教えてくれた人
Yoshinori Ito(いとう・よしのり)/〈Freedom of Pilates〉ディレクター。2005年に渡米。身体機能の改善に興味を持ち、ピラティスインストラクターに。NYのスタジオで指導後、22年に帰国。今年、東京・白金台にスタジオを開設。
まずはカラダの硬さの確認から。
「私が提案するエクササイズは、ピラティスっぽく見えないかもしれません」。
開口一番にそう語るYoshinoriさん。難しいエクササイズをクリアすることがピラティスの目的ではなく、「実際にどれだけ効果を感じられるかに焦点を当てるべき」という考えが基本理念。日常生活や仕事の合間に取り入れやすい、シンプルなエクササイズで、効果を最大限に引き出すことを目指している。
「筋肉の使い方を適切な状態に戻すため、今回は5つのエクササイズをフローで行います。大切なのは呼吸。“吸って伸び、吐いて縮む”を意識してください」
1つ目の足首の動きを行うと、硬くて動かしづらいことに驚くだろう。「股関節の硬さや脚の動かし方の癖が、上記のトラブルに共通する原因」とYoshinori Itoさん。5つのエクササイズをフローで行うことで、全ての悩みが緩和されるという。
エクササイズでは、足首、膝、股関節を順番に動かし、最終的に連動させる。「本来の動きを引き出すのが目的です」。呼吸も意識すべきポイント。カラダを伸ばすときに吸い、縮めるときに吐くリズムを基本にやってみよう。
1日1フローが目安だが、足首を動かすエクササイズのみ別途で1日3回程度行うとさらに効果が上がるという。「足裏感覚を養えるので、ピラティスの準備体操にもおすすめです」。ミニボールがない場合はタオルで代用可能だ。

0.エクササイズのスタートポジション。

床に座り、両手をカラダの後ろにつく。両膝を立てて閉じ、足を腰幅より少し広めに開く。足をかすと膝が開きやすくなるので、エクササイズ中は常に両膝をつけたままの状態をキープする。
1.足首の可動域を広げる。
足を内外に傾ける。

1.息を吸いながら足の小指側を上げ、指を床に下げる。

2.息を吐きながら足の親指側を上げ、指を床に下げる。内外を4〜8回。1で内腿、2で外腿のいずれも付け根あたりにチカラが入ればOK。
足先を開閉する。

1.息を吸いながら、踵を支点にして足先を外側に開く。

2.息を吐きながら、足先を内側に閉じる。開閉を4〜8回。1で外腿、2で内腿のいずれも付け根あたりにチカラが入る感覚が大事。
足を内外に傾けながら開閉する(1+2の動きを合わせる)。

1.2 息を吸いながら足の小指側を上げる。そのまま踵を支点にして足先をスライドさせながら外側に開き、指を床に下げる。

3.4 息を吐きながら足の親指側を上げる。足先を同様にして内側に閉じ、指を床に下げる。

呼吸とタイミングを合わせながら4〜8回繰り返す。股関節まわりに入る刺激を少しでも感じ取れたら効果アリ。
2.膝を左右交互に倒す。

1.床に座り、両手をカラダの後ろにつく。両膝を曲げて外側に開き、床に近づける。息を吸いながら、片側の膝をパタンと倒して両膝を重ね、背骨を伸ばす。腰まわりの伸びを感じて。

2.息を吐きながら、膝を戻して床に押し付けるようにして開き、背骨を軽く丸める。

3.1と反対側の膝も同様にして倒す。呼吸とタイミングを合わせながら、左右交互に4〜8回。
3.股関節をねじる。

1.床に座り、片方の膝を曲げて床につけ、逆側の脚を横に伸ばす。曲げた膝を挟むようにして両手を床につく。

2.息を吸いながら、カラダの前にある手を曲げた膝の先へ移動する。手の方向にカラダの向きを変え、お尻を床から持ち上げ、伸ばした脚を内側にねじる。

3.さらにねじりを強めて腰骨を床につけ、振り返って視線を後ろに向ける。伸ばした脚の股関節の付け根を気持ちよく伸ばそう。息を吐きながら、ゆっくりと2→1の順に戻り、逆側も。左右各4〜8回。一連の動作は流れるように!
4.脚でボールをつぶす。

1.床に座り、両脚を伸ばして爪先を立て、両手をカラダの後ろにつく。片方の太腿の付け根(坐骨の近く)と床の間にミニボールを挟み、膝を軽く曲げる。

2.息を吸いながら脚でボールをつぶし、背骨を伸ばす。息を吐きながら脚のチカラを緩め、背骨を丸める。左右各4〜8回。ミニボールは、つぶしやすい空気圧に調整を。
5.ボールをつぶしながらスクワットする。
●足首

1.足首と足首の間にミニボールを挟む。できるだけ両足を揃えて立つ。

2.息を吐き、両膝を軽く曲げながら足首でボールをつぶす。息を吸いながら、なるべくボールをつぶしたまま両膝を伸ばして戻る。4〜8回。呼吸は他と逆になるので注意。
●ふくらはぎ

1.ふくらはぎとふくらはぎの間(膝下近く)にミニボールを挟む。両足を揃え、両膝を軽く曲げる。

2.息を吸いながら両膝を伸ばし、脛を引き上げるイメージを持ちながら、ふくらはぎでボールをつぶす。息を吐きながら、なるべくボールをつぶしたまま両膝を軽く曲げて戻る。4〜8回。
●内腿

1.内腿と内腿の間(付け根近く)にミニボールを挟む。両足を揃え、両膝を軽く曲げる。

2.息を吸いながら両膝を伸ばし、内腿を内側に締めるようにして、ボールを太腿の後ろに押し出しながらつぶす。息を吐きながら、なるべくボールをつぶしたまま両膝を軽く曲げて戻る。4〜8回。