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いつもの動作に違和感を覚えたら…骨盤&股関節の「つながり」エクササイズ!

整えた骨盤をリンクさせるエクササイズ

前後傾や左右差を整えるだけでは不十分。骨盤に真の実力を発揮してもらい、日常動作を快適に、違和感なく行うためには「股関節と腰椎」をしっかりとリンクさせる必要がある。ここではそのリンクを助ける5つのチェック&エクササイズを紹介する。

股関節&腰椎とリンクさせて、骨盤の実力を引き出そう!

これまでTarzan Webでは、骨盤を整えるメソッドとして【前傾・後傾編】【回旋編】【左右の傾き編】という3つの“ズレ”をリセットするチェック&エクササイズを紹介してきた。

せっかく骨盤を整えたら、そこで立ち止まってしまうのはもったいない。骨盤は全身と連携し、とくに直接リンクする股関節&腰椎とは密接に連動している。

三枝剛さん

教えてくれた人

さえぐさ・たかし/都立大Physio リハビリ・コンディショニングセンター代表、理学療法士、米国公認アスレティックトレーナー。プロアスリートから一般の方を対象に、痛みの改善、ケガからの早期の復帰からパフォーマンス向上まで、さまざまな要望に応えている。

「骨盤の前後傾、回旋、左右の傾き自体に、何か大きな問題が含まれることは少ない。問題はむしろ股関節&腰椎に隠れている場合が多いのです。骨盤をニュートラルに整え、股関節や腰椎と一緒に偏りなく使えて初めて、カラダの痛みや違和感が減り、パフォーマンスはよりアップします」(三枝さん)

野球で言うと、骨盤と股関節&腰椎は、ピッチャーとキャッチャーの関係に似ている。互いが密に関わり合い、良いことも悪いこともつねに分かち合う唯一無二のバディなのだ。

ここからは、5つの機能チェック&対応エクササイズを紹介。2週間ごとに再チェックしつつ、股関節や腰椎までリセットできているかを確かめよう。

仮に【前傾・後傾編】【回旋編】【左右の傾き編】までで左右差がなかった人も回数を減らして行い、骨盤股関節腰椎の連携プレーを強化する。

チェック① 股関節(腸腰筋)・体幹の動き

股関節(腸腰筋)・体幹の動きをチェック

  1. 床で仰向けになり、両脚を腰幅でまっすぐ伸ばす。
  2. 両腕を体側で伸ばし、手のひらを床に向ける。
  3. 足首を曲げて膝を伸ばしたまま、45度の角度まで引き上げ、元に戻す。
  4. 10回。左右を変えて同様に行う。
改善エクササイズ|股関節(腸腰筋)・体幹を伸ばす
  • 左右差がない人→左右各10回
  • 左側がやりにくい人→右足前で15回+左足前で10回
  • 右側がやりにくい人→左足前で15回+右足前で10回

股関節(腸腰筋)・体幹を伸ばすエクササイズ

  1. 痛くないようにヨガマットや厚手のバスタオルを床に敷く。
  2. 膝立ちになり、両手にミニボール(または丸めたバスタオル)を持ち、骨盤の前で構える。
  3. 真横から見て、膝、太腿、股関節、体幹、頭を床と垂直に保つ。
  4. 両腕を前に振り上げながら、片足を前に踏み出して膝を90度曲げ、ボールを天井へ押し付けるように両腕をしっかり伸ばす。腰が反らないように注意。
  5. 左右を変えて同様に行う。

チェック② 股関節(腸腰筋)・体幹・臀部のバランス

股関節(腸腰筋)・体幹・臀部のバランスをチェック

  1. 床で仰向けになり、片膝を立て、反対の脚をまっすぐ伸ばす。
  2. 両腕を体側で伸ばし、手のひらを床に向ける。
  3. 床で伸ばした脚を、足首を曲げて膝を伸ばしたまま、45度の角度まで上げながらお尻を引き上げ、元に戻す。
  4. 10回。左右を変えて同様に行う。
  5. 腰を反らさず、脚を開かないこと。
改善エクササイズ|伸ばす側の体幹・股関節(腸腰筋)の緊張感を高め、体幹を安定
  • 左右差がない人→左右各10回
  • 左側がやりにくい人→左膝と右脚を伸ばす15回+右膝と左脚を伸ばす10回
  • 右側がやりにくい人→右膝と左脚を伸ばす15回+左膝と右脚を伸ばす10回

