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1日20gの食物繊維をどう摂るか? 簡単レシピで巧みにファイバーチャージ

炭水化物=糖質だと思っていませんか? 実は「食物繊維」も炭水化物。不足してしまうと、腸内環境の悪化や便秘の一因になってしまうのだ。紹介するレシピで、糖質は抑えつつ巧みに食物繊維を摂取しよう!

1日20gの食物繊維を、どう摂るか?

血糖値の急上昇を防ぎ、脂肪を絡め取って排出してくれる、ありがたい食物繊維。タンパク質摂取ばかりに血道を上げず、バランス良く摂っておきたいもの。

そんな食物繊維、実は炭水化物だということはご存じだろうか。「炭水化物=糖質」と思い込んでいる人も少なくないが、本当は「食物中の炭水化物=食物繊維+糖質」なのだ。だから糖質が多い根菜類を避けてきた人も、その中の食物繊維量が多いかどうかを見極めて摂ることが重要なのだ。

ちなみに食物繊維は「水溶性」と「不溶性」の2種類がある。水溶性は海藻類や果物、こんにゃくなどに含まれ、腸内環境を整え、糖質の吸収を緩やかにする役割が。不溶性は穀類、野菜、豆類などにあり、腸の蠕動運動を活発化し、便通を改善する。どちらも必要な食物繊維だ。

水溶性・不溶性ともにバランス良く摂取するには、食のプロが考案したこのメニューで実践してみるのがオススメ。食物繊維をバッチリ押さえつつ、糖質は控えた内容だ。もちろん食べごたえも抜群で、なおかつ簡単に作れておいしい。そして、食物繊維が足りないときのサブおかずも用意した。ただ、糖質同様に、摂りすぎには要注意。

「成人の1日に必要な食物繊維量は20g以上ですが、摂りすぎるとビタミンやミネラルの吸収を阻害します。よく嚙んで消化吸収を促し、快適なお通じのために水分を摂りましょう」(管理栄養士・平野實希さん)

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簡単ファイバーチャージ・レシピ5

1. あっという間のホットチキンサラダ

満足感も保証。ブロッコリーで食物繊維チャージ

ブロッコリーは100g中に食物繊維が4.4gと豊富なだけでなく、タンパク質やビタミン類も多い優秀食材。まぶした片栗粉がチキンの水分を閉じ込めふかふかに。素材を大きめにカットすることで食べごたえアップを狙おう。

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材料(2人分)

鶏胸肉(1枚)、砂糖(小さじ1)、ハーブソルト(小さじ1/2)、酢(小さじ1)、酒(大さじ1)、片栗粉(小さじ1)、新玉ネギ(小1個)、ブロッコリー(1/2株)、スナップエンドウ(6個)、ミニトマト(6個)、コンソメ顆粒(小さじ1)、コショウ(少々)、水(2カップ)

作り方

  1. 鶏胸肉は皮を剝いでから一口大に切り、ビニール袋に入れ、砂糖、ハーブソルト(または塩・コショウ)、酒、酢、片栗粉を振る。袋の上からまんべんなく揉んだら、冷蔵庫でひと晩寝かせておく。
  2. 皮を剥いて8等分に切った新玉ネギ、コンソメ、コショウ、水を鍋に入れ、蓋をして火にかける。
  3. 沸騰したら、(1)の鶏肉を加え、湯の中でほぐす。そこに食べやすい大きさに切ったブロッコリーと、1〜2cmの厚さに輪切りしたブロッコリーの茎を加え、蓋をする。再沸騰したら、筋を取ったスナップエンドウと半分に切ったミニトマトを加え、蓋をして火を止める。
  4. 5分置き、器に盛り付ける。

2. 海鮮ワカメしゃぶしゃぶ鍋

リッチファイバー&タンパク質の最強タッグ

ワカメとシイタケのリッチな食物繊維に加え、低カロリーの魚介のタンパク質も詰まったイイトコ取りの一品。ハマグリのグルタミン酸やタウリンに加え、シイタケのグアニル酸など、アミノ酸由来の旨味成分が味に深みをプラス。

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材料(1人分)

生ワカメ(100g)、ハマグリ(3個)、イカ(120g)、水(3カップ)、酒(大さじ1)、白だし(大さじ1)、木綿豆腐(1/2丁)、シイタケ(2枚)、ポン酢(適量)、万能ネギ・小口切り(適量)

