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こんなパンを待っていた! 豆でつくられたグルテンフリーの《ZENB ブレッド》
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食物繊維とひと口に言っても、その種類はさまざま。植物の細胞壁を構成するような正統派の食物繊維もあれば、糖質やタンパク質なんだけど食物繊維のような働きをする成分もある。ここで紹介する豆&芋に含まれる成分がまさにそれ。
食物繊維は全世界的に認められている「非デンプン性」と日本で食物繊維と解釈されている「デンプン性」の2種類に大別される。
デンプンとはブドウ糖が多数連なった多糖類、平たく言えば炭水化物のこと。本来は体内に吸収されてエネルギーとなるはずが、なかには消化されず大腸に至って腸内細菌のエサとなるものがある。
それが「レジスタントスターチ」(詳しくはこちらの記事:腸活まずはここから。知るべき「食物繊維と腸」の関係8つ)。
レジスタントスターチを豊富に含む食品は豆。とくに調理済みのインゲン豆はトップクラスの含有量を誇る。全粒小麦パン100g中のレジスタントスターチが1gなのに対し、インゲン豆のそれはなんと18g。
デパ地下でインゲン豆の惣菜を発見したら迷わず即買い、もちろん自宅で作り置きする手もありだ。
【インゲン豆のチリビーンズ】
材料:牛挽き肉200g、A〔インゲン豆(缶詰)1缶、トマトソース、ハーブソルト、カレー粉、チリパウダー各適量〕
作り方:熱したフライパンで挽き肉を炒め、色が変わったらAを加えて合わせる。
消化されにくいデンプン、レジスタントスターチ自体にも種類がいくつかある。豆のように細胞壁で包まれていて物理的に消化できないもの。青いバナナのようにデンプンそのものが消化されにくいもの。
そして「一度加熱して消化されやすくなったデンプンが、時間を置いて冷えることで消化されにくくなるもの」もある。冷えたごはんや麺がこれだ。
また、芋類も冷えることでレジスタントスターチがかなり増えることが知られている。茹でたてのジャガイモに含まれるレジスタントスターチ量は100g中5gだが、冷めると倍の10gにも増える。
ならば冷えたポテサラやサツマイモサラダを、糖質が多くて太るからと言わず積極的に食べたい。
【ごろごろポテトサラダ】
材料(2人分):ジャガイモ2個、洋風野菜ミックス小1袋、玉ネギ1/6個、茹で卵1個、ギリシャヨーグルト(無糖)1個、顆粒コンソメ小さじ1、塩・胡椒適量
作り方
【さつまいもチーズ茶巾】
材料(8個分):サツマイモ1本(250g)、A〔牛乳小さじ2、バター小さじ1、カッテージチーズ100g〕
作り方
タンパク質だけど消化吸収されにくく、食物繊維と似た働きをするのが「レジスタントプロテイン」。
70年代に、消化されにくい豆類などの未消化タンパク質が血中コレステロールを低下させる働きがあることが判明し、新たな食物繊維として認められるようになったという。
レジスタントプロテインを豊富に含む身近な食品はきなこや高野豆腐など。ただし、これらを単体で摂るのはおすすめできない。理由は、タンパク質だけにいわゆる悪玉菌のエサになりやすく、その過程で腸内環境を乱すアンモニアが作られるから。
そこで、レジスタントプロテインを摂り入れる際は善玉菌のエサになる発酵性食物繊維とともに食すこと。
すると、善玉菌がまず発酵性食物繊維を使って発酵を起こし、その際にレジスタントプロテインが利用されてアンモニアの発生を防いでくれる。たとえば高野豆腐を使った麺やライスメニューなら、こんな具合。
【高野豆腐のサンラータン】
材料:高野豆腐1/3個(5g)、ほぐしサラダチキン1/2袋、シイタケ1枚、ニンジン1/4本、細切りタケノコひと摑み、卵1個、A〔水200ml、鶏がらスープの素少々、酒大さじ1、醬油小さじ1弱、豆板醤小さじ1/4〕、水溶き片栗粉適量、酢大さじ1/2〜好みで、塩・胡椒適量、ラー油、パクチーは好みで
作り方
【高野豆腐ともち麦ごはんのガパオライス】
材料:もち麦ごはん150g、高野豆腐⅔枚(10g)、鶏挽き肉50g、ピーマン(赤、青合わせて)2個、玉ネギ1/4個、ニンニク少々、輪切り唐辛子少々、A〔オイスターソース小さじ2、ナンプラー小さじ1、砂糖小さじ1/2、水大さじ2〕、バジル適量、卵1個、サラダ油小さじ1
作り方
取材・文/石飛カノ 撮影/吉松伸太郎 取材協力/青江誠一郎(大妻女子大学家政学部食物学科教授)、河村玲子
初出『Tarzan』No.840・2022年8月25日発売