その生活習慣が原因だった!たるみ&むくみのNG行動6選。

せっかく気になる部位をエクササイズで解消しても、カラダを緩ませる習慣がそのままなら元の木阿弥。意識できることから、日常生活をアップデートしよう。

取材・文/井上健二 イラストレーション/Yo Ueda 監修/滝澤幸一(ソル・エ・マーレ鍼灸治療院院長)、中野ジェームズ修一(スポーツモチベーション)、村木宏衣(エイジングデザイナー)

初出『Tarzan』No.885・2024年8月1日発売

生活習慣 たるみ むくみ NG行動
教えてくれた人1

滝澤幸一(筋膜治療家)/ソル・エ・マーレ鍼灸治療院院長。鍼灸師。筋膜治療のパイオニアとして、これまで13年以上にわたり延べ2万人以上の治療実績を誇る。日本オリンピック委員会強化スタッフも歴任。

教えてくれた人2

村木宏衣(エイジングデザイナー)/エステティシャン、メデイカルエステティシャンとして30年以上のキャリアを誇る。長年の経験でオリジナルの美容メソッドを確立。その技能は美容誌などで「美のスペシャリスト」と高く評価される。

教えてくれた人3

中野ジェームズ修一(フィジカルトレーナー)/スポーツモチベーション最高技術責任者。PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー、アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士。アスリートの信頼も厚いトップトレーナー。

1.同じ姿勢をずっと続けている。

生活習慣 たるみ むくみ NG行動

日中パソコン作業などに没頭していると、ついつい猫背の姿勢で坐っている時間が長くなる。それは筋肉や筋膜の衰えにつながり、むくみもたるみも生じやすい。

「筋肉は姿勢を保つためだけではなく、むしろ活発に動き回るために備わっています。同じ姿勢を続けていると筋肉の機能が落ち、まわりの筋膜も癒着し、むくみ&たるみの引き金となるのです」(滝澤幸一さん)

猫背をきちんと矯正し、胸を張ったいわゆるいい姿勢を取ったとしても、それを続けるのはやはり筋肉にも筋膜にも良くない。

「デスクワーク中も少なくとも30分に一度は椅子から立ち上がり、軽く動いてなるべく同じ姿勢をキープしないようにしてください」(滝澤さん)

2.骨盤、股関節を意識しない。

生活習慣 たるみ むくみ NG行動

下半身と体幹には、重力に対して骨格と動きを支えて安定させる筋肉がある。これが“抗重力筋”。抗重力筋が弱くなると重力に負けてしまい、カラダの重みを支えられなくなり、たるみに直結する。自宅でも取り組めるスクワットなどの筋トレに励み、抗重力筋を強化したい。

より手軽な方法として、坐っているときと立っているときの姿勢に気を付けることも大事。

「坐っているときは腰を丸めて骨盤を後傾させるのではなく、坐骨で坐って骨盤を前傾させる。立っているときは両足に荷重し、膝や股関節を曲げずに伸ばす。こうした工夫で抗重力筋は日常的に刺激できます」(中野ジェームズ修一さん)

3.忙しいとそうめんで食事を済ませる。

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カップ麺やそうめん、ファストフードなどは忙しいときには手軽で重宝するが、塩分が多くタンパク質が少ないのが難点。

しょっぱいものを食べると喉が渇くことからわかるように、塩分過多だと水分摂取が増えてむくむ。

タンパク質が十分摂れないと、むくみ&たるみのダブルパンチでKO必至。血中のアルブミンというタンパク質は血管内に水分を保ち、むくみを防ぐ。筋肉はタンパク質から作られるから、タンパク質が足りないと筋肉が減り、ボディラインが緩み、結局むくみもたるみも抑えられなくなる。

カップ麺1杯で5g近い塩分を含むが、理想の塩分摂取量は1日6g未満。タンパク質は体重1kg当たり1gを目安に増やしたい。

4.スマホ+イヤフォン+マスクが定番。

生活習慣 たるみ むくみ NG行動

移動中、多くの人がスマホ片手にイヤフォンで動画や音楽を視聴している。感染症や花粉症対策のため、マスクをする人も少なくない。マスクを着けるメリットは当然あるが、イヤフォンやマスクを着け続けるデメリットもある。

「どちらも耳にストレスがずっとかかり続けるため、顔のたるみにつながります」(村木宏衣さん)

耳の周辺にはたくさんの表情筋が走り、顔や首に連絡する血管やリンパ節も集まる。イヤフォンやマスクで耳に負荷がかかりっ放しだと、これらの表情筋が凝り、血液やリンパの流れも滞り、顔はたるみやすくなる。

定期的にイヤフォンやマスクを外して、耳まわりをほぐす習慣をつけよう。

5.駅では必ずエスカレーターに乗る。

生活習慣 たるみ むくみ NG行動

多忙でも暇でも、眠りは犠牲になりやすい。繁忙期は睡眠時間を削りがちだし、暇すぎると動画の一気見やゲームで夜更かしする。

皮膚や筋肉の修復やメンテナンスは、その睡眠中に盛んに行われている。だから、睡眠不足だと皮膚の張力が失われたり、筋肉が弱くなったりするため、たるみ&むくみが加速しやすい。

加えて睡眠の質も重要。お酒に頼って寝たり、寝室の温度・湿度・照明など環境が不適切だったりすると、肝心の深い眠りに入りづらい。

深い眠りの間に成長ホルモンが分泌され、皮膚や筋肉などの新陳代謝をサポートしてくれる。眠りの質が悪いと成長ホルモンのアシストが得られにくくなり、皮膚も筋肉も弱体化が進むのだ。

6.睡眠不足で日中も眠い。

生活習慣 たるみ むくみ NG行動

すでに触れたように、むくみ&たるみを解消するには、筋肉の手助けが不可欠。

一方、運動不足だと筋肉は容赦なく減っていく。必要なのは筋トレだが、前述の姿勢以外にも日常生活の心がけ次第で、弱った筋肉に活を入れてむくみ&たるみをリセットできる。日常生活活動(非運動性熱産生)を増やすのだ。

駅やオフィスでは階段を使う、席が空いていても電車内では立つ、毎日8000歩以上歩く…。日々の小さな積み重ねでも、筋力は維持・向上できる。

加えて日常生活活動中には血液やリンパの流れが良くなり、エネルギー源として体脂肪が使われる。アクティブな毎日で、たるみ&むくみを寄せ付けないカラダになろう。