生理中の筋トレで血(けつ)不足に。漢方的に「休む」が正解(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)
「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回はテーマは「生理中のトレーニング」について。
漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。
生理を考慮しないとカラダは整わない
新年明けましておめでとうございます。
さて、新年の目標に今年こそ痩せる! と誓った方は多いのではないでしょうか。ダイエットしていると宣言はしないまでも、いつも頭のどこかでダイエットを意識していたり。チャレンジしたいいろいろな目標がありますが、まずは元気で美しくありたいですよね。
漢方の視点のダイエットには、抑えていただきたいポイントがあります。特に女性は要注意です。
男性は筋肉量が多いこと、女性はホルモンバランスに左右されやすいこと、これがダイエットに大事な視点です。筋トレをしてタンパク質を摂ることが、ダイレクトに響いてくるのが男性のカラダです。
一方、女性は筋肉量も骨量も男性に比べて少ない生き物です。毎日のルーティンで筋トレと高タンパクな食事をしても、ただ疲れてしまうことが多いです。ホルモンバランスと先に述べましたが、毎月の生理を無視して女性のカラダは整い得ないのです。
太らないカラダはとにかく巡りがいいです。偏ったところがなく、代謝が活発です。ダイエットで目指すのは一時的な体重のダウンではなく、巡りよく快適で太らないカラダです。
そのためにはカラダのリズムにあわせてケアします。女性は生理中であればあまり動かずに、カラダを労って過ごしましょう。ただやみくもに動きまくっていては、カラダもココロも参ってしまいます。
生理中の筋トレは血(けつ)不足に繋がる
筋肉を動かすのに必要な要素に、漢方でいうところの血(けつ)があります。毎月の生理で女性はこれを失います。
良かれと思ってルーティンと決めた筋トレを生理中も無理して行うと、実は血不足で巡らない体質に繋がります。巡らないことは健康で美しいこととは逆のベクトルです。これは避けなければなりません。
また、血(けつ)を作るための食事も大事です。女性は男性に比べて筋肉量が少ないのでそもそも血流の滞りを生じやすいのですが、添加物の多い食事や誤ったダイエット方法による栄養バランスの欠如で、ダイエットするつもりが却って血流を滞らせて代謝を下げていることがあります。
ダイエット中だからお昼はこのお菓子だけにしようは、長い目で見ると巡りのいいカラダと逆行しています。
特に生理前後で体調が大きく変わるという方は、女性のカラダは血流とともにあることを念頭に、新年の目標を少し軌道修正してみてください。
せっかくの頑張る気持ちが裏目に出ることのないように、生理中は血不足に注意して運動量をあえて減らすこと、そして血を補ういい食事をすることの二つを意識してください。疲れ知らずの巡りのいいカラダを手に入れてください!