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肩甲骨って剝がれるの? 肩甲骨のセルフケアにまつわるQ&A

肩こりをはじめ、慢性的な不調を抱えがちな肩甲骨まわり。そこで、カラダを整えるプロ、6人に肩甲骨のセルフケアにまつわる素朴な疑問に答えてもらった。正しいセルフケアで不安を解消しよう。

教えてくれた人
  • 半田学さん(理学療法士)
  • 石垣英俊さん(鍼灸あん摩マッサージ指圧師)
  • 村木宏衣さん(エイジングデザイナー)
  • 星野由香さん(パーソナルトレーナー)
  • 柳本真弓さん(鍼灸あん摩マッサージ指圧師)

肩甲骨の正しい位置ってあるんですか?

肩甲骨は上下に挙上・下制、左右に内転・外転、回転を伴う上方・下方回旋と多彩に動ける。星野さんに聞くと「肩甲骨の正しい位置は、こうした動きがいちばん自然にできるポジション」との答え。それを見つけるには?

「“正”という字は“止”と“一”の組み合わせ。肩甲骨をもっとも大きく挙上・下制、内転・外転、上方・下方回旋させ、続いて“一”回り小さく同様に動かして“止”めたところが、ニュートラルポジションです」

肩甲骨って剝がれるんですか?

肩甲骨と肋骨は筋肉だけでつながり、その間を柔軟にすることを一部で“剝がす”と表現するようです」と半田さん。ここが硬すぎると肩関節の負担になるといい、村木さんも「姿勢の悪化や巻き肩、呼吸が浅くなるなどの原因にも」と話す。

ただし「肋骨とつながる前鋸筋の機能低下で肩甲骨の内側が浮く“翼状肩甲”の場合、むやみに剝がすのはNG。前鋸筋を強化して肩甲骨の働きを良くしましょう」とは、半田さんの言。

腕を回すと肩がゴリゴリ鳴る理由とは?

腕を回すたび、肩や背中でゴリゴリ音がすると、関節内部に異常があるのではないかと心配になる。でもその多くは、肩甲骨まわりの筋肉が硬すぎて、互いに引っかかりが生じることから発生しているようだ。

柳本さん曰く、「鍼灸で肩甲骨周辺の筋肉を柔らかくほぐしてやると、関節をまったく触らなくても、ゴリゴリ音が消えるケースが大半です」。鍼灸でなくても、ツボ押しやストレッチなどで肩甲骨まわりを十分ほぐせば、異音は消えるはずだ。

痛みがあるときのセルフケアは?

痛みがあるときは、まず安静にするのが先決。安静時に大切なのは、無駄な動きを一切しないこと

どんな動き・角度なら痛まないのかと思わず試したくなりますが、その程度でも首・肩甲骨・骨盤のダメージとなる場合はあります。自分にとっていちばん楽な姿勢をキープすることが、何よりも重要なのです」(柳本さん)。

そのうえで市販の湿布を貼ったり抗炎症剤を飲んだりし、痛むことなく動かせる範囲が少しずつ広がるのを待とう。

セルフケアで解決できる範囲と見極め方

自分自身での見極め方について、半田学さんは次のようにアドバイスする。

「慢性的な不調に対しては1~2週間ほど続けてみて、変化のある・なしを判断しましょう。まったく変化がないのに一つの方法に固執し続けてしまう人もいますが、見切りをつけて次に行く柔軟性も必要です

ただし、セルフケアを行っているのに痛みや症状が悪化している場合は、医師による治療が必要な疾患の可能性も。こうしたケースは専門医に相談しましょう

肩が外れやすい人の特徴は?

「肩関節は股関節と同じくボールとソケットで成り立つ球関節ですが、股関節に比べて小さく、もともと不安定な構造です」と、石垣さん。簡単に外れないのは、棘上筋や肩甲下筋などの筋肉群によって守られているおかげだが、

これらの筋肉のバランスが崩れると、外れやすくなる。猫背や巻き肩にもなりやすいので、こうした悩みがある人は肩も脱臼しやすいと考えていいでしょう。普段から肩まわりの筋肉を鍛えておくことをおすすめします」

取材・文/井上健二、オカモトノブコ、門上奈央、新田草子

初出『Tarzan』No.853・2023年3月23日発売

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