肩まわりがカチカチな人必見。9段階の「プル」で美姿勢をゲット。
背中が鍛えられると背すじを伸ばした姿勢を取りやすくなり、全身のシルエットが美しくなる。そして背中を鍛えられる自体重トレーニングといえばプル。タオルや机など、身近にあるものを使ってトライしてみよう。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/川合康太 ヘア&メイク/天野誠吾 エクササイズ監修・指導/白戸拓也
初出『Tarzan』No.887・2024年9月12日発売
教えてくれた人
白戸拓也(しらと・たくや)/1963年、青森県生まれ。フージャース ウェルネス&スポーツ。元BODYPUMP/BODYCOMBATマスタートレーナー。法政大学卒業。大学卒業後、大手フィットネスクラブに入社。約30年在籍し、クラブマネージャーや教育担当などを歴任する一方、フィットネスの新たなトレンドを作るようなエクササイズプログラムを数多く開発。日本におけるレジェンドトレーナーの一人として一目置かれる存在。
背中を自体重で鍛えるなら懸垂がベストだが、自宅で懸垂する環境を整えるのは大変。そこで活用したいのはテーブル。下に潜り込み、斜め懸垂(インバーテッドロウ)をやろう。天板を摑んで引っ張るプル動作で、背中も腕も強靱化できる。
なおLevel.3「インバーテッドロウ」に手こずる人は、肩甲骨が固まっている恐れがある。Level.0「タオルプルダウン」とLevel.1「YW」で肩甲骨の動きを改善してから再挑戦してほしい。
ターゲット
- 背中(広背筋、僧帽筋、大円筋)
- 上腕前側(上腕二頭筋)
- 上腕後ろ側(上腕三頭筋)
目次
Level.0|タオルプルダウン(各10回×3セット)。
- 床でうつ伏せになり、両腕を肩幅よりやや広めに開き、両手でタオルの端を持つ。両脚は腰幅でまっすぐ伸ばす。
- 両腕を伸ばし、肩甲骨を寄せて胸を反らし、上体を床から浮かせる。
- 頭を背骨の延長線上に置く。タオルを左右に引きながら胸まで引き寄せ、元に戻す。
Level.1|YW(各10回×3セット)。
Level.2|ベントニーインバーテッドロウ(10回×3セット)。
- インバーテッドロウのように構える。ただし、両脚を伸ばすのではなく、両膝を揃えて曲げて立てる。
- 爪先を引き上げ、体幹を床と平行に保って浮かせる。
- 両肘を曲げ、胸を天板の裏面に近づけたら、元に戻る。
Level.3|インバーテッドロウ(10回×3セット)。
Level.4|サイドトゥーサイド・インバーテッドロウ(左右交互に各10回×3セット)。
- インバーテッドロウのスタート姿勢を取る。
- 左肘を曲げて左胸をテーブルの天板裏側に近づけたら、戻る。
- 続いて右肘を曲げて右胸をテーブルの天板裏側に近づけ、元に戻る。左右の肩を床と平行に保ちながら交互に行う。
Level.5|スキャプラシュラッグ(10回×3セット)。
- 高さ15㎝程度のボックス(なければ雑誌数冊を重ねて紐でキツく縛る)を2つ用意。間で仰向けになり、両肘をボックスの中央に置く(肩甲骨の外転)。
- 両膝を腰幅で曲げて立てる。
- 肘でボックスを押して肩甲骨を寄せ(肩甲骨の内転)体幹を床から上げ、戻る。
Level.6|サイドライイング・プルオーバー(左右各10回×3セット)。
- 右向きで横になり、右肩の真下で右肘の下に畳んだタオルを敷く。
- 右肘を90度曲げ、上体を斜めに起こす。両膝を曲げて揃える。
- 左手を腰に置く。
- タオルを床で滑らせながら、右肘を開いてできるだけ遠くへ伸ばし、タオルを滑らせながら元に戻る。左右を変えて同様に行う。
Level.7|ニーリングロールアウト(10回×3セット)。
- 両膝と両手の下に畳んだタオルを置き、四つん這いに。
- 両手は肩の真下でつき、両膝を後ろに引き、膝から頭まで床と30度ほど傾ける。
- 膝の位置を固定し、タオルを床で滑らせながら、両手をできるだけ遠くへ伸ばして、限界まで来たらタオルを滑らせながら元に戻る。
Level.8|ロールアウト(10回×3セット)。
- 両手の下に畳んだタオルを置き、うつ伏せになる。
- 両手は肩の真下でついて肘を伸ばし、両脚は腰幅でまっすぐ伸ばす。
- 頭から踵まで一直線に保つ。
- 爪先の位置を固定し、タオルを床で滑らせながら、両手をできるだけ遠くへ伸ばし、限界まで来たらタオルを滑らせながら戻る。