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「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回はテーマは「冬に急に吹き出る汗」について。
漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。
歳末イベントに向けて何かと気忙しいこの時期、寒い中を移動して暖房のよく効いたお店に入るというシチュエーションはままあると思います。こんなとき、滝汗をかく方はいらっしゃいませんか?
これは冬に見つけやすい、ある体質のサインです。夏の暑い時期では汗をかくこと自体が自然なので気が付きにくいですが、冬に自分だけ汗をかいているとなれば、自覚もしやすいものです。
この体質の方は上半身に汗をかきやすく、一方で下半身や手先足先は冷えている場合が多いのが特徴です。
寒い外を歩いてカラダが温まる。これはいいことです。ですがこのカラダの熱を全身に上手く分配できない体質のために、発生した熱は上へ上へとのぼってしまいます。そして瞬く間に汗びっしょり。
暖かな電車の車内に入った時、ショッピングモールに入った時などに起こりがちです。汗そのものも厄介ですが、婦人科疾患や静脈瘤など重大なトラブルに発展する可能性があるサインですので、軽視せずにケアして欲しいと思います。
さて、どんな対策をしたらいいでしょうか。
とりあえずはカラダの上の熱を逃がしましょう。マフラーや上着を脱いでください。これで熱は外へ逃げやすくなります。そして意外と思われるかもしれませんが、下半身を温めておきます。
暑くて汗をかくのに温めるなんて、と思われるかもしれませんが暑いのは上半身だけです。日頃から腹巻きやレッグウォーマー、ズボンの下に履ける薄手で温かい下着などを活用しましょう。
冷えやすい下半身を温めると、いい血流が生まれます。カラダの上の方にのぼってしまう熱も全身に巡らせることができますから滝汗にはならず、また手先足先の冷えも解消されます。
そして、かいた汗は放置せずに下着一枚でも面倒がらずに着替えるのがいいです。汗でカラダが冷えることは血流の悪さにつながります。滝汗体質を拗らせないためのケアです。
中長期的に滝汗体質そのものを改善するには、生活習慣の見直しが欠かせません。血流の悪さを生む食品添加物はできるだけ避けてバランスの良い食事を。冷たいものを摂る習慣も血流の悪さにつながります。シャワーで済ませずに湯船に毎日つかる、そして十分な睡眠、休息です。
どれもどこかでよく聞くようなことばかりですが、やはり健康体の基本はこうした習慣に下支えされているものですね。
習慣の見直しに加えて、漢方薬を一緒に使うなら桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)がファーストチョイスです。体力のある方向けのお薬です。
他にも気になる症状があれば、最寄りの専門店へ相談するのが良いでしょう。婦人科疾患を伴うなら温経湯(うんけいとう)、皮膚症状があるなら白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)など、体質に合わせて処方してもらえます。