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いつものウォーキングを変える、効率的歩き方・3つのポイント

正しい歩き方

正しく歩けているつもりでも、客観的に見ると腰が反っていたり、ガニ股だったりする人、少なくない。骨の並びや関節の動きが適切でない歩行は筋肉に負担をかけ、肩こり・腰痛を引き起こす原因となる。「できてるつもり」で済まさず、これを機にカラダに負担をかけない歩き方を習得しよう。

そもそも歩くってどんな動作?

園原健弘さん

園原健弘さん

教えてくれた人

そのはら・たけひろ/バルセロナ五輪50km競歩代表。競技者体験をベースに健康づくりやダイエット指導などを行う。明治大学競走部監督。著書に『最高の歩き方』(きずな出版)など。

「歩くという動作のメカニズムは能動と受動の繰り返しです。軸脚で地面を踏みしめてカラダを前傾させる。これが能動。これ以上行くと転ぶので一歩前に進む。これが受動です。こうした動きでは腹筋や背筋が自然に使われます」(園原さん)

下の写真がその正しいフォーム。さらに、歩くという動作は片脚立ちの繰り返しで、安定と不安定の連続運動胸椎腹筋お尻の筋肉など本来稼働すべきところが働いてこそ、効率的なウォーキングが可能となる。その結果、腰椎や頸椎への負担も減るというわけだ。

これが「正しく歩く」のフォーム

正しい歩き方のフォーム 1

まずは「能動」の動き。片手を前に出し、反対側は肘を引く。背すじと軸足はまっすぐに。踏み出す足の踵をあげて、ここからカラダを前傾させていく。

正しい歩き方のフォーム 2

胸を突き出して軸脚側で地面を押し、倒れる寸前までカラダを前傾させる。すると自然に足が振り出される。ここからが「受動」。

正しい歩き方のフォーム 3

倒れる前に自然と踏み出す足側の膝が伸びて、踵で着地。

シンプルだけに難しい。そこで下の3つのポイントを意識して再学習しよう。日替わりでひとつのポイントに集中して歩いてみてほしい。

習得のための「3つのポイント」を意識

距離や時間を重視したエネルギー消費ではなく、効率のいい歩き方を身につける。とはいえ一歩一歩の切り替えは約0.5秒。手や足の細部を意識しすぎるとロボットのようなぎこちない歩き方に。そこでより実践に役立つポイントが下の3つ。やりやすいものから取り入れよう。

ポイント① みぞおちから踏み出すつもりで

みぞおちから踏み出すつもりで

胸椎主導で歩く練習。みぞおちに脚の付け根があるとイメージして歩いてみよう。背骨と太腿を繫ぐ大腰筋が働くので、自然と胸を張ることができ、股関節もスムーズに動く。

ポイント② 内腿をぶつけるように

内腿をぶつけるように

太腿の内側をぶつけるつもりで歩く。内腿の内転筋やお尻の大臀筋が歩行動作に参加するのでガニ股が改善され、胸郭も動き出す。ペットボトルを脚の付け根に挟んで練習してもよし。

ポイント③ 踏み出した足の踵で着地する

踏み出した足の踵で着地する

一歩踏み出したら踵で着地する。踵骨という踵の骨は丸い構造。踵の外側で着地すれば勝手に前へと転がる仕組み。その後、踵→小指側→親指側→親指と重心が効率的に移動するはず。

歩きながらできる不調改善エクササイズ

正直、正しい歩き方をマスターすれば即、肩こり腰痛がスッキリ解消というわけにはいかない。ただし、歪んだ歩行で代償動作が癖になれば不調は悪化するばかり。

「直立二足歩行は人間に与えられた大きなメリット。座位時間の多い生活で機能低下するのは仕方のないことですが、そのメリットを生かして機能低下を予防することはできます」(園原さん)

そこで、歩きながら肩甲骨、背骨、骨盤の動きを矯正し、眠った機能を取り戻すためのエクササイズを4つご紹介する。昼休みの移動、散歩の際に、ぜひ取り入れてみてほしい。

歩き方① 両腕を大きく回して歩く

両腕を大きく回して歩く

固まった胸椎と肩甲骨周辺を動かす。肩甲骨から動かすイメージで左右の腕を大きく後ろ方向に回しながら歩こう。1歩につき180度回転。背中の筋肉が動くことを確認しながら。

歩き方② 肩甲骨の動きを確認しつつ歩く

肩甲骨の動きを確認しつつ歩く

脇の下を反対側の手でむんずと摑む。そのまま、腕を大きく後ろ回転で回しながら歩こう。肩甲骨の回旋動作を行うことによるマッサージ効果あり。肩こりの改善にも有効だ。

歩き方③ 胸椎と骨盤を強制的に動かす

胸椎と骨盤を強制的に動かす

両手の甲を上背部につけて歩こう。腕振りを制限することになるので胸郭や骨盤がしっかり動かないとスムーズに歩けない。本来の動きを再確認できるはず。反り腰にならないよう注意。

歩き方④ 固まった背骨を伸び縮みさせる

固まった背骨を伸び縮みさせる

両手を頭上に伸ばし、左右の手の甲をくっつける。そのまま背伸びをするイメージで歩こう。背骨が自動的に伸縮して歩行時の衝撃を和らげてくれるはず。反り腰にならないように。

取材・文/石飛カノ 撮影/角戸菜摘 スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/天野誠吾

初出『Tarzan』No.824・2021年12月16日発売

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