有酸素&基本の筋トレで「脱肥満」! 体脂肪率25%以上の人のための、黄金率トレーニング
ままならないこと多かれど、こと筋トレにおいては、努力は必ず報われます。脱肥満のために基礎筋力をつける「基本の有酸素&筋トレ」。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 イラストレーション/イオクサツキ 取材協力/清水忍(IPF)
初出『Tarzan』No.801・2020年12月17日発売
イマドキのカッコいい体型「菱形体型(=黄金率ボディ)」を目指して。体脂肪率別に最適なトレーニングメニューを紹介する本連載。この記事では、25%以上の人のためのトレーニングを紹介しますが、次回以降、「20〜25%」「15〜20%」「10〜15%」「10%未満」と、全5つのフェイズに区切ってお伝えしていきます。体脂肪率は体組成計で測るのが一般的ですが、測定の際には、ぜひこちらの記事をご参考に!
目次
体脂肪率25%以上の人のためのトレーニングメニュー
- 絞る(有酸素運動):速歩(1日30〜60分×週4回)
- 盛る(筋トレ):3大筋トレ(1回12〜15分×週2〜3回)
まずは「速歩」から。
体脂肪率25%(以上)の人ボディメイクでは、贅肉を燃やして絞る有酸素運動が主役。有酸素の切り札はランだが、太っている人は走るのが苦手。無理して走ると膝などが悲鳴を上げ、故障する恐れもある。
するとトレーニング全般がストップするから、肉体改造は夢のまた夢。身の丈に合わせて速歩から始めよう。
速歩は、楽チンのぶらぶら散歩とは違う。息が軽く弾むくらいの速さでキビキビ歩くのが、速歩。
速歩のペースはどう決める?
体脂肪を燃やすためのペースは、自覚的運動強度(下表参照)で定める。自覚的に「楽である」と思えるペースから始め、「ややきつい」と感じるまで足を速めると、体脂肪はメラメラ燃えやすい。
毎週10分、速歩の時間を延ばす。
1日おきに週4回、1日30分が目安。まとめて歩く時間が取れないなら、10分×3回、15分×2回と分けてもOK。できれば1週間ごとに10分ずつ時間を延ばして、2週目は40分、3週目は50分、4週目は60分歩いてみよう。
体重が落ちて身軽になれば、歩ける距離は自然に延びてくるだろう。おなじみの方法だが、外出時に最寄り駅からひと駅分だけ速歩をすると決めると、習慣化しやすい。
基本の筋トレで基礎筋力を。
あわせて筋トレも行う。狙いは、黄金率ボディの基礎を築きつつ、今後の筋トレをこなすベースとなる筋力を養うこと。フェイズを追うごとに、筋トレで盛る割合が高まり、強度も上がる。それに対応できる基礎的な体力を作っておく。
一度に有酸素と筋トレをセットでやるなら、筋トレ→有酸素の順で。筋トレで分泌される成長ホルモンには体脂肪を分解する働きがあり、分解した体脂肪が速歩でじゃんじゃん燃やせるからだ。
いくらトレーニングしても、これまでのように過食していたら、いつまで経ってもカラダは絞れない。摂取カロリーもセーブしたい。
超定番種目3種でOK。
筋トレは超定番種目のみ。3種類で、全身の主要な筋肉を鍛える。とくに菱形体型の土台を作るプッシュアップはきっちりやろう。
いつもの種目の効果を高めるために、プッシュアップ(15〜20回×3セット)とスクワット(15〜20回×3セット)はボトムポジション(カラダを下げた位置)、クランチ(15〜20回×3セット)はトップポジション(カラダを上げた位置)で、それぞれ2秒(2カウント)静止する。
通常の筋トレは、筋肉が縮みながら力を出すコンセントリック、筋肉が引き伸ばされながら力を出すエキセントリックという2つの局面の繰り返し。その間に2秒の静止を加えると、筋肉が長さを変えずに力を出し続けるアイソメトリックという第3の局面が加わる。筋肉が力を出す時間がそれだけ長くなり筋肉に強い刺激が入り、効き目がアップする。
1.プッシュアップ(15〜20回×3セット)
2.クランチ(15〜20回×3セット)
3.スクワット(15〜20回×3セット)
さらに、カロリーセーブ法。
脱肥満にはダイエットが不可欠。おデブさんの食事改善の第一歩は、1日の摂取カロリーの適正化だ。
摂取カロリーは体格によって変わり、一般的にはBMIから逆算する理想体重に、30を掛けて求めるのがもっとも簡単(下参照)。身長170cmなら1.7×1.7×22×30≒1907キロカロリー。1食当たり640キロカロリーが基準となる。
摂取カロリーを抑えるコツは、脂質のセーブ。カロリーになる3大栄養素のうち、1g9キロカロリーといちばん高カロリーだからだ。ハンバーグなどの挽き肉料理、唐揚げなどの揚げ物は脂質過多でオーバーカロリーに陥りやすい。
ただし、いきなり「揚げ物を断つ!」と自分を追い込むのはNG。挫折するのは目に見えているから、毎日→週4回、週4回→週2回と脂質過多の食事を摂る回数を徐々に減らそう。
並行して、肉類はバラ肉より赤身肉や鶏胸肉、魚介類はトロより赤身や白身魚といった低脂質の部位を選び、焼く、蒸す、茹でるなどの植物油を使わない調理法をチョイスする癖をつけて。