「いつものプランク」は卒業! 「動くプランク」なら確実に体幹に効く
昨今、取り沙汰されるプランク不要論。だが、ちょっと待った! 体幹に効かせるにはコツがあったのだ。
取材・文/石飛カノ 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 監修/白戸拓也(フージャース ウェルネス&スポーツ)
初出『Tarzan』No.787・2020年5月14日発売
なぜ「動かないプランクは意味がない」のか?
体幹トレの代表格とされてきたプランク。でも、最近では意味ないじゃん?という声をしばしば耳にする。
そのココロは、ただじっとポーズをキープするだけで腹筋群が伸びも縮みもしないから。筋肉が収縮しながら力を出すコンセントリックの局面では筋肉内に乳酸が蓄積し、成長ホルモンをはじめとする化学物質が発生する。これがいわゆる、ケミカルストレスと呼ばれるもの。
一方、筋肉を伸展させつつ力を出すエキセントリックのフェーズでは、筋肉が微細に損傷する機械的刺激、メカニカルストレスがかかる。このふたつのストレスが筋肉を成長させるので、伸びも縮みもしないプランク、意味ないじゃんという話になるわけだ。
でもこれ、自体重トレに意味がないと言っているのと同じこと。自体重トレの膝つきプッシュアップを延々と繰り返しているだけでは、決して胸はデカくならない。でも、手の幅を変えたり傾斜をつけたり片手支持にしたりと刺激の種類や強度を上げていけば、いい感じにブラッシュアップされた大胸筋が手に入る。
正しくやれば、優れたエクササイズとなる。
プランクもこれと同様の理屈。かつてアメリカで話題になり、日本でも女性を中心に支持を得た「30日間プランクチャレンジ」というプログラムがある。これは20秒キープのプランクからスタートし、1日ごとにキープ時間をじわじわ増やしていき、30日目に300秒=5分間キープを目指すというもの。
正直、5分間もじっと維持することができるようなら、もはや負荷が弱すぎる。膝つきプッシュアップを50回こなせるようになりました、と言うのと変わらない。このように、ただ長い時間キープすることを目的にしたプランクは、確かにあまり意味がない。
でも、刺激の質を変え、負荷を徐々に上げさえすれば、プランクはボディメイクにも適用できる。もちろん、体幹の安定性を高める効果はばっちり。やり方さえ間違えなければ、むしろ優れたエクササイズといえるのだ。
まあ、四の五の言わずにトライしてみてほしい。ベーシックなプランクをまず3分間きれいにキープするところからスタートしよう。これを卒業したら発展系プランクへどんどん駒を進めていく。
“発展系”のプランクバリエーション。
ベーシックなプランクがクリアできたら早速、ステップアップ。まず最初は4点の支持面のひとつを外すスリーポイントプランク。
手や足の支持をどれかひとつ外してコアのバランスをとる。安定性が格段に下がることが実感できるはず。ほとんどの人は左右差があるので、キープするのが苦手な方を重点的に行うこと。続いて対角線上に2点の支持面を外すダイアゴナルプランク。こちらも不安定な方を集中して行う。それぞれ30秒キープできるようになったら3分間のプランクチャレンジへ!
① 3 point プランク
② ダイアゴナルプランク
チェック! 3分間のプランクチャレンジ!
基本の4ポイントプランクを1分間→3ポイントプランクを各15秒で計1分間→ダイアゴナルプランクを各15秒で計30秒→4ポイントプランク30秒。このチャレンジがクリアできればプランクの基本をマスターした証し。