目標は月間1000km!世界王者が語るウルトラマラソンの練習法。

フルマラソンよりも長い距離・100kmを走るウルトラマラソン。昨年2024年には世界選手権でも優勝を果たしたランナー・山口純平さんは「月間走行距離1,000km」を目標に掲げ、練習に励む。山口さんに1週間のメニューと、おすすめの大会について伺った。

取材・文・編集/石井 良 撮影/大内カオリ 監修/齊藤太郎

初出『Tarzan』No.897・2025年2月20日発売

Profile

山口純平(やまぐち・じゅんぺい)/ウルトラランナー。大学では駅伝をメインに、卒業後はランニングアパレルブランド〈エルドレッソ〉を手掛ける(株)タイムマシーンに就職。2023年サロマ湖100kmウルトラマラソンで6時間6分8秒の日本記録を樹立。

目標は月間1000km、ジョグがベースのカラダ作り。

2019年、1kmの周回コースを単独で100周走るチャレンジを7時間40分で成功させ、ウルトラマラソンへの本格参戦を決めた山口純平さん。コロナ禍を挟んで昨年、2度目の出場となる世界選手権で見事優勝を果たした。そんな彼の練習はジョギングが中心だ。

「普段は朝に10km、仕事後に20km強。月間で1000kmを目標にしています。ポイント練習もしますが、基礎を作るジョギングを何よりも大切にしています」

1000kmという途方もない距離を目標に走る山口さんだが、意外にも練習量にこだわりすぎないことを心掛けているそうだ。

「月間1000km達成のために無理をしては本末転倒。カラダの違和感を敏感に察知して、ケガをしないように注意しています」

次の目標は世界記録の更新。歴史に名を残したいと力強く語る。

練習メニュー
朝:10〜15kmジョグ
夜:20〜25kmジョグ(朝走れない日は夜に30〜40kmジョグ)
朝:10〜15kmジョグ
夜:20〜25kmジョグ
ポイント練習:400m×15本 設定72秒、
レスト200mジョグ/1000m×10本 設定3分
朝:10〜15kmジョグ
夜:20〜25kmジョグ
朝:10〜15kmジョグ
夜:20〜25kmジョグ
ポイント練習:400m×15本 設定72秒、
レスト200mジョグ/1000m×10本 設定3分
朝:10〜15kmジョグ
夜:20〜25kmジョグ

山口さんおすすめのウルトラマラソン大会

ウルトラマラソン

サロマ湖100kmウルトラマラソン

今年で開催40回目を迎える歴史ある大会。「ウルトラマラソンは信号に引っかかるレースが多いので、記録狙いなら信号のないサロマ湖が最適です」。コースは基本フラットなので走りやすく、50kmの部もあるのでウルトラデビューにもうってつけだ。

チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン

62〜120kmまでの4種目がある同大会は、名前の通り富士五湖を巡る絶好のロケーションが魅力。ビギナーにも挑戦しやすく、ウルトラマラソンの登竜門といわれている。「都心からアクセスもよく人気の大会。気持ちよく走るだけでも楽しめますよ」。

星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラ

今年から国立天文台の近くを通るコースに変更。野辺山の美しい自然を一層楽しめる。「68kmの部は100kmを目指す前の調整として出るのもいいと思います。累積標高差(68kmの部)は約1200mあり、アップダウンが練習になるいいコースですよ」。