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タンパク質と、何が同じで、どう違う?ジェーン・スーと〈味の素(株)〉社員が語るアミノ酸のこと。
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無自覚に食べている塩分過多の食事、果物や野菜に含まれるカリウムの不足が、カラダにむくみを引き起こしていることを知っていますか? 運動やセルフケアによってむくみに対処することはもちろん大事。でも、そもそもの根本原因、食事を見直さずして改善は望めない。むくまない栄養学のルールと常識を身につけて、おすすめレシピで即実践!
目次
和食はユネスコ無形文化遺産。でも塩分過多なのが玉にキズ。世界的に見ても日本人は明らかに塩分を摂りすぎだ。1日の推奨塩分量は男性7.5g、女性6.5g未満なのに平均摂取量は軽く10g超え。さもありなん、ザ・和朝食は味噌汁に干物、煮物に佃煮にお新香と塩分だらけ。
欧米の調理が塩を最後に加えて味を調える方式なのに対して日本の調理は味噌醬油で食材を煮込む方式。過剰な塩分を摂るとカラダは塩分濃度を一定に保とうとして細胞と細胞の間や血管にどんどん水を送って薄めようとする。そもそもむくむ素地があるのだ。
国際比較で常にトップの座につくのは日本。WHOが推奨する食塩摂取量は1日5g未満だが、その倍以上の量を日本人は摂取している。
うっかりすると塩分過多になってしまう和食。となれば自炊で意識的に減塩に努めることがむくみ防止の最良の対策になる。
減塩タイプの調味料を利用する手もあるが、煮込み料理などではつい使う量が多くなるので、刺し身醬油など決まった量を使う場面で利用したい。
その他、酸味、旨味、香味野菜、スパイスなどの香辛料を活用して少ない塩分でも満足感を得る工夫を。
塩分過多な日本人に必須のミネラル、それはカリウム。塩に含まれるナトリウムを排出し、細胞内の浸透圧を維持する働きがあるからだ。
基本的に野菜と果物にはそれなりにカリウムが含まれているが、とくに夏野菜はカリウム豊富。旬の野菜にはその季節に必要な栄養素が含まれている。昔から暑い時期には夏野菜からカリウムを補給し、水分調整をしていたと考えられる。
キュウリやナス、スイカなどは積極的に口にしたい。その他、里芋、ジャガイモ、サツマイモなどの芋類も効率のいいカリウムの補給源だ。
糖質単体食は厳禁だ。理由は糖質をいきなり口にすることで血糖値が急上昇し、膵臓からインスリンが急激に、しかも大量に分泌されるリスクが高まるから。
インスリンは腎臓に送られてきたナトリウムを再び吸収して体内に送り返してしまう。本来なら排出されるはずのナトリウムが逆戻りすることで血液中のナトリウム濃度が上昇し、水分が引き込まれてむくみが起こるというわけ。
そうめんやうどんなどを食べる際には工夫が必要。下の表に示した食物繊維が豊富な食材とともに食べれば糖質の吸収も緩やかになるはず。
水に溶ける水溶性食物繊維、水に溶けない不溶性食物繊維。とくに血糖値の上昇を抑えてくれるのは水溶性。そうめんには海藻などをトッピングするのが◎。
むくむのがイヤだから水分は極力摂りません。あるいは、夏場に汗をかくのがイヤだから水分は控えてます。という人(とくに女性)、結構少なくない。
でもこれ、逆効果。特に、夏場にはこまめに水分補給をしないとすぐに脱水症状に陥りやすい。
血流がしっかり流れて代謝が上がった状態なら尿もきちんと出るのでむくまない。ところが水分不足で血流が滞ると余分な水分が排出されずにむくんでしまう。そんな逆転現象が起こるのだ。恐れず水はこまめに飲もう。
鯨飲した翌朝、まぶたが開かないほどめっちゃ顔がむくんじゃった。これは体内のアルコール濃度が高くなって血管が拡張し、静脈やリンパによる水分排出が間に合わないままベッドに倒れ込み、水分が顔に集中したため。
単純に飲んだお酒の量が多かったこと、さらにアルコール分解に必要な水分が足りなかったことが原因。
翌朝むくみたくなかったら、チェイサーとともに飲むことが基本。日本酒なら1杯飲むごとに水をひと口、ウィスキーはハイボール、焼酎だったらチューハイと、割りものを選択すべし。
主食とともにいただきたいさっぱりおかず。ワカメには水溶性のアルギン酸と不溶性セルロース、両方の食物繊維が含まれているのでインスリン上昇を防げる。さらに香味だれが減塩を感じさせない、いい仕事をしてます。
パプリカ、ナスなどの夏野菜に含まれるカリウムで過剰なナトリウムをカラダから排出。ごはんは血糖値が上がりにくい押し麦入り。使っている食塩はわずか1.4gだがカレー粉マジックで物足りなさ皆無。
カリウム豊富なサツマイモは近年のブームによりコンビニやスーパーで一年中手に入る食材に。糖質代謝を底上げするビタミンB1の代表食材である豚肉でサツマイモを巻いたら、無敵おかずになりました。
もう1品、副菜が欲しいというとき。または、お酒のアテに。むくみ防止のちょこっと小鉢を作ってみよう。
むくまない副菜の切り干し大根は食物繊維の宝庫なので、ごはんのお供にうってつけ。
メカブの一品の狙いは食物繊維補給、さらにゴマ油の風味による減塩効果も。おつまみとしてもおすすめだ。
取材・文/石飛カノ 撮影/谷尚樹 イラストレーション/mrsn 取材協力/赤石定典(東京慈恵会医科大学附属病院栄養部管理栄養士) 料理製作・スタイリング・栄養監修/牛尾理恵 編集/阿部優子
初出『Tarzan』No.885・2024年8月1日発売