
教えてくれた人
木村祐介(きむら・ゆうすけ)/スポーツトレーナーとしてアスリートのトレーニングやリハビリに携わった後、美容に関する整体や矯正技術を習得し独自の「美顔ワークアウト」を開発。
目次
顔を変えるエクササイズの基本ルール。
それでは老け顔改善のための顔エクササイズを実践していこう。今回は顔まわりのシワや表情にまつわる課題解決策を用意した。基本ができたら応用にトライしてみてほしい。行う時間帯のおすすめは朝。1週間で変化を感じるはずだ。
まずは側頭部に触れて顔の重心を上げ、リフトアップしやすい状態を作ることから始めよう。意識してほしいのは3つの基本ルール。顔を縦方向に伸ばすイメージを持つことが最大のポイントだ。
ルール1.側頭部の筋肉を意識する。
左右の手で側頭筋に触れて顔の重心を上げる。常に意識を側頭筋に。
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逆に頰に触れたり意識を持ってくると顔の重心が下がってたるむ。
ルール2.動きを急にやめず余韻を残す。
エクササイズ終了後はゆっくり元の顔に戻ること。
ルール3.顔全体の縦のテンションを意識する。
多くのエクササイズでは全力の「お」の顔にして縦のテンションを保つ。
ほうれい線に効くエクササイズ。
鼻の際から口元にかけてできる溝・ほうれい線。大頰骨筋などの口角を上げる筋肉の張りが低下することで生じるケースが多い。余った脂肪が重みで落ちることで溝が深くなっていく。
【基本】大頰骨筋(左右各10秒)|エキセンの動きで皮膚を骨に張り付ける。
- 頰骨の外側を指で押さえる。
- 口の形を「お」にし、押さえた頰骨とは逆側に顔を移動させる。筋肉を伸ばしながら力を発揮させるエキセントリックで頰の筋肉や皮膚を骨に張り付ける。10秒キープ。逆も。
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唇が移動しているだけで肝心の左側の大頰骨筋がしっかり伸びていない。
【応用】上唇鼻翼挙筋・鼻筋(左右各10秒)|鼻横の深い溝を目立たなくさせる。
- 鼻の横の深いほうれい線にアプローチ。片側の鼻骨に反対側の指を頭側から伸ばして押さえる。
- 口を「お」の形にして押さえた鼻骨とは反対側に顔を動かし、エキセントリック。10秒キープしたら逆も。
額の横ジワに効くエクササイズ。
まぶたを開くのは眼瞼挙筋。でも、目を大きく開こうとして眉毛を上げるとこの筋肉が働かず、前頭筋が収縮してしまう。逆にまぶたは下がり、額のシワができやすくなる。
【基本】前頭筋(各10秒)|額のシワを上と外にアイロンがけする。
- 左右の手でおでこを押さえる。
- 口を「お」の形にし、指を上にずらしておでこを引き上げ10秒キープ。
- 次に外側に指をずらして10秒キープ。手で前頭筋を押さえて額のシワをアイロンがけするイメージ。
【応用】前頭筋・帽状腱膜・後頭筋(10回)|おでこで掌を「突破! 」する。
- 口を「お」の形にして縦のテンションを顔にかける。
- 左右の掌をおでこにつけて圧をかける。その圧に負けないようにおでこで掌を押し返す。前頭筋だけでなく頭の筋膜全体に刺激が入る。10回繰り返し。
目尻のシワに効くエクササイズ。
大頰骨筋を収縮させて口角を目一杯上げて過ごしていると、目尻にシワができやすい。目を細める動作も原因のひとつ。日中笑って過ごすのは大いに結構。その代わりケアは不可欠だ。
【基本】大頰骨筋(左右各10秒)|目尻のシワを引き伸ばす。
- 片方の目尻に左右の指先を当てて上下に引っ張る。
- 口で「お」の形を作ったら、唇を中心にして顔全体を目尻とは逆サイドに動かし、大頰骨筋にストレッチをかける。10秒キープしたら反対側も。
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伸ばした目尻とは反対側の目尻が下がって潰れると、こちら側にシワができてしまう。
【応用】大頰骨筋・眼輪筋(10回)|頰の筋肉を関与させずまぶたを閉じる練習。
- 頰骨の上に左右の薬指、中指、人差し指を当てて押さえる。
- そのまま目尻にシワができないようにまぶたを閉じる。手前ではなく遠くを見続けながらまぶたを閉じることがポイント。10回繰り返し。
眉間のシワに効くエクササイズ。
イライラすることが多いと無意識に眉間にシワが寄る。美顔の条件は上に重心を置いて顔の下を引き締める逆三角形。眉間にシワを作って口角が上がると真逆の三角形に。眉毛を押さえて逆三角形に。
【基本】皺眉筋・眉毛下制筋・鼻根筋(左右各10秒)|眉毛を動かさずに表情を作る癖づけ。
- 片手の人差し指をカギ状にして平らな部分で眉毛を押さえる。
- これで眉毛を動かす筋肉を封印。口で「お」の形を作り、唇を中心に押さえた眉毛とは逆方向に顔を移動させる。10秒キープしたら逆も。
【応用】眉毛下制筋・前頭筋・後頭筋(10秒)|眉毛を下げる筋肉をストレッチする。
- 左右の人差し指、中指、薬指で眉毛を押さえる。
- 口で「お」の形を作り、おでこで指を押し返して10秒キープ。眉毛が引き上がることで頭の筋肉が稼働するので、毎日行えば眉間のシワができにくくなる。
首のシワに効くエクササイズ。
表情筋と同じ層にある広頸筋をストレッチしてシワをリセット。また、日常的に側頭部を意識すると首主体ではなく側頭部主体で顔が動くので、シワができにくくなる。
【基本】広頸筋・大胸筋(左右各10秒)|胸と頭を引っ張って首のシワを伸ばす。
- 下唇を上と横の唇で吸引し、顔に縦方向のテンションをかける。
- 片手を側頭部、反対側の手をデコルテに当てて、頭を斜め後ろ方向に倒す。頭と胸を引っ張り合うようにして10秒キープ。反対側も。
【応用】広頸筋・大胸筋(10秒)|胸と首に力を入れて首を縦方向に伸ばす。
- 両手の掌を胸の前で合わせる。
- 下唇を吸引したら、掌を押し合いながら胸と首を離すイメージで力を入れ、頭を45度程度反らす。
- 大胸筋に目一杯力を入れて首の筋肉を伸ばし、10秒キープ。
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肘を張って肩が上がってしまうと、首が縮こまって逆効果。肩は下げたままで。
笑顔を取り戻すエクササイズ。
基本的にシワをストレッチするエクササイズをご紹介したが、これだけは例外。口角を上げる大頰骨筋をしっかり収縮させて笑顔を取り戻す。
大頰骨筋(10回)|こわばった頰の筋肉を最大限に収縮させる。
- 目一杯口角を上げたら人差し指と親指で頰骨を囲むようにつまんでホールド。
- 「あー! 」と声に出して口を開く。口角を上げて会話ができるようにするためのメソッド。10回。
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大頰骨筋が使えていないと、声に出したとき上の歯が見えない。鏡の前で練習を。