作り方

  1. 生ワカメは茎から切り離す。イカ、木綿豆腐、シイタケを食べやすく切る。
  2. 鍋に水、酒、白だし、豆腐、イカ、ハマグリを入れて加熱し、沸騰したら、ワカメをしゃぶしゃぶする。
  3. ワカメの色が鮮やかな緑色に変わったら、ポン酢に万能ネギを入れた器に取っていただく。好みで大根おろし、七味唐辛子を添える。

3. 筍と豚と菜の花の炒め物

シャキシャキ歯ごたえの春野菜を堪能する

春の味覚の代表格である筍と菜の花には食物繊維がたっぷり。蒸し焼きだから火通りが良く時短で簡単、嚙みごたえも抜群の仕上がりに。片栗粉で味にまとまりが出て豚との相性も◎。紹興酒で香り出し。春をおいしく嚙みしめよう。

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材料(2人分)

豚もも薄切り肉(240g)、茹でタケノコ(小1個)、菜の花(1/2束)、ショウガ・千切り(小ひとかけ)、サラダ油(小さじ1)、豆板醬(小さじ1)、醬油(大さじ1)、砂糖(小さじ1)、コショウ(少々)、紹興酒(大さじ1)、片栗粉(小さじ1)、ゴマ油(小さじ2)

作り方

  1. 豚肉は4cm幅に切る。タケノコはくし切りに、菜の花は食べやすい大きさで斜め切りにする。豚肉とタケノコは半量の醬油とコショウで下味をつけておく。
  2. フライパンにサラダ油とショウガを入れて炒める。香りが出たら、豚肉とタケノコを加えて炒める。菜の花、豆板醬、醬油、砂糖、コショウを加え、ざっくりと混ぜ合わせたら、紹興酒をかけて蓋をし、1分蒸し焼きにする。
  3. 大さじ1杯の水と片栗粉を合わせた水溶き片栗粉とゴマ油を加え、さっと炒めて、皿に盛り付ける。

4. ラムの煮込みおからのクスクス風添え

糖質オフ&山盛りファイバーの画期的ハヤシ!

糖質過多で敬遠されるカレーライスやハヤシも、おからと寒天でクスクス風にすれば食物繊維MAXにして糖質量もクリア。しかも脂肪燃焼系のカルニチン豊富なラム肉がゴロゴロ入って大満足。主食代わりにできる画期的な一品。

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材料(2人分)

ラム肉(160g)、塩・コショウ(各少々)、小麦粉(小さじ1)、ニンニク・スライス(1かけ)、オリーブオイル(小さじ1)、玉ネギ(1/4個)、トマトソース(1缶)、グリーンピース(100g)、赤ワイン(大さじ2)、カレー粉(小さじ1)、おから(160g)、寒天(1袋)、コンソメ顆粒(小さじ1)、水(1/2カップ)、ヨーグルト(1/2カップ)、塩・コショウ(適宜)

作り方

  1. ラム肉は塩・コショウをまぶし、小麦粉を振る。玉ネギは薄くスライスする。
  2. 鍋におから、寒天、水、コンソメを入れて火にかける。沸騰してから3分ほど煮て、火から下ろす。粗熱が取れたらヨーグルトを混ぜ、塩・コショウで味を調え、冷まして固まったら、ボロボロと大まかに崩す。
  3. フッ素樹脂加工のフライパンにニンニクとオリーブオイルを入れて火にかける。香りが立ってきたらラム、グリーンピースを加えて炒める。トマトソース、赤ワイン、カレー粉を加えて10分煮たら、塩・コショウで味を調える。
  4. 器におから、ラムの煮込みを一緒に盛り付ける。

5. エビときのこのアヒージョ風

殻付きエビには、早食い防止と満腹効果が

食物繊維はキクラゲやエリンギに、タンパク質はエビやカリフラワーに。殻付きエビなのは、旨いだし狙いと早食い防止で満足感を上げるため。油ではなく白ワインで煮るから旨味UP&ヘルシー。カリフラワーはパン代わりに。

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材料(2人分)

殻付きエビ(10尾)、エリンギ(1パック)、キクラゲ(1パック)、ニンニク・みじん切り(2かけ)、パセリ・みじん切り(少々)、唐辛子・種を除く(2本)、オリーブオイル(大さじ4)、アンチョビフィレ(1枚)、白ワイン(50㏄)、ハーブソルト(小さじ1)、カリフラワー(1/2株)

