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体幹を整えて頑固な肩こりをリセット
坐ってデスクワークに励む現代人の宿命とも言えるのが、肩こり。とくに前傾姿勢で猫背がクセになると、頑固な肩こりに悩まされる。肩こりというと、肩や首の周辺ばかり気になるが、本気でリセットしたいなら、目を向けるべきは体幹。
体幹を貫く背骨、背骨(胸椎)から延びる肋骨などが作る胸郭、胸郭の背中側にある肩甲骨といった体幹のフレームの動きに偏りが生じると、特定の筋肉などにストレスが集中。
それを放置すると、肩や首をいくらほぐしても肩こりから解放されない。体幹を安定させながら、背骨、胸郭、肩甲骨を滑らかに動かしてみよう。
何よりも重視したい種目は、最初のキャットバック(下記で紹介)。背骨を1個ずつ偏りなく、柔らかく動かせるようになるまで繰り返そう。そのうえで、背骨と連動するように胸郭や肩甲骨の動きを自在にコントロールしたい。
デスクワークのブレイク時などに毎日続けると、背中側の緊張と張りがリセットされて、肩こりが少しずつ軽くなる実感が得られるだろう。
① キャットバック(5往復×1セット)
背骨を1個ずつスムーズに動かす
❶両手を肩、両膝を股関節の真下につき、床で四つん這いになる。爪先を立てる。❷首を長く伸ばし、肩(肩甲骨)を下げる。❸頭を背骨の延長線上に置き、目線は少し前方の床に向ける。❹腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。
❺口から息を吐きながら、肩甲骨を寄せてみぞおちを床に近づけるように、背骨を反らす。❻元に戻って息を軽く吸い、口から息を吐きながら肩甲骨を離し、天井へピークを近づけるように背中をできるだけ丸め、背骨を弓形にしならせる。目線は両手の間に向ける。
② 糸通しリーチ(左右各5回×1セット)
片腕を伸ばし、反対の脇の下を通す
❶両手を肩、両膝を股関節の真下につき、床で四つん這いになり爪先を立てる。❷首を長く伸ばし、肩を下げる。❸右腕を左腕にクロスさせて、右手の甲を左側の床につける。顔も左側に向ける。❹腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。
❺口から息を吐きながら、右手の甲を遠くへ滑らせつつ、左肘を曲げ、右肩と右側頭部を床につける。❻元に戻って息を軽く吸い、左右を変えて同様に。
③ ランジローテーション(左右各5回×1セット)
背骨を軸に、胸郭を大きく回す
❶両手を肩、両膝を股関節の真下につき、床で四つん這いになる。爪先を立てる。❷首を長く伸ばし、肩(肩甲骨)を下げる。❸左足を左手の真横につき、左膝を90度曲げて脛を床と垂直にする。❹左肘を曲げ、左膝の下に入れる。❺腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。
❻口から息を吐きながら、背骨を軸に胸を左側へ回し、右手で床をしっかり押しながら、左腕をまっすぐ天井に伸ばす。両腕が床と垂直になるのが理想。❼手のひらを左側へ向け、目線は左手のひらに向ける。❽元に戻って息を軽く吸い、口から息を吐きながら続ける。左右を変えて同様に行う。
④ ショルダーローテーション(左右各5回×1セット)
胸郭の動きに肩甲骨の動きをプラス
❶ランジローテーションのスタート姿勢(❶〜❹)を取る。 ❷腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。
❸口から息を吐きながら、左腕を左斜め上に伸ばし、目線を向ける。❹できるだけ大きな弧を描きながら、左腕を右腕の延長線上まで伸ばし、目線を向ける。❺目線は天井へ向けたまま、左肘を曲げ、左手の甲を背中につける。❻元に戻って息を軽く吸い、口から息を吐きながら続ける。左右を変えて同様に行う。
⑤ サイドローテーション(左右各5回× 1セット)
横向きの姿勢で胸郭を大きく回す
❶右肘を右肩の真下について床で横向きになる。❷首を長く伸ばし、右肩(肩甲骨)を下げる。❸右腕の前腕を正面に向け、手のひらを床に向ける。❹両膝を30度ほど曲げて揃える。❺腰を持ち上げ、頭、胸、腹、お尻を一直線に並べる。❻左腕を床と垂直に上げ、手のひらを正面に向ける。❼腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。
❽口から息を吐きながら、背骨を軸に胸を右側へ回し、左腕を右の脇の下から後ろへ差し入れて目線を向ける。❾元に戻って息を軽く吸い、口から息を吐きながら続ける。左右を変えて同様に行う。