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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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自律神経の働きを支える良質な睡眠、その鍵を握るのは「交感神経→副交感神経」の切り替えだ。幸い、交感神経から副交感神経優位な状態へと移行する方法は多々ある。【夜の自律神経メンテ術】は仕事後〜就寝の間にできるメソッドを紹介。2つめは「夜のスープ」。
夕食の最大のポイントのひとつは、血糖値の急上昇を防ぐこと。血糖値が急激に上がると膵臓からインスリンが一気に大量に分泌されるため、その後血糖値が急降下する。これが悪名高い「血糖値スパイク」。
こうなると、カラダは低血糖になりすぎないようアドレナリンなどのさまざまなホルモンを分泌し、交感神経が不必要に活性化されてしまう。就寝に向けて副交感神経の働きを高めるどころではない。よって、夕食の主食は控えめにし、血糖値を上げにくい未精製のごはんやパンを取り入れる。
さらに、この段階で温かいスープを飲んで体温を一度上げておくと、就寝に最適な体温までソフトランディングさせやすくなる。これも副交感神経をサポートする戦略のひとつ。賢く美味しく満腹に。
疲れを癒やす酸っぱ辛いスーラータンスープ。具材の大豆もやしとトマトにはGABA(ギャバ)が豊富に含まれている。このGABA、正式名称はγ−アミノ酪酸というアミノ酸で、体内に吸収されるとノルアドレナリンなど自律神経の興奮系ホルモンの分泌を抑えてくれる働きがある。
さらに脳への血液や酸素の供給にも一役買う。これらの働きでストレスの軽減や眠りの質を高める作用が期待できるのだ。つまり、夕食にはもってこいの栄養素。
ちなみに、GABAは植物が発芽するときに大幅に増える。よって、ただのもやしではなく、大豆から発芽した大豆もやしをチョイスのこと。主食の玄米にもGABAが含まれているが、同様の理由で発芽玄米がベターだ。
チョングッチャンチゲとは韓国独特の調味料、大豆を発酵させた味噌ベースの鍋のこと。これを納豆、味噌、キムチを使って日本風にアレンジした一品。
トリプル食材はすべて発酵食品。乳酸菌や納豆菌などカラダに有用な働きをする微生物がたっぷり含まれている。これらを腸まで送り届けることで腸内環境を整えるのが狙いだ(腸と自律神経の関係についてはこちらをチェック:間食で腸内環境を整える|昼の自律神経メンテ術⑤)。
腸内細菌は消化吸収のプロセスが終了し、胃腸の活動がひとまず収まる深夜、活発に働き出す。そのタイミング目がけて微生物をお届けするという作戦。よって寝る2〜3時間前には食べ終えたい。
牛乳に豊富なカルシウムには神経の正常な情報伝達を助ける役割があり、交感神経の暴走予防にも不可欠。
とはいえ、血中のカルシウムは実は簡単には不足しない。体内のカルシウムの99%は骨や歯に貯蔵され、残り1%の血中カルシウムが神経の情報伝達を担う。カラダには血中カルシウム濃度を一定に保つシステムがあるので、この分は常に骨や歯から補充されるからだ。
ただし慢性的にカルシウム摂取量が少なければ貯蔵分はどんどん溶け出し骨はスカスカ、いずれ神経伝達にも支障が出る可能性もある。とくにストレスが多い人、神経細胞を修復するビタミンB12が豊富なアサリとともにありがたくいただこう。
取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 料理製作・スタイリング/河村玲子(管理栄養士)
初出『Tarzan』No.821・2021年10月7日発売