作り方

  1. エビは背ワタを取り除く。エリンギ、キクラゲは、食べやすい大きさにざっくりと切る。カリフラワーは小房に分けて茹でる。
  2. 小鍋にオリーブオイルとニンニクを入れて、火にかける。香りが立ってきたら、エビ、エリンギ、キクラゲ、アンチョビ、白ワイン、ハーブソルトを加え、蓋をしてひと煮立ちしたら、エビに火が通るまで弱火で2分煮る。噴きこぼれに注意。
  3. 器に盛り、彩りにパセリを振りかける。カリフラワーを添える。

プラスひと皿でさらなるファイバーチャージ!

食物繊維を賢く摂れるレシピはメインディッシュだけにあらず。いつもの食卓に頼れるサブおかずをプラスして、食物繊維をボリュームアップさせよう。

1. ゴボウのボリうまっ

水溶性も不溶性も。ゴボウオンリーの直球勝負

食材はゴボウだけというシンプルな一品だけど、スナック感覚でポリポリ食べ続けられる。しかも水溶性・不溶性どちらの食物繊維もバランス良く含まれている、とても頼りがいのあるヤツ。素材の風味を存分に味わおう。

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材料(2人分)

ゴボウ(1本)、酢(小さじ1)、片栗粉(小さじ1)、小麦粉(小さじ1)、サラダ油(大さじ3)、マヨネーズ(小さじ2)、めんつゆ・濃縮(小さじ2)、白ゴマ(少々)

作り方

  1. ゴボウは硬い瓶の底などで押しつぶして繊維を壊し、味を染みやすくする。さらに厚さ5mmほどの斜め切りにする。
  2. (1)をビニール袋に入れて酢を絡め、さらに小麦粉と片栗粉を加え、よくまぶす。
  3. フライパンに油をひいて熱し、(2)のゴボウを加えてカリッと揚げ焼きにする。
  4. 余分な油を油壺に返し、ペーパータオルでフライパンについている油を拭き取る。火を消したら、マヨネーズとめんつゆを加えて絡める。
  5. 器に盛り付け、ゴマをかける。好みで一味唐辛子や小口切りの万能ネギを振りかける。

2. メカブタこんにゃく炒め

コリコリネバネバキュッキュ、口の中が楽しい

水分を抜いたこんにゃくは味がしっかり染みて抜群の歯ごたえに変身。食感がいいメカブは食物繊維に加えビタミンAも豊富だから、抗酸化作用・免疫力強化も期待できる。油と一緒に摂ると吸収が良くなるので、理にかなった一品。

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材料(2人分)

豚もも切り落とし(100g)、メカブ(200g)、こんにゃく(200g)、長ネギ・粗みじん切り(3cm分)、ショウガ・みじん切り(小1かけ)、ゴマ油(小さじ2)、酒(大さじ1)、オイスターソース(小さじ2)、醬油(小さじ2)、粗挽き黒コショウ(少々)

作り方

  1. メカブを立て、茎に沿って包丁を入れ、茎とひだを切り分ける。茎は斜め切りに、ひだは食べやすい大きさにざく切りする。
  2. こんにゃくはまな板に置き、握り拳で叩いて水分を抜く。目安は指の跡が残る程度。水分を抜いたらスプーンでザクザク切る。
  3. 鍋にこんにゃくを入れ、キュキュッと音が立つまで乾煎りする。ゴマ油と長ネギ、ショウガを加えて中火で炒める。豚肉とメカブを加えて混ぜ、酒、オイスターソースをかけ、蓋をして2分加熱する。
  4. 醬油を回しかけて香り付けをしたら、器に盛り付け、コショウをかける。

3. ヌルっこ祭り

糸引くヌルヌル祭りが、ここに開催!

