オートミールやもち麦。主食を替えれば腸内環境は整う
便通だけでなく、免疫や肥満にも深く関わる腸内環境。これを整えるためにまず思い浮かぶ食材といえばヨーグルトだ。だがおかしい、食べても食べても便秘が治らない…? そんな人におすすめしたいのが、主食を置き換えるというティップスだ。
取材・文/井上健二 イラストレーション/三宅瑠人 取材協力/河村玲子(管理栄養士、トレーナー)
初出『Tarzan』No.794・2020年8月27日発売
主食は食物繊維が多いものを定番化。
腸内環境の良し悪しは、便通ばかりではなく、免疫や肥満にも関わる。腸内環境を左右するのは、腸内に数十兆個も棲む腸内細菌。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が増えて、大腸菌などの悪玉菌が減れば、腸内環境が持ち直し、免疫力も上がる。
腸内環境を整えるには、ヨーグルトなどで善玉菌を取り入れるといいとされる。でも、「ヨーグルトをいろいろ試しても、便秘は治らないし、腸内環境が良くなった気がしない」という不満もよく聞く。そんな人が試したいのは、食物繊維の増量。
外から助っ人となる善玉菌を取り込むより、自らがもともと持っている善玉菌を元気付ける方が確実。マシマシの食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内環境が改善してくる。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日に男性で21g以上、女性で18g以上を食物繊維の摂取目標量にしているが、日本人は男女ともに15gほどしか摂れていない。食物繊維の増量は、主食を替えるのが最も効率的。主食は1日3回必ず食べるし、その量も多いから、食物繊維が多めのものに替えるだけで、腸内環境が良くなりやすいのだ。
「もち麦、ライ麦パン、オートミール、ミューズリーなどは食物繊維がリッチな主食です」(管理栄養士の河村玲子さん)