背中・肩に効くピラティスで姿勢の悪さを改善。

日々のデスクワークで凝りがちな首と背中。ピラティスによって縮こまった筋肉を伸ばし、歪んだ姿勢を矯正するためには? ボールを用いたエクササイズを通してガチガチのコリを解消し、誰もが認める美しい姿勢をゲット!

取材・文/山梨幸輝 撮影/内田紘倫 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 監修/菅原順二

初出『Tarzan』No.890・2024年10月24日発売

お悩みピラティス 首
教えてくれた人

菅原順二(すがはら・じゅんじ)/1978年、東京都生まれ。〈ピラティス・スタジオ・アランチャ〉代表を務める。元ラガーマンで現役時代はニュージーランドで活躍。アスリートやダンサーのパーソナルトレーニングも担当する。

まずは自身の“歪み”に気づくことから。

〈ピラティス・スタジオ・アランチャ〉代表で、元アスリートとしてストレングスにも精通する菅原さんいわく、歪んだ姿勢を矯正するために重要なのは“自分自身での気づき”だ。

「当然ですが、猫背になっている時間はピラティスしている時よりはるかに長いです。だから、運動中ではなくデスクワーク中に“今、姿勢が悪い”と気づくべき。そのために、ピラティスを通して背中の筋肉をピンポイントで動かしたり肩甲骨を寄せる感覚を知りましょう」

今回はボールを使った動作を中心に教えてくれた。カラダに合った大きさや硬さに調整するのがポイントだ。

「ボールの力を借りて、動作の意図を考えながら、丁寧に実践しましょう。可動域の広がりを感じられれば、日常生活でも筋肉の動きに気づけるようになります」

行うべきタイミングは首や背中の凝りに気づいた時。回数はあえて決めず、心地よい筋肉の伸展を実感できるまで行う。そんな風に“自分で考える”ことを重視するのが菅原さん流のピラティス。

今回は2種類のボールを使い、悩みに応じたエクササイズを紹介。初心者でも挑戦しやすい。

筋肉が小さい首まわりを動かす「ネックリリース」から、広背筋や腹斜筋などの大きな部位を伸ばす「クレオパトラ」まで、共通して重要なのは自分のカラダと丁寧に向き合うこと。

伸展している部位のほか、支点となる膝や腕、腰などの安定を感じながら動作を行おう。また、筋肉が伸びている時に息を吸い、縮む時に吐くのもポイントだ。

トラブルチェック

【トラブルA・B】ネックリリース。

ネックリリース

膝を曲げて仰向けになり、ミニボールの上に頭を乗せる。両脇を握りこぶし1個分を目安に開いてリラックスする。ミニボールのサイズは頭を乗せても首が圧迫されない程度が目安。適度に空気を抜いてもOK。

前後に動かす。

ネックリリース 前後に動かす

ネックリリース 前後に動かす

うなずくように顔を縦に数回ずつ動かす。

左右に動かす。

ネックリリース 左右に動かす

ネックリリース 左右に動かす

うなずくように顔を横に数回ずつ動かす。

ぐるりと回す。

ネックリリース ぐるりと回す

ネックリリース ぐるりと回す

ネックリリース ぐるりと回す

ネックリリース ぐるりと回す

鼻で円を描くように顔を回し、反対方向にも回す。同じ動作を何度か繰り返し、首の後ろの緩みが感じられたら完了。

【トラブルC】ラットストレッチ。

ラットストレッチ

1.四つん這いになり、脚と手をマット幅に開く。次にミニボールの上に片手を乗せる。

ラットストレッチ

2.上体を下げながらボールを転がすように片手をゆっくり伸ばし、1の姿勢に戻る。この動作を数回繰り返す。腰から脇、腕にかけての筋肉の伸びを感じるのがコツ。次に同じ動作を反対側の腕でも数回行う。

【トラブルD】ソラシックツイスト。

ソラシックツイスト

1.バランスボールをお腹の下に置き、四つん這いになる。脚と手はマット幅に開く。

ソラシックツイスト

2.片手で床を押し、上体を捻りながら反対側の腕を天井に向かって伸ばす。このとき、肩甲骨を引き寄せ、胸を開くのがコツ。視線は伸ばしている方の指先に。同じ動作を反対側も行い、背中や脇腹の伸展を感じるまで繰り返す。

【トラブルD】クレオパトラ。

クレオパトラ

1.バランスボールの横で横座りになる。このとき、骨盤が正面を向くよう意識。次に片手をまっすぐ伸ばし、バランスボールの上に乗せる。

クレオパトラ

2.ボールを転がしながらゆっくり上体を倒し、1の姿勢に戻る。このとき、腕や体側の筋肉の伸びを感じるのがポイント。数回繰り返したら、反対側も同じ動作を1から行う。

【トラブルE】レッグプル。

レッグプル

1.マットに座り、膝を曲げて足をバランスボールの上に乗せる。

レッグプル

2.腕でカラダを支え、体幹を使いながら脚をまっすぐ伸ばす。このとき背中が曲がらないよう意識。脚が十分に伸びたら1の姿勢に戻る。

【トラブルF】アームサークル。

アームサークル

バランスボールの上に仰向けになり、両腕をまっすぐ伸ばす。このとき、上体を反りながら胸郭を開くのがコツ。次に両腕をゆっくり何周か回し、反対回しも行う。

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