
教えてくれた人
菅原順二(すがはら・じゅんじ)/1978年、東京都生まれ。〈ピラティス・スタジオ・アランチャ〉代表を務める。元ラガーマンで現役時代はニュージーランドで活躍。アスリートやダンサーのパーソナルトレーニングも担当する。
目次
まずは自身の“歪み”に気づくことから。
〈ピラティス・スタジオ・アランチャ〉代表で、元アスリートとしてストレングスにも精通する菅原さんいわく、歪んだ姿勢を矯正するために重要なのは“自分自身での気づき”だ。
「当然ですが、猫背になっている時間はピラティスしている時よりはるかに長いです。だから、運動中ではなくデスクワーク中に“今、姿勢が悪い”と気づくべき。そのために、ピラティスを通して背中の筋肉をピンポイントで動かしたり肩甲骨を寄せる感覚を知りましょう」
今回はボールを使った動作を中心に教えてくれた。カラダに合った大きさや硬さに調整するのがポイントだ。
「ボールの力を借りて、動作の意図を考えながら、丁寧に実践しましょう。可動域の広がりを感じられれば、日常生活でも筋肉の動きに気づけるようになります」
行うべきタイミングは首や背中の凝りに気づいた時。回数はあえて決めず、心地よい筋肉の伸展を実感できるまで行う。そんな風に“自分で考える”ことを重視するのが菅原さん流のピラティス。
今回は2種類のボールを使い、悩みに応じたエクササイズを紹介。初心者でも挑戦しやすい。
筋肉が小さい首まわりを動かす「ネックリリース」から、広背筋や腹斜筋などの大きな部位を伸ばす「クレオパトラ」まで、共通して重要なのは自分のカラダと丁寧に向き合うこと。
伸展している部位のほか、支点となる膝や腕、腰などの安定を感じながら動作を行おう。また、筋肉が伸びている時に息を吸い、縮む時に吐くのもポイントだ。
【トラブルA・B】ネックリリース。
膝を曲げて仰向けになり、ミニボールの上に頭を乗せる。両脇を握りこぶし1個分を目安に開いてリラックスする。ミニボールのサイズは頭を乗せても首が圧迫されない程度が目安。適度に空気を抜いてもOK。
前後に動かす。
うなずくように顔を縦に数回ずつ動かす。
左右に動かす。
うなずくように顔を横に数回ずつ動かす。
ぐるりと回す。
鼻で円を描くように顔を回し、反対方向にも回す。同じ動作を何度か繰り返し、首の後ろの緩みが感じられたら完了。
【トラブルC】ラットストレッチ。
【トラブルD】ソラシックツイスト。
【トラブルD】クレオパトラ。
【トラブルE】レッグプル。
【トラブルF】アームサークル。
バランスボールの上に仰向けになり、両腕をまっすぐ伸ばす。このとき、上体を反りながら胸郭を開くのがコツ。次に両腕をゆっくり何周か回し、反対回しも行う。