目次
1. ちまちま歩きはNG! ダイナミックなフォームで歩く!
ランニングと同様、ウォーキングはまずフォームが肝心。確かにそうとも言えるが、インターバル速歩に限ってはそれはある意味で方便。
背すじをピンと伸ばす。速歩きのときは大股で踏み出す。踵から着地する。視線はちょっと先に。肘は90度曲げる。すべて正解ではある。とはいえ、細かいフォームにこだわることより、まず頭に置いてほしいのは、速歩きの最中、できるだけたくさんの筋肉を参加させること。
全身の筋肉の6〜7割は下半身に存在している。その筋肉を総動員させるつもりで歩くことが、もっとも重要なポイントだ。
速歩きの際の運動強度は最大酸素摂取量の約70%に相当することは前述した通り。これくらいの強度にもっていくためには、できるだけ大股で歩いて多くの筋肉を稼働させる必要がある。
ちまちまとした歩きの場合、運動強度が低すぎて、よほどの猛スピードで歩かない限り最大酸素摂取量の70%には到達できない。競歩の経験者ならともかく、素人ではとても無理なのだ。
踵着地や、腕を大きく振れば自動的に大股歩きになる。フォームを気にしていても、小股でちまちま歩いていたら意味がない。とにかく、一歩一歩のストライドを大きく、ややキツいと感じる運動レベルまでもっていくことが重要だ。
2. 3分普通歩き→3分速歩きを交互に繰り返す!
繰り返しになるが、インターバル速歩のキモは3分の普通歩きと3分の速歩きを交互に繰り返すことにある。
有酸素運動を行う場合、最初はミトコンドリアを稼働させるエネルギー産生経路がうまく働かない。運動を始めて大体2分くらい経つと有酸素系エネルギーシステムが働いて定常状態に達するといわれている。さらに3分間経つと、その運動強度に比例したキツさをカラダが感じるようになるのだという。
とくに速歩きの状態を3分継続することはとても重要。30秒程度であれば筋力頼みで速く歩くことができる。この場合、心肺能力の鍛錬にならないので、速歩きには3分という時間が必要不可欠なのだ。
3. 1週間で120分クリアすれば、どう分けてもOK!
最低目標は、1週間トータルで120分のウォーキングをクリアすること。これを死守しなければ、さまざまな健康効果は期待できない。
とはいえ、1回につき30分、週に4回、歩く時間をきっちり確保できないこともあるだろう。そんなときは独自のスケジューリングに従って調整可能。小分けにしてもいいし、週末の2日間でまとめて歩いてもかまわない。
極端にいえば、「普通歩き3分」+「速歩き3分」、この6分のタームを1日5回に分けて行ってもいい。と考えると、ウェアに着替えてわざわざウォーキングに出かけるという覚悟はいらない。
通勤時の往復、昼休み、飲みに行くまでの道すがら、といつでもどこでも実践する習慣をつけることで案外あっさりクリアできてしまうはず。
4. 歩き終わった後のタンパク質補給が効果を早める!
インターバル速歩を行った後、30分以内にタンパク質を補給する。このことで筋トレ同様、損傷した筋肉の補修が速やかに行われ、効率的な筋力アップが見込めることが分かっている。
下のグラフは歩いた後に牛乳を飲んだグループと飲まなかったグループの大腿の筋力の比較。5か月の実施期間の結果、牛乳を飲んだグループはそうでないグループに比べて筋力が倍以上上回った。
もちろん、牛乳ではなくプロテインでも同様の効果は期待できる。その場合、プロテインに糖質が含まれていることを確認しよう。糖質で血糖値を上げ、インスリンを分泌させることでアミノ酸が効率的に筋肉に送り込まれるからだ(牛乳には乳糖という糖質が含まれている)。
牛乳を飲むメリットは筋力アップだけではない。20代では1週間ほど続けるだけで、汗のかきやすさが2割以上向上するのだとか。
5. ベストタイミングは早朝またはレイトアフタヌーン!
さて、どの時間に歩くべきか?運動生理学的に最もおすすめなのはレイトアフタヌーン、午後4時〜5時あたりの夕方。理由は体温が最も高い時間帯なので、カラダがいい感じでほぐれているから。大股での速歩きも無理なく実践できる。
朝一番、起床後も悪くはない。体温は低い状態だが、インターバル速歩で一気に体温を上げることができる。体内時計のリセットという意味でも、この時間帯は有効だ。逆に夜の遅い時間は要注意。交感神経が活性化して眠れなくなることも。
6. 体力がアップしたら、速やかに次のステージへ!
ひとたびインターバル速歩を始めたならば、5か月間は続けてみる。さすれば必ず最大酸素摂取量は5〜10%アップする。日常生活のあらゆる動きが楽にこなせるようになり、体力の向上がはっきりと自覚できるはずだ。
ここでやめたらもったいないとインターバル速歩を続行。ただし、この際は注意が必要。体力が向上しているので、同じペースの速歩きでは「ややキツい」運動にならないからだ。坂道を取り入れたりペースをさらに上げるなどの工夫を。