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【左右の傾き編】カラダの要「骨盤」チェック&エクササイズ③

その骨盤はズレていないか⁉︎ 左右の傾きチェック&エクササイズ

坐るとすぐに脚を組みたくなるあなたは要注意! 「骨盤の傾き」のズレを改善するためのエクササイズ。連載最終回の「左右の傾き」編。

骨盤はカラダの中心で上半身と下半身をつないでいる。だからこそ、ちょっとした位置や傾きのズレが全身に悪影響を及ぼしてしまうのだ。

全3回の記事で、①前傾・後傾、②回旋、③左右の傾きという3つの視点から骨盤のコンディションを確かめ、改善するためのチェック&エクササイズ。最終回の第3回では、「左右の傾き」にフォーカス。

三枝剛さん

教えてくれた人

さえぐさ・たかし/都立大Physio リハビリ・コンディショニングセンター代表、理学療法士、米国公認アスレティックトレーナー。プロアスリートから一般の方を対象に、痛みの改善、ケガからの早期の復帰からパフォーマンス向上まで、さまざまな要望に応えている。

骨盤の「左右の傾き」チェック

こんな自覚はキケン
  • 坐るとすぐに脚を組みたくなる
  • 階段をつねに同じ脚から上がる
  • 同じ側をつねに動かすスポーツをしている
  • 正面から見てベルトのラインが床と並行ではない

ここでチェックするのは、正面から見て骨盤が床と平行かどうか。横向きで体側を伸ばし、硬さを感じる方は、骨盤が引っ張られて上がっている。

体側のストレッチでチェック

体側のストレッチ. やり方 1

体側のストレッチ. やり方 2

①バスタオル2枚を筒状に固く丸めて、脇腹に当てて床で横向きに寝る。②下の膝を90度曲げ、上の脚をまっすぐ伸ばす。③両腕を頭上でまっすぐ伸ばし、弓なりで上の体側を伸ばす。④左右を変えて同様に行い、どちらが硬いかを評価する。

評価方法
  • 右側が硬い人は→右上がりメニュー15回+左上がりメニュー10回
  • 左側が硬い人は→左上がりメニュー15回+右上がりメニュー10回
  • 左右差がない人は→全メニューを各10回

    骨盤が上がった側の脚(股関節)は後ろ向きに捻られる後方回旋、逆側の脚では前向きに捻られる前方回旋が生じ、足腰が歪む。上がった方の脚を組みたくなり、同じくその脚から階段を上るクセがあるはずだ。

    左右の傾き修正エクササイズは6種類。左右のどちらかが高いなら、まずはそこを下げるエクササイズに励む。同時に反対側にもエクササイズの回数を減らしてアプローチ。その方が左右の傾きの調整力は上がり、挙上も下制も自在に行える。

    体側の硬さに左右差がないなら、左右同じ回数だけ試して機能を一層高めよう。

    骨盤修正エクササイズのやり方

    修正エクササイズは全種目を毎日行うのが基本。時間がないときは、左右差の大きいものを中心に実施。

    エクササイズを2週間行ったら、再度チェックして左右差が縮小していることを確認。縮まっていれば、そのまま継続しよう。変化が乏しければ、回数を増やして正しいフォームで続けて再チャレンジする。

    左右差が完全消滅しなくても心配無用。多少縮小するだけでも全身の動きが良くなり、日常生活が快適に送れる。

    ① 体幹をストレッチする

    • 右側が硬い人→左側下で15回+右側下で10回
    • 左側が硬い人→右側下で15回+左側下で10回
    • 左右差がない人→左右各10回

    体幹をストレッチする

    1. 床で横向きに寝て、下の肘から上腕を床につけて手のひらで頭部を支える。
    2. 上の腕を天井に伸ばし、手のひらを正面に向ける。
    3. 上の膝を90度曲げ、下の脚をまっすぐ伸ばして足首を伸ばす。
    4. 真上から見たときに、頭、体幹、骨盤、股関節、(下の脚の)膝と足首を一直線にする。
    5. 上の腕を天井へさらに伸ばし、下の脚も下へさらに伸ばしながら、上の膝で壁を押すように、骨盤を前へ押し出す。
    6. 元に戻る。左右を変えて同様に行う。

    ② 骨盤の動きを良くする

    • 全員共通→前方へ20歩+後方へ20歩

    骨盤の動きを良くする

    1. 床に坐り、両脚を腰幅でまっすぐ前に伸ばす。
    2. 骨盤を立てて背すじを伸ばす。
    3. 脇を閉じ、速歩のときのように両腕を構える。
    4. 骨盤を左右交互に引き上げてお尻を前に出しながら、
    5. 歩くときのように腕を振り(片側のお尻を前に出すときに、反対の肘を引く)、お尻で前方へ歩く。
    6. 後ろにも同じように歩く。

    ③ 骨盤の動きを良くする

    • 全員共通→10往復

    骨盤の動きを良くする

    1. 痛くないようにヨガマットや厚手のバスタオルを床に敷く。
    2. 両手、両膝を床について四つん這いになり、
    3. 両肩の真下に両手、左右の股関節の真下に両膝を置き、爪先を立てる。
    4. 両手と両膝で床を軽く押す。
    5. 腰を反らさず、シッポを振るように、お尻を左右交互にゆっくり大きく振る。

    ④ 体側のストレッチ

    • 全員共通→10往復

    体側のストレッチ

    1. 坐ったときに膝より股関節が高くなるように、椅子の座面に厚手のクッション(または重ねたバスタオル)を敷き、浅く坐る。
    2. 両足を腰幅に開いて膝を曲げて床から浮かせる。
    3. 片腕を床と平行に真横へ伸ばす。
    4. 反対側の骨盤を浮かせながら、
    5. さらに指先をできるだけ遠くへ伸ばす。
    6. 反対側の体側が縮み、伸ばしている側の体側をストレッチ。反対の手は腰に添える。
    7. 左右を変えて同様に行う。

    ⑤ 腸腰筋の筋力を高める

    • 右側が硬い人→右膝を上げる15回+左膝を上げる10回
    • 左側が硬い人→左膝を上げる15回+右膝を上げる10回
    • 左右差がない人→左右各10回

    腸腰筋の筋力を高める

      1. 坐ったときに膝より股関節が高くなるように、椅子の座面に厚手のクッション(または重ねたバスタオル)を敷き、浅く坐る。
      2. 骨盤を立てて背すじを伸ばす。両腕を胸でクロスする。
      3. 片膝を高く引き上げながら、反対の足で床を強く押し、元に戻る。
      4. 左右を変えて同様に行う。

      ⑥ 左右の足に均等に荷重する

      • 右側が硬い人→右脚で蹴る15回+左脚で蹴る10回
      • 左側が硬い人→左脚で蹴る15回+右脚で蹴る10回
      • 左右差がない人→左右各10回

      左右の足に均等に荷重する

      1. 肩の高さで両手を肩幅で壁につき、1歩分離れて腰幅で斜めに立つ。
      2. 背すじを伸ばし、腰を反らさない。
      3. 真横から見て、頭、体幹、骨盤、膝、踵をまっすぐにする。
      4. 片足で床を蹴り、爪先立ちになりながら、反対の膝を高く引き上げ、元に戻る。

      取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/木下庸子

      初出『Tarzan』No.826・2022年1月27日発売

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