肩こり・腰痛予防に! 正しい「座り姿勢」のための簡単体操

取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/天野誠吾 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)

初出『Tarzan』No.803・2021年1月28日発売

こまめな「姿勢リセット」が鍵。

リモートワークが当たり前になってから文字通り朝から晩まで座りっ放し。下手をしたら食事もデスクで、立ち上がるのはトイレくらい。周囲の目もないので姿勢は乱れ、肩こり腰痛は悪化する。

悪循環に陥らないためには、一日の中で定期的に姿勢をリセットするしかない。まずは柔軟性の低下した部位を ①ゆるめる 。次にしっかりと ②伸ばす 。仕上げに適度に ③動かす 。この3ステップで正しき形状記憶を促そう。


【肩甲骨】の3ステップ

肩まわりが拘縮していることにハッと気づいたら、何をおいてもその時点で対処。肩甲骨周辺の筋肉をリセットして胸郭を大きく動かせば、心身スッキリ。

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① ゆるめる|肩腕ぶらぶら

朝 の ゆるめる

椅子に深く腰かける。両手は体側に下ろして脱力。右肩を引き上げて左肩を落とす→左肩を引き上げて右肩を落とす。20回交互に繰り返し。リラックスしてリズミカルに。

② のばす|首すじストレッチ

朝 の のばす

椅子に深く腰かけたまま、片手を反対側の耳に当て、腕の重みで頭を倒す。イタ気持ちいいところで30秒キープ。逆も。肩甲骨まわりの僧帽筋を中心に伸ばす。

③動かす|胸開き

朝 の 動かす

椅子にやや浅く腰かけて両腕を大きく開閉。腕を開いて胸を張ったときには肩甲骨が閉じ、腕を閉じて胸を縮ませたときは肩甲骨が開くことをイメージ。20回繰り返し。

【骨盤】の3ステップ

股関節を内外旋させたりお尻の表面から深層を伸ばすことで、関節の遊びを取り戻す。そのうえで骨盤を前後に動かし、ニュートラルなポジションへ誘導。

1/20

① ゆるめる|脚ぶらぶら

昼 の ゆるめる

椅子に浅く腰かけ、両脚を開いて前方に投げ出す。両手で椅子の座面を摑んでカラダを安定させる。そのまま脚の付け根から外側と内側、交互に捻る。20回繰り返し。

② のばす|お尻ストレッチ

昼 の のばす

椅子に座って片方の脛を反対側の太腿に乗せる。組んだ脚の上に腕を乗せて背中を丸め上体の体重をかけると、組んだ側のお尻の筋肉が伸ばされる。30秒。逆も。

③ 動かす|骨盤起こし

昼 の 動かす

椅子に浅く腰かけ、左右の手で椅子の座面を摑む。まず、腰椎を反らせて骨盤を立てる。次に腰椎を丸めて骨盤を寝かせる。立てる方を意識することがポイント。10回。

【下肢】の3ステップ

下半身の静脈血を心臓に押し戻すのは下肢の筋肉のポンプ作用。歩かない動かない生活でこの働きが低下すると、脚のだるさやむくみに。こまめにリセットを。

1/20

① ゆるめる|足首回し

午後3時 の ゆるめる

椅子に浅く腰かけて、両脚を前に出す。膝を曲げて足首から先を外側、内側と交互に倒す。ずっと座りっ放しで固まってしまった足首を動かして血流を促す。20回繰り返し。

② のばす|ふくらはぎストレッチ

午後3時 の のばす

椅子に浅く腰かけ片足を手前に引く。左右の手を膝の上に置き、上体を前傾させて体重をかける。一歩引いた足のふくらはぎ、ヒラメ筋のストレッチ。30秒。逆も。

③ 動かす|足首屈伸

午後3時 の 動かす

椅子に座り、両手を太腿の上に。両足の爪先と踵を交互に床から引き上げる。爪先を上げたときにはヒラメ筋、踵を上げたときには脛の筋肉が収縮する。10回繰り返し。


立ち姿勢以上に正しいポジションを維持しにくい座り姿勢では、1時間ごとにアラームを設定するなどし、よりこまめにリセットすべし。肩がバリバリなときは肩甲骨を、腰がだるいときは骨盤を、脚がむくみがちなときは下半身を、ゆるめて・のばして・動かそう。