その鼻の不調「寒暖差アレルギー」かも。対策&おすすめ漢方(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)
「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回はテーマは「寒暖差アレルギーの原因」について。
その鼻水、気温差によるものかも
漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。
24節気は大寒。まさに今、寒いシーズンのピークに入っています。そしてこれが過ぎれば立春。暦の上では春がやってきます。もちろん現実にはまだまだ寒さ厳しい日々が続くのですが、春の準備を始めたい頃です。
さて、寒暖差アレルギーという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
専門的には血管運動性鼻炎といい、温度差が刺激になって引き起こされる鼻炎症状です。朝起きてまだ暖房のついていない部屋に入ったとき、また寒い外から暖かな我が家に帰ってきたとき、急に鼻が詰まったり鼻水が出たり、くしゃみがとまらなくなったりした経験はありませんか?
寒暖差アレルギーは気温差が7度以上で引き起こされると言われています。
発症する人・しない人の違い
では、寒暖差アレルギーを発症する人とそうでない人の差はどこにあるのでしょう。寒暖差アレルギーの原因は主に、体温を調節する自律神経がスムーズに機能していないことにあるようです。
つまり寒暖差アレルギーは自律神経のアンバランスのサインと言えます。たかが鼻水、されど鼻水です。
春になると自律神経のバランスは最も不安定になります。春は「蓄えたパワーが放出される芽吹きの季節」である一方で、実は「不安定」や「揺らぎ」がキーワードの季節でもあります。
冬にすでに自律神経のアンバランスサインである寒暖差アレルギーが出ている方は、春を迎えた時にエネルギーをコントロールできずに、不安定な状態に陥りやすくなります。
例えば不眠、頭痛やめまいがする、落ち込みやすくなったり攻撃的になる、などの症状が代表的です。
麺をすするときに出る鼻水も同じ理由から
熱々のラーメンを食べて鼻水が出るのも、寒暖差アレルギーの一例です。
こうした生理的な現象は誰にでも起こりうるのですが、日常生活に支障をきたすほど温度差に過敏なカラダになっているのであれば、今のうちから対策をしておきましょう。
まずはカラダを冷やさないこと。入浴はシャワーのみで済ませず、湯船につかる習慣を。頻繁にお酒を飲まれる方は、飲酒の機会を少し減らしてみましょう。浮腫むほどの余計な水分は、寒い季節の冷えを助長します。冷えやすい体質を手放すことができれば、体温のコントロールはよりしやすくなるはずです。
また温かい飲み物でも、血管を収縮させるカフェインを含むものをたくさんとるのは控えたいですね。深い呼吸を意識して過ごすのも有効です。呼吸はカラダをリラックスさせるのに、最も手っ取り早くて簡単な方法です。
寒暖差アレルギーに効果的な漢方薬3選
① 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):ストレスの多い方、特に感情のコントロールが難しくなりがちな方に。
② 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう):慢性的なストレスで手足が冷え切っている方に。
③ 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう):眠りが浅く夢を多く見る、疲れやすく神経質になりがちな方に。
早め早めの対策が、気持ちよく過ごすコツです。カラダが発するサインを拾ってみましょう。