腹圧アップに! 肩甲骨を定位置に戻すエクササイズ|腹が凹む7つの習慣②

出てるお腹を凹ませたい。とはいえ辛いフッキンはやりたくないし、食事の内容を大きく変えるのはどうせ続かない…。こんな自分でもお腹は凹ませられる? その問いに対する答えはイエス。「凹ます」のは「割る」ほど難しくない。ちょっとした習慣を取り入れるだけで十分なのだ。今回着目するのは「肩甲骨」。猫背だと肩甲骨が定位置から大きく外れる。本来のポジションへ誘導すると、リンクする骨盤もお腹を凹ます傾きに矯正できる。

取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/豊島猛 ヘア&メイク/村田真弓 取材協力/神戸貴宏(Body Design Studio ASK代表)

初出『Tarzan』No.878・2024年4月18日発売

正しい姿勢で腹が凹む

骨盤と肩甲骨は背骨を介してリンクする。まずは坐骨で坐る習慣(詳しくはこちらの記事:腹を凹ましたいなら、とにかく坐骨で坐ろう|腹が凹む7つの習慣①)をつけ、定着したら肩甲骨も正しい位置に収めよう。

肩甲骨は、背中側にある逆三角形の平らな骨。その内縁が、背骨から指3〜4本分離れて、肋骨などからなる胸郭に対して前傾も後傾もせず、まっすぐ立っているのが理想。

猫背がクセになっていると、肩甲骨が背骨から離れて前傾しやすく、つられて骨盤は後傾。腹圧がダウンしてお腹は凹みにくい。

「“いい姿勢”を取ろうと胸を張ると、今度は肩甲骨が背骨に寄りすぎて腰椎が過度に伸展してしまい、つられて骨盤は前傾しやすくなり、やはり腹圧が抜けてお腹は凹みにくくなってしまいます」(パーソナルトレーナーの神戸貴宏さん)

では、肩甲骨のニュートラルポジションはどこか。意識するのは難しいので、両腕を横に開いてチェック。さらにエクササイズで肩甲骨の動きをよくして、正しい姿勢を取れるようになれば、自然と腹圧がアップして腹が凹むはず。

肩甲骨チェック

OK:正しく肩甲骨を立てて軽く寄せた状態

正しく肩甲骨を立てて軽く寄せた状態

椅子に浅く坐り、膝と股関節を90度曲げる。両腕を床と平行に横へ伸ばし、カラダの真横から30度ほど前に出す。これが肩甲骨のニュートラルポジション。肩を鍛える種目・サイドレイズで、「肩の真横より少し前に上げる」と指導されるのは、それが肩甲骨の定位置だから。

NG例

肩甲骨が内転して腰椎が過度に伸展する(肩甲骨の内転・腰椎過伸展)

床と平行に伸ばした両腕を肩より後ろに引く。背中を丸めずに、胸を張った“正しい姿勢”を取ろうとすると、このように肩甲骨を過剰に背骨へ寄せてしまううえに、腰椎が過伸展する。

肩甲骨を定位置に収める運動(10〜15回)

肩甲骨を定位置に収める運動

両腕を肩より30度ほど前に出してから、上腕を外向きに捻る外旋を行うと、肩甲骨は定位置に収まりやすい。外旋の感覚が摑めない人は、肘を90度曲げてから前腕を床と垂直に動かす。これで上腕は外旋している。感覚が摑めるまで繰り返してから、デスクワークに向かおう。用事で立ち上がったら、再び仕事を始める前にこの動作を行うとよい。

NG

肩甲骨の動きをよくするエクササイズ NG

肘を曲げて上腕を外旋させる際、肘の位置と脇の下の角度を変えない。肘を脇腹へ近づけようとするミスが多いので気をつけたい。

肩甲骨の動きをよくするエクササイズ①(15〜20回)

肩甲骨の動きをよくするエクササイズ

椅子に浅く坐り、座面の端を摑む。両脚を揃えて前に出し、両膝を90度曲げる。お尻を椅子の前に出し、両腕を床と垂直に伸ばして支える。

お尻を下げて肩をすくめ、肩甲骨を下げる(下制)。両手で座面を押し、肩を下げて肩甲骨を上げる(挙上)。

肩甲骨の動きをよくするエクササイズ②(左右各15〜20回)

肩甲骨の動きをよくするエクササイズ

椅子の横に立ち、左手で背もたれ、右手で座面の端を持ち、半歩離れて腕立て伏せのスタート姿勢に。右腕は伸ばし、左腕の肘は90度曲げて高く保つ。

胸を座面に近づけるように、左側の肩甲骨を背骨に寄せ(内転)、元に戻して左側の肩甲骨を背骨から離す(外転)。肘の位置を保ち、下げない。

呼吸法で腹横筋を活性化するエクササイズ

肩甲骨を定位置に収めたら、習慣化したいのが、肺を収める胸郭をフルに使う深呼吸。上体を横に倒す側屈を行って脇腹の内腹斜筋を動かしながら、深呼吸で連携する腹横筋を使うと、お腹を凹ます力がUP。

呼吸法で腹横筋を活性化する

椅子に骨盤を立てて坐骨で坐り、膝と股関節を90度曲げ、両膝を揃える。左手を頭の後ろに添えて、右腕を体側で下げる。右手を床に伸ばすように上体を右側へ傾け、左側の骨盤と肋骨の間を広げる。この姿勢で鼻から息を吸い、口から息を吐き切る深呼吸を5〜6回行う。左右を変えて同様に。