モロヘイヤ、納豆、オクラ、とろろ昆布と、食物繊維のオンパレード。とりわけ納豆は水溶性・不溶性どちらもたっぷりのスーパースター。だしを取るための鰹節はタンパク源でもあるから、取り出さずにそのまま飲み干そう。

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材料(2人分)

モロヘイヤ(1/2束)、オクラ(1/2袋)、納豆(1パック)、鰹節(1パック)、水(1.5カップ)、味噌(大さじ1)、とろろ昆布(適量)

作り方

  1. モロヘイヤは3cm長さに切り、オクラは小口切りにする。
  2. モロヘイヤを鍋に入れ、水を加えたら、蓋をして火にかける。
  3. 沸騰したら火を弱めて2分加熱する。オクラ、味噌、鰹節を加え、蓋をして、さらに1分加熱。火を止め納豆を加える。
  4. 器に盛り付け、とろろ昆布を乗せる。

4. パセリが主役の卵とじ

地味なアイツに秘められたファイバーパワー!

料理の彩り要員になりがちのパセリを抜擢した一品。食物繊維に加え、カルシウムやミネラル、ビタミンE、K、B群、葉酸、鉄、カリウム、タンパク質などが含まれた超スーパーフード。脂肪燃焼にも持久力向上にも効果絶大!

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材料(1人分)

パセリ(6枝分)、油揚げ(1/2枚)、めんつゆ(大さじ1/2)、水(1/2カップ)、卵(1個)、鰹節(適宜)

作り方

  1. 1cm長さに切ったパセリ、1cm幅に切った油揚げ、めんつゆ、水、鰹節を鍋に入れ、蓋をして中火で2分煮る。
  2. 溶き卵を加えて火を止め、蓋をして蒸らす。
  3. 器に盛り付ける。

5. 大豆もやしで食べごたえガッツリ餃子

タンパク質の優等生がさらなる大活躍

普通のもやしよりも豆が大きく食べごたえがある大豆もやしは、食物繊維もさることながらタンパク質も豊富。餃子も、皮の糖質と具材の肉のタンパク質、キャベツの食物繊維がトータルバランスをアシスト。男の胃袋を満たすはず。

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材料(2人分)

市販の餃子(10個)、ゴマ油(小さじ2)、大豆もやし(1袋)、水、酢(各大さじ1)、ポン酢(大さじ2)、コショウ(適量)、万能ネギ(適量)

作り方

  1. 大豆もやしをフライパンに入れ、ゴマ油、酢、水をかける。その上に餃子を乗せ、蓋をして火にかける。
  2. 蒸気が立ってから2分加熱する。器に盛り付け、ポン酢にたっぷりのコショウを加えたタレをかけていただく。

6. 明日葉のツナサラダ

食物繊維プラスアルファがすごいスーパーフードをたっぷりと

明日葉には食物繊維のほかにも生活習慣病の予防や内臓脂肪減少、血糖値を下げるなどの効果を持つ成分・カルコンが。ビタミンAやβカロテンも豊富。1束は一見多く感じるが、ツナと和えればしんなりまとまる。

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材料(2人分)

明日葉(1束)、ツナ缶(小1缶)、めんつゆ(小さじ2)、酒(大さじ1)、水(大さじ1)

作り方

  1. 鍋に3cm長さに切った明日葉を入れ、ツナ缶、酒、水をかけて絡めたら、蓋をして中火にかける。
  2. 蒸気が上ったら、火を弱めて2分加熱する。
  3. めんつゆを絡めて器に盛り付ける。

7. 切り干し大根のカムカメ

生より断然スゴい。乾物の底力を感じる一品

切り干し大根は乾物だからこそ生より成分が凝縮。ビタミンB1、B2、カルシウムが20倍、マグネシウム17倍に。ミネラルアップのおかげで、カラダを動かすのがスムーズになる効果も。加熱しないから楽チンで作り置きに最適。

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材料(2人分)

切り干し大根(30g)、茹で大豆(大さじ3)、めんつゆ(小さじ2)、酢(小さじ2)、砂糖(小さじ1)、シソ・千切り(1枚)、輪切り唐辛子(少々)、水(1/2カップ)

作り方

  1. 保存容器に茹で大豆とめんつゆを入れて混ぜる。
  2. (1)にハサミで3cm長さに切った切り干し大根、酢、砂糖を加えて絡める。千切りのシソ、唐辛子、水を加えたら、30分置く。
  3. 器に盛り付け、好みですりゴマをかける。

取材・文/藤田佳奈美 撮影/山城健朗 スタイリスト/矢口紀子 料理製作/平野實希(管理栄養士、〈(株)食デザイナーズ〉代表)

(初出『Tarzan』No.714・2017年3月9日発売)

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