セワ・ヤクヨ
食べ合わせコンシェルジュ
それぞれの食材が持つ栄養素に応じて、それを最大限に生かせる、最良のパートナーを紹介。目的に応じた賢い食べ合わせカップル成立を手助けする。
昔の食べ合わせ伝説は「腐敗」に対する警鐘?
昔から天ぷらとスイカ、ウナギと梅干しは食べ合わせが悪いという言い伝えがあります。諸説ありますが、天ぷらの油とスイカの水分は混ざり合わず、ウナギと梅干しは消化不良を起こすというのがその理由です。
でも、それは流通や保存技術が未発達だった頃の話。冷蔵庫のない時代、足の早いものは時間が経つとふたつの方向に進みます。ひとつは「発酵」、もうひとつは「腐敗」です。前者は人の健康に役立ち、後者は健康を害します。悪い食べ合わせは後者の「腐敗」を意味していたとも考えられます。
時間が経ったウナギが酸味を帯びていたとしても、そこで梅干しを口にしたら腐っていることが分からなくなる可能性があります。スイカが出回る夏場には食中毒が起こりやすかったとも考えられます。お腹を壊したら即、致命傷になる時代、こうした食べ合わせに注意を促していたのかもしれません。
食べ合わせの知恵が健康を手に入れるカギに
でも流通や保存技術が発達した現代ではカラダの毒になる食べ合わせは存在しません。とはいえ、痩せたいという人にとっては揚げ物にタルタルソースといった油+油、ラーメンとチャーハンのような糖質+糖質、これは唯一の食べ合わせNGと言えましょう。
でもそれよりも、カラダによかれと思って食べているつもりで、代謝を促す大事な栄養素を逃がしてしまい、かえって太ってしまうケースも多いのです。
たとえば、油に溶けやすいビタミンが豊富な食材は単独で食べたら100の栄養素が10しか吸収されません。でも脂肪分を含む食材とともに口にすれば70の栄養素を摂り入れることができます。ここに食べ合わせを考える意味が出てくるのです。
目的に合わせてよりよい食べ合わせを知り、賢く利用するのが今必要とされている食のテクニックです。食材のみなさま、今こそアピールの絶好の機会。あなた自身が持つ素晴らしい栄養素とそれを最大限に生かすパートナーに巡り合うチャンスをくれぐれもお見逃しなく。
初回は、互いに「腸内環境を整える」という願いを持つ、キムチさん×押麦さんのマッチングについて。
腸内環境を整える押麦&キムチ
水溶性食物繊維を含むその他の食材:ゴボウ、アボカド、海藻類、ドライフルーツなど
乳酸菌を含むその他の食材:ヨーグルト、チーズ、味噌、ぬか漬けなど
【レシピ】押麦ごはんのキムチきんぴら丼
材料(2人分)
- 押麦ごはん…2杯分(300g)
- ルッコラ…20g
- きんぴらゴボウ…100g
- キムチ…100g
- 温泉卵…2個
作り方
- ルッコラは水にさらしてシャキッとさせ、水気をよく切ってから3cm幅のざく切りにする。
- 温かい押麦ごはんを器に盛り、1、きんぴらゴボウ、キムチ、温泉卵を乗せる。混ぜながらいただく。