いつものウォーキングを変える、効率的歩き方・3つのポイント
正しく歩けているつもりでも、客観的に見ると腰が反っていたり、ガニ股だったりする人、少なくない。骨の並びや関節の動きが適切でない歩行は筋肉に負担をかけ、肩こり・腰痛を引き起こす原因となる。「できてるつもり」で済まさず、これを機にカラダに負担をかけない歩き方を習得しよう。
取材・文/石飛カノ 撮影/角戸菜摘 スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/天野誠吾
初出『Tarzan』No.824・2021年12月16日発売
そもそも歩くってどんな動作?
園原健弘さん
教えてくれた人
そのはら・たけひろ/バルセロナ五輪50km競歩代表。競技者体験をベースに健康づくりやダイエット指導などを行う。明治大学競走部監督。著書に『最高の歩き方』(きずな出版)など。
「歩くという動作のメカニズムは能動と受動の繰り返しです。軸脚で地面を踏みしめてカラダを前傾させる。これが能動。これ以上行くと転ぶので一歩前に進む。これが受動です。こうした動きでは腹筋や背筋が自然に使われます」(園原さん)
下の写真がその正しいフォーム。さらに、歩くという動作は片脚立ちの繰り返しで、安定と不安定の連続運動。胸椎、腹筋、お尻の筋肉など本来稼働すべきところが働いてこそ、効率的なウォーキングが可能となる。その結果、腰椎や頸椎への負担も減るというわけだ。
これが「正しく歩く」のフォーム
シンプルだけに難しい。そこで下の3つのポイントを意識して再学習しよう。日替わりでひとつのポイントに集中して歩いてみてほしい。
習得のための「3つのポイント」を意識
距離や時間を重視したエネルギー消費ではなく、効率のいい歩き方を身につける。とはいえ一歩一歩の切り替えは約0.5秒。手や足の細部を意識しすぎるとロボットのようなぎこちない歩き方に。そこでより実践に役立つポイントが下の3つ。やりやすいものから取り入れよう。
歩きながらできる不調改善エクササイズ
正直、正しい歩き方をマスターすれば即、肩こり・腰痛がスッキリ解消というわけにはいかない。ただし、歪んだ歩行で代償動作が癖になれば不調は悪化するばかり。
「直立二足歩行は人間に与えられた大きなメリット。座位時間の多い生活で機能低下するのは仕方のないことですが、そのメリットを生かして機能低下を予防することはできます」(園原さん)
そこで、歩きながら肩甲骨、背骨、骨盤の動きを矯正し、眠った機能を取り戻すためのエクササイズを4つご紹介する。昼休みの移動、散歩の際に、ぜひ取り入れてみてほしい。