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楽だから続けられる「筋肉を緩める」ボディケア

マッスルリセッティング

疲れて硬くなった筋肉を強く揉んだり、伸ばしたりすると余計に緊張して縮み、硬くなる一方。とはいえ、疲れて硬くなったカラダをどうにかしたい。開発者自身が自分のカラダを癒そうと発見した、今までの常識とは反する楽するメソッドで、頑張らずに全身を緩めよう。

頑張らずにほぐすマッスルリセッティング

疲れを取るため、マッサージに通ったり、ストレッチをしたりする人は多い。でも、一時的にカラダがラクになっても、疲れはなかなか取れない。そういう悩みがある人に、ぜひ試してほしいのが、「マッスルリセッティング」。押さない、揉まない、頑張らない、が合言葉。筋肉を緩め、一発でリセットする画期的な方法だ。

開発したのは、中国出身で中国の医師免許を持つ整体師の黄烟輝さん

「発端は、私の個人的な体験。以前の私は、一日中クライアントのカラダを揉む生活でした。その日が終わる頃には腕の疲労度はマックス。あるとき疲れを癒やそうと温泉に入りながら、ふと筋肉を寄せて緩めてみると、ウソのようにラクになることを発見。この方法をマッスルリセッティングとして体系化したのです」

疲れて硬くなった筋肉を強く揉んだり、伸ばしたりすると余計に緊張して縮み、硬くなる一方。ストレッチでゆっくり静かに筋肉を伸ばすのは、伸ばすと筋肉が反射的に縮む反応(伸張反射)を避けるためだ。

マッスルリセッティングのやり方

マッスルリセッティングでは、張りや痛みを感じる場所を見つけ、近い方の関節か筋肉の真ん中に30秒間寄せる。これだけで筋肉が緩み、凝りも痛みも軽くなる。次に筋肉を5秒ほど揺らし、血流を促して疲労物質を流せばOK。手軽で優しい。

① 探す

探す

緩めたいところに指や手を当てて軽く押し、痛みを強く感じる場所を見つける。強く押しすぎると緊張するので、軽めの負荷で。寄せて揺らしたら、もう一度軽く押し、筋肉が緩んでいることを確認。

② 寄せる(30秒間)

寄せる

痛みや凝りを感じる場所から、指3本分ぐらい離れた箇所に指や手を添えて、筋肉を寄せ緩める。関節に向かって寄せるように意識しよう。四肢では筋肉を骨から浮かせるように、ふわっと寄せる。

③ 揺らす(10往復・5秒間)

揺らす

痛みを感じる場所に指や手を軽く添えて、上下に優しく揺らして振動を与える。1秒間に2往復ほどのリズムで10往復。強く摑むと筋肉が緊張してしまうので、あくまでソフトタッチで行う。


筋肉が緩むと、連携するの緊張もオフになり、交感神経の興奮が抑えられて疲れが軽減します」(黄さん)

まずは、デスクワークで緊張しやすい首すじ頭部にアプローチ。リセッティングの効果を実感したら、と疲れが溜まりやすいところを緩め、全身をラクにしよう。

デスクワークの疲れを気軽にリセッティング

こめかみ(眼輪筋)

目の使いすぎによる眼精疲労を和らげる

目の使いすぎによる眼精疲労を和らげる、こめかみのマッスルリセッティング

左右のこめかみに両手の人差し指を押し当て、痛みを強く感じる場所を探す。その少し奥に両手の指を当て、後ろから前へズラして筋肉を30秒間寄せる。痛みを感じる場所に改めて指を添えて、10往復優しく揺らす。

側頭部(側頭筋)

ピンと張り詰めている頭皮をリラックス

ピンと張り詰めている頭皮をリラックスさせる、側頭部のマッスルリセッティング

左右の耳の少し上に両手の人差し指を押し当て、痛みを強く感じる場所を探す。その少し下に両手の指を当て、下から上へ押し上げて筋肉を30秒間寄せる。痛みを感じる場所に改めて指を添えて、10往復優しく揺らす。

後頭部(後頭下筋群)

頭の重みを支える深部の筋肉を緩める

頭の重みを支える深部の筋肉を緩める後頭部のマッスルリセッティング

椅子に坐り、顎を軽く引いて両手の親指を髪の生え際に押し当て、痛みを強く感じる場所を探す。その少し下に指を当て、顎を軽く上げ、下から上へ押し上げて筋肉を30秒間寄せる。痛みを感じる場所に改めて手を添えて、10往復優しく揺らす。

緊張しやすい場所の凝りと痛みをリリースする

肩(肩甲挙筋、僧帽筋)

頑固な肩こりを元からシャットアウト

肩のマッスルリセッティング

肩甲骨の内側の角(上角)を見つけ、首すじに沿って頭蓋骨まで同じ側の指を押し当て、痛みを強く感じる場所を探す。その少し下に反対の指を添え、下から上へ引き上げて筋肉を30秒間寄せる。痛みを感じる場所に改めて指を添えて、10往復優しく揺らす。左右を変えて同様に行う。

腰(脊柱起立筋、広背筋腰部)

重たい腰を軽くして、慢性的な腰痛から解放

腰のマッスルリセッティング

背骨の両脇にある筋肉の盛り上がりに、両手の親指を押し当て、痛みを強く感じる場所を探す。その少し上に手のひらを当て、上から下へ押し下げて筋肉を30秒間寄せる。痛みを感じる場所に改めて手を添えて、10往復優しく揺らす。

脚(大腿筋膜張筋)

脚の疲れが溜まるところをリセットする

脚のマッスルリセッティング

太腿の横に片手の親指を押し当て、痛みを強く感じる場所を探す。その両脇を両手で優しく挟み、真ん中に筋肉を30秒間寄せる。痛みを感じる場所に改めて片手を添えて、10往復優しく揺らす。左右を変えて同様に行う。

広いエリアをまとめてお手軽リセッティング

指や手の力を使わなくても、縮みすぎた疲れた筋肉を簡単に緩めることができる。それがここで紹介する「坐って前傾」と「背面壁押し」。デスクワークのブレイクタイムなどに試してほしい。

「坐って前傾」では、重力で肩甲骨が下がるこで背中上部の筋肉がリセットされ、「背面壁押し」では、脱力して壁に体重を預けることで、硬く縮こまっている背面全域が満遍なく緩められる。

坐って前傾

坐って前傾

椅子に浅く坐り、膝を曲げて両脚を左右に大きく広げる。両腕をクロスさせる。全身の力を抜き、両脚の間に上体を深く前傾させ、両腕の間に頭を入れる。

ゆっくり呼吸をしながら1分ほどその姿勢をキープする。重力で肩甲骨が下がり、背中の僧帽筋などが肩甲骨で寄せられてリセッティングできる。

背面壁押し

背面壁押し

壁に背中を向けて立ち、上体を反らせて壁に後頭部をつけ軽く体重を壁に預ける。膝を軽く曲げ、肩と腕の力を抜く。腕の重みで胸を開き、目を閉じてゆっくり呼吸をしながら1分ほどその姿勢をキープする。

これで首すじからお尻まで、デスクワークなどで縮んだままの背面の筋肉がまとめて緩められる。

取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/天野誠吾 監修/黄烟輝 エクササイズ指導/中村尚人

初出『Tarzan』No.831・2022年4月7日発売

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