スポーツも日常も。運動能力をアップする体幹トレ7種目

体幹作りの狙いは、その働きを高めることにある。とはいえ、体幹の働きが高まるとそれに付随して、様々な前向きな変化が起こる。そこで、体幹作りのモチベーションにも繋がる目的別の体幹作りメニューを紹介していく。今回は、動きの軸となる体幹の強さを高め、運動能力アップが叶う体幹メニュー。

取材・文/井上健二 撮影/石原敦志 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 トレーニング監修&アレンジ/川谷響(マンマビレッジ代表パーソナルトレーナー) トレーニング参考/PHIピラティス

初出『Tarzan』No.857・2023年5月25日発売

サイドレッグスイングwithブロック

強靱な体幹で、スポーツも日常も楽勝に!

スポーツや日常生活のパフォーマンスを高めるために必要なのは、動きの軸となる体幹の強さ。その強靱さの源になっているのは、インナーマッスルを中心に保つ腹圧である。

求められるのは、じっとしているときの強さではない。手足が複雑に動いたり、外部から不意に力が加わったりしたときでも、体幹を貫く背骨を安全なニュートラルポジションに収めて、即座かつしなやかに復元・回復できる動的な安定性である。

紹介する7つのエクササイズは、ベーシックな体幹作り(詳しくはTarzanWebの記事:2週間で使えるカラダに。基本の体幹作り種目「ベーシック3」)のアップデート版。仰向け、四つん這い、横向きという基本の3大姿勢ごとに、ギアも使いながら、よりダイナミックな動きを盛り込んでいる。

腹圧を抜かずに保ちつつ、一つひとつの動きをゆっくり確実に行おう。たっぷり時間をかけるほど、体幹へのトレーニング効果は上がる。体幹を強くしたいなら、週3回以上はやりたいもの。それぞれ1セットから始めて、正しくできるようになったら2セットやってみたい。

1.ウォーキングクランチ(左右交互に各5回× 1〜2セット)

両脚を動かしても動じない体幹へ

ウォーキングクランチ

1.床で仰向けになり、両脚を揃えて45度ほどの角度で伸ばす。

2.みぞおちを床に押し付け、腰を反らさない(脚を高く上げるほど腰は反りにくい)。

3.両手を頭の後ろに添えて、両肘を開く。

4.口から息を吐きながら、お腹がプルプルするところまで上体を起こす。

5.腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。

ウォーキングクランチ

6.口から息を吐きながら、右膝を曲げて引き寄せ、両肘を閉じ、右膝と右肘をタッチ。

7.元に戻って息を軽く吸い、口から息を吐きながら左右交互に続ける。

2.バンザイ・レッグレイズ(10回×1〜2セット)

手足を同時に動かし、動的安定性を向上

バンザイ・レッグレイズ

1.床で仰向けになり、両膝を揃えて曲げる。

2.両手を頭の後ろに添える。

3.口から息を吐きながら、上体を起こしながら両膝を引き寄せ、肘と膝をタッチ。

4.腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。 

バンザイ・レッグレイズ

5.口から息を吐きながら、バンザイをするように両脚と両腕を伸ばす。

6.みぞおちを床に押し付け、腰を反らさない(脚を高く上げるほど腰は反りにくい)。

7.元に戻って息を軽く吸い、口から息を吐きながら続ける。

3.デッドバグwithバランスボール(左右交互に各5回×1〜2セット)

ボールを落とさないように動く

デッドバグwithバランスボール

1.床で仰向けになり、頭を軽く上げる。

2.両膝を腰幅で90度曲げ、太腿を床と垂直、ふくらはぎを床と平行に。

3.両腕を肩幅で天井へ伸ばし、手のひらを向かい合わせる。

4.バランスボールを両膝と両手のひらの4点で支持する。

5.腹圧が抜けない程度に、鼻から軽く息を吸い、腰のアーチを押し潰す。

デッドバグwithバランスボール

6.対角の手足を遠くへ伸ばし、対角の膝と手のひらの2点でボールをキープ。

7.元に戻って息を軽く吸い、口から息を吐きながら左右交互に続ける。

4.フロントブリッジスイミング(左右交互に各5回×1〜2セット)

対角の手足を動かしても姿勢を崩さない

フロントブリッジスイミング

1.腕立て伏せをするように、両手を肩の真下でついて床でうつ伏せになる。

2.両脚を肩幅に開いてまっすぐ伸ばす。

3.腰を落とさず、反らさず、背中(体幹)を床と平行に保つ。

4.首を長く伸ばし、肩(肩甲骨)を下げる。

5.腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。

フロントブリッジスイミング

6.口から息を吐きながら、体幹を安定させたまま、対角の手足を背中の高さで遠くへ伸ばす。

7.元に戻って息を軽く吸い、口から息を吐きながら左右交互に続ける。

8.手足を高く上げようとして、腰が反らないように注意。

5.スイミングwithバランスディスク(左右交互に各5回×1〜2セット)

不安定な下半身に負けない体幹力を

スイミングwithバランスディスク

1.両手を肩、両膝を股関節の真下につき、床で四つん這いになる。

2.左膝をバランスディスクに乗せ、左足の爪先を床につく。

3.腰を落とさず、反らさず、背中(体幹)を床と平行に保つ。

4.首を長く伸ばし、肩(肩甲骨)を下げる。

5.腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。

6.口から息を吐きながら、体幹を安定させたまま、左腕と右脚を背中の高さで遠くへ伸ばす。

7.左肘と右膝を引き寄せる。

8.腹圧が抜けるので、体幹は丸めず、フラットにキープする。

9.元に戻って息を軽く吸い、口から息を吐きながら続ける。左右を変えて同様に行う。

6.スター(左右交互に各5回×1〜2セット)

肩甲骨を下げて体幹をしっかりパック

スター

1.右手を床について横向きになる。右肩の真下に右手をまっすぐつく。

2.両脚を揃えてまっすぐ伸ばし、頭から足首まで一直線にしてブリッジ。

3.首を長く伸ばし、右肩(肩甲骨)を下げる。

4.左腕は右腕の延長線上に上げる(両腕が床と垂直になるのがベスト)。

5.腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。

スター

6.口から息を吐きながら、星形を作るように、左脚を45度ほど上げ、爪先を天井へ向ける。

7.体幹を安定させて、腰を落とさず、左の体側を床と平行にする。

8.元に戻って息を軽く吸い、口から息を吐きながら続ける。左右を変えて同様に行う。

7.サイドレッグスイングwithブロック(左右交互に各5回×1〜2セット)

脚の動きにつられず体幹と両腕をキープ

サイドレッグスイングwithブロック

1.スターのスタート姿勢を取り(スターの1〜4参照)、左手にヨガブロック(なければ空のペットボトル。軽いものほど効果的)を乗せる。

2.腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。

サイドレッグスイングwithブロック

3.左脚を少し右脚から浮かせ、口から息を吐きながら、前後に大きくスイングする。

サイドレッグスイングwithブロック

4.脚の動きにつられて、体幹が動揺しないように注意する。左右を変えて同様に行う。