋肉もしなやかに
緊張が強くて交感神経が優位になり、浅い呼吸がクセになっていると、横隔膜をはじめとする呼吸筋が硬く弱くなっていく。その状態で深い呼吸で副交感神経を活性化しようとしても、長続きしないのは当たり前。足腰の筋肉が弱っている人が、いきなり長い距離を走れないのと同じだ。
そこで取り組みたいのが、呼吸筋ストレッチ体操。硬くなった呼吸筋を柔らかくほぐし、動きやすくするのが狙いである。
「息を吸う筋肉が収縮するときにその筋肉をストレッチし、息を吐く筋肉が収縮するときにその筋肉がストレッチできるように考えられています」(赤井さん)
基本の呼吸筋ストレッチ体操は、わずか4種類。
3回ずつやっても2〜3分で終わる。起床時や寝る前などタイミングを決めたら、できれば毎日続けるようにしたい。ストレスで緊張や不安が強いときに行えば、優れたリラックス効果も期待できる。
① 肩のストレッチ(3回)
両足を肩幅に開いて立ち、心地よい姿勢を取る。両腕を体側にまっすぐ下げ、力を抜く。鼻からゆっくり息を吸いながら、肩をすくめるように引き上げ、口から息をゆっくり吐きながら肩を後ろに回して下げる。
② 首のストレッチ(左右3回)
両足を肩幅に開いて立ち、心地よい姿勢を取る。左手を右の側頭部に当て、右腕はリラックスして下げる。鼻からゆっくり息を吸いながら、耳を肩に近づけるように左手で頭を左へ倒し、右の首すじを伸ばす。口からゆっくり息を吐きながら元に戻る。左右を変えて同様に行う。
③ 背中のストレッチ(3回)
両足を肩幅に開いて立ち、心地よい姿勢を取る。両手を胸の前で組み、両肘を軽く曲げる。重心を踵に置き、両膝を軽く曲げる。鼻からゆっくり息を吸いながら、両腕を前に伸ばし、大きなボールを抱えるように背中を丸めて伸ばす。口からゆっくり息を吐きながら元の姿勢に戻る。
④ 胸のストレッチ(3回)
両足を肩幅に開いて立ち、心地よい姿勢を取る。両手を後ろに回して腰で組み、肘を軽く曲げ、鼻からゆっくり息を吸う。口からゆっくり息を吐きながら、両腕を斜め下に押し下げ、胸を大きく開く。息を吸いながら戻る。