股関節(腸腰筋)・体幹・臀部のバランスを整えるエクササイズ

  1. 床で仰向けになり、両腕を肩幅でまっすぐ天井に伸ばし、手のひらを向かい合わせる。
  2. 膝と股関節を90度曲げる(太腿が床と垂直、ふくらはぎが床と平行)。
  3. 片膝をまっすぐ伸ばし、対角の腕を床と平行に伸ばす。
  4. 爪先と手の指を遠くへ伸ばし、体幹をストレッチ。
  5. 左右を変えて同様に行う。

チェック③ 体幹の安定性と臀部(中臀筋)の筋力

体幹の安定性と臀部(中臀筋)の筋力をチェック

  1. 床で横向きに寝て、下の腕を曲げて上腕に頭を乗せ、上の手を胸の前につく。
  2. 下の膝を90度曲げ、上の脚をまっすぐ伸ばして足首を曲げる。
  3. 真上から見たときに、頭、体幹、骨盤、股関節、(上の脚の)膝、足首を一直線にする。
  4. 上の脚を伸ばしたままで45度引き上げ、元に戻る。
  5. 10回。左右を変えて同様に行う。
改善エクササイズ|体幹を安定させて臀部(中臀筋)と内腿(内転筋群)を鍛える
  • 左右差がない人→左右各10回
  • 左側がやりにくい人→右へ横歩き15歩+左へ横歩き10歩
  • 右側がやりにくい人→左へ横歩き15歩+右へ横歩き10歩

臀部(中臀筋)と内腿(内転筋群)を鍛えるエクササイズ

  1. 痛くないようにヨガマットや厚手のバスタオルを床に敷く。
  2. その端に膝立ちになり、両手を腰に当てる。
  3. 真横から見て、膝、太腿、股関節、体幹、頭を床と垂直に保つ。
  4. 骨盤から上を固定して、膝立ちのまま左右に横移動する。

チェック④ 股関節の緊張感と安定性

股関節の緊張感と安定性をチェック

  1. 床で仰向けになり、両膝を腰幅スタンスに開いて90度曲げて立てる。
  2. 両腕を体側で伸ばし、手のひらを床に向ける。
  3. 股関節の力を抜き、片膝を床に近づけるように股関節を開く。反対側の膝は動かさないこと。
  4. 左右を変えて同様に行う。
改善エクササイズ|股関節の安定性を高める
  • 左右差がなく、開きやすい人→エクササイズ不要
  • 左右差がないが開きにくい人 or 左右差がかなりある人→前後15往復+時計回り15回+反時計回り15回

股関節の安定性を高めるエクササイズ

  1. 痛くないようにヨガマットや厚手のバスタオルを床に敷く。
  2. 両手、両膝を床について四つん這いになる。
  3. 両肩の真下に両手、左右の股関節の真下に両膝を置く。
  4. 両手と両膝で床を軽く押す。
  5. 肛門を後ろに向けるように骨盤を前傾させて腰椎に前彎アーチを保つ。
  6. 体重移動をしながら体幹を前後にできるだけ大きく揺らす。
  7. 次に角のない滑らかな円を描くように体幹を時計回り、反時計回りにできるだけ大きく回す。

チェック⑤ 腰椎の柔軟性と安定性

腰椎の柔軟性と安定性をチェック

  1. 床でうつ伏せになり、両脚を腰幅で伸ばし、足首も伸ばす。
  2. 脇を締めて肘を曲げて、手のひらを肩の真横につく。
  3. 筋肉をリラックスさせて、骨盤を床につけたままで、両腕のみの力で両肘が完全に伸びるまで上体を反らす。
改善エクササイズ|腰椎の安定性を高める
  • 骨盤をつけたまま肘が完全に伸ばせる人→エクササイズ不要
  • 肘が完全に伸ばせない人 or 骨盤が浮く人→15往復

腰椎の安定性を高めるエクササイズ

  1. 床で仰向けになる。
  2. 両膝を腰幅に開いて引き寄せ、膝と股関節を90度曲げる(太腿が床と垂直、ふくらはぎが床と平行)。
  3. 両手を膝に伸ばす。
  4. 肘を伸ばして両手で膝を押し、揺り籠を揺らすように、左側へ転がったら、右側へも同じように転がる。
  5. 左右交互に続ける。

5つのチェック&エクササイズがオールクリアできたら、骨盤は真価を発揮。痛みや凝りと無縁の快適ボディに近づける。

取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/木下庸子

初出『Tarzan』No.826・2022年1月27日発売

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