キーワード① 食事と睡眠
日中パソコン作業をしたあとの脳と、手足をたくさん使ったときの脳。どちらがより疲れているかといえば、実は手足を動かしているときの情報処理量のほうが多く、脳が疲れやすい。脳のメモリがいっぱいの状態で眠りにつくと翌日は思うようにカラダが動かせない、物事を考えられない。
だから寝ている間に脳内の情報を圧縮させて、翌日のために容量を空けることができる睡眠が大事。
そして、食べ物。バランスのいい食事というのは基本中の基本だけど、疲労をごほうびに変えるには運動後に食べるものが重要になる。有酸素運動後はすっからかんになったエネルギーを補給するために、高糖質のものを運動後30分以内に補給すること。汗と一緒にカラダから出ていったミネラルも補給できるとなおよし。
一方で筋トレ後は、損傷した筋肉を修復させるために運動後24時間はタンパク質の多い食事を心がける。こっちは30分以内に慌てて補給しなくてもよし。
なぜなら30分以内にサプリメントやプロテインを摂ることを意識しすぎるとその後の食事の量が減ってしまい、タンパク質以外の栄養素を逃すことになるから。
バランスのいい食事が難しければ、1回の食事で赤、黄、緑の食品を揃える意識を。赤色は肉・魚・卵・大豆といった肉や血を作る食品、ようはタンパク質。黄色はご飯・パン・麺・芋といった炭水化物。そして緑色が、野菜・海藻・果物といったカラダの調子を整える食品。これさえ覚えておけば、コンビニ飯だってバランスのいい食事になる。
キーワード② ストレッチ
運動が終わった後の筋肉は、収縮しようとする力が働いている。この状態が続くとエネルギーは使われっぱなし、つまりいつまでたっても疲労がごほうびにならない。
だから縮んだ筋肉は伸ばして、ニュートラルに戻しておく必要がある。それが静的ストレッチ。筋トレ後は使った部位を伸ばすのが基本。有酸素運動後は、強い衝撃を受けている足まわりを入念にケアしよう。
足まわりのストレッチ
ただし筋肉が「だるい」「張っている」ではなく、「痛い」と感じたときは例外。ストレッチを即座にストップすること。とくに関節に近い部位が痛む場合は、靱帯や軟骨といった内部組織が損傷している可能性がある。内出血しているときも絶対ダメ、これは肉離れが起きていると考えられる。安静、または病院へ。
キーワード③ 交代浴
だるさや重さを感じる筋肉をマッサージするとスッキリするのは、血液循環がよくなるため。でも全身をケアするには時間がかかるし、手間もかかる。
そこで交代浴。温水に浸かると血管が拡張し、冷水がカラダに触れると血管が収縮する。これを繰り返すことで血液のポンプ作用が働き、全身に血液が行き渡る。すると疲労が和らぎ、内臓が活発に動き、眠りにもつきやすくなる。
自宅でできる簡単な方法をご紹介。40度程度のお湯に浸かり全身を温め、冷たいシャワーを下半身に30秒、その後、お湯を60秒かけ、これを5〜10セット繰り返す。
筋トレ後の張り、いわゆる筋肉痛があるときは炎症を起こしているため冷やすことが先決。その場合はアイスバス、またはアイシングを。
キーワード④ アクティブレスト
レースや長距離ランでカラダがコテンパンにやられた翌日に、あえて動くことで血液循環を促し、疲労回復を促す。それがアクティブレスト。主に有酸素運動後に用いられる方法だが、効果を得るには2つほどルールがある。
1つ目は「やり過ぎない」こと。目安は普段の練習の45〜55%の強度。気付いたらスピードが上がってることはよくあるけど、ぐっと我慢。
2つ目は、「一定のリズムを刻む」こと。淡々と走る、淡々と泳ぐ、淡々と漕ぐ。頭を使う複雑な動作は脳が疲れるけど、同じ動作なら頭を使わず疲労に変換されない。
メインとしている運動とは別のことをするのもいい。普段ランニングをするなら、水泳、自転車など。ただし別の運動が苦手な場合は、脳の情報処理量が増えるのでご注意を。