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【たるみに効くレシピつき】たるまないための5つの食事ルール

コラーゲンのお供はビタミンCを含むパプリカやブロッコリーなど。

毎日の食事でコラーゲン不足やカルシウム不足に陥ると、たるみが引き起こされることを知っていますか? 運動やセルフケアによってたるみに対処することはもちろん大事。でも、そもそもの根本原因、食事を見直さずして改善は望めない。たるまない栄養学ルールと常識を身につけてスマートに行きましょう。おすすめレシピで即実践!

コラーゲンとビタミンCを確保せよ

コラーゲンとビタミンCを確保せよ。

コラーゲンのお供はビタミンCを含むパプリカやブロッコリーなど。

肌の張りツヤを支えているのがタンパク質の一種であるコラーゲン。ところが哀しいかな、このコラーゲンは年齢とともに劣化し、ゆえにお肌はたるんでいく。ならば、食事から補充すればいいじゃんと、美意識の高い女性たちは昔から豚足や鶏手羽を積極的に食べていた。

一時期、コラーゲンは結局アミノ酸に分解されるから、体内でコラーゲン効果は期待できないといわれていたが、近年の研究ではアミノ酸の一歩手前のペプチドという形で吸収され、しっかり皮膚に届くことが判明。

じゃあ、たるみたくない男性たちも女性たちに倣い、コラーゲン豊富な食材をどんどんいただこう。その際は必ず、コラーゲン合成に欠かせないビタミンCとともに

コラーゲンを多く含む食材

コラーゲンを多く含む食材

コラーゲンは肉や魚などの動物性食品に豊富に含まれる。表以外では鶏の手羽やフカヒレなども狙い目。

栄養学雑誌 Vol.70 No.2(2012)より抜粋

カルシウム補給で骨密度の低下を防ぐ

カルシウム補給で骨密度の低下を防ぐ。

最も効率的にカルシウム補給ができるのは乳製品。牛乳がダメな人はヨーグルトやチーズの活用を。

顔のたるみの原因のひとつは意外なことにカルシウム不足顔は全身の中でもとくに骨密度が高い場所。あちこちにある細かい骨によって皮膚が支えられているのだ。

加齢によって骨密度が減少すると支えを失った皮膚が下垂してたるむという仕組み。骨密度が激減する更年期以降の女性はとくに要注意だが、男性も加齢によって骨密度は確実に低下するので人ごとではない。

骨の材料の大体の割合はカルシウム7割、コラーゲン3割。コラーゲンだけでなくカルシウム補給も忘れずに。カルシウムの吸収を促すきのこ類や青魚に多いビタミンD、骨の形成を促す青菜などに多いビタミンK、骨からのカルシウム流出を防ぐ大豆などを共に摂れば完璧。

カルシウムが多く摂れる食材

カルシウムが多く摂れる食材

成人男性の1日のカルシウム推奨量は700〜800mg。さまざまな食品を組み合わせてカバーしたい。

農林水産省ホームページより

果物と野菜の力で肌老化にブレーキ

果物と野菜の力で肌老化にブレーキ。

果物はリンゴ、バナナ、キウイ、野菜はトマト、ニンジン、赤ピーマンなどがおすすめ。

紫外線や喫煙、ストレスなどによる過剰な活性酸素がシミ、シワ、たるみなど、あらゆる肌老化の原因になることはすでに知られている話。加齢によって体内の抗酸化システムは衰えていくから、放っておけばたるみに拍車がかかる。

食事でできる対策のひとつは、強力な抗酸化作用があるポリフェノールを含む果物を朝、野菜を昼に食べること。水溶性のポリフェノールは吸収約3時間後には排出されてしまうので、日中の酸化を防ぐために朝と昼は果物と野菜を味方に。

張りのある筋肉のため糖質は抜かない

カラダのたるみを引き締める最良の方法はやっぱり筋トレ。張りのある筋肉があれば重力に従おうとする皮膚を引っ張り上げてくれるに違いない。

そのためには筋肉の材料になるタンパク質をしっかり摂取しなくては。確かに正解。でも一方で、カラダを絞るために過度に糖質を制限するのは不正解

というのは、筋肉の張りは水分によって保たれているから。その水分を保持しているのは筋肉内の糖質。糖質は1gにつき3gの水を引き込む性質を持っている。

過度な糖質制限で筋肉中の糖質が不足すると、水分が保てずカサカサシワシワ、たるみ防止どころかかえって逆効果になってしまうのだ。タンパク質と主食は必ずセットでいただこう。

ビタミンB1と薬味で糖化の害を断ち切る

麺類単体食 糖化 原因

そうめんや素うどんなど喉越しのいい麺類単体食は糖化を引き起こす原因に。

活性酸素がもたらす酸化とともに、老化の原因とされているのが糖化ストレス。体内で余分な糖がタンパク質とくっついて作られるAGEsという物質がシミ、シワ、たるみなどを引き起こすと考えられている。

張りのある筋肉のために糖質は必要不可欠だが、そうめんや素うどんばっかりちゅるちゅる啜る食生活はNGだ。もし、食後に運動をしないとなると余った糖質がどんどんAGEsを作り出してしまう

そこで糖質代謝を促すビタミンB1が豊富な主菜を一緒に口にしたい。代表格は豚肉だ。さらにビタミンB1の吸収を高めるアリシンという成分を含む、ネギ、ニンニク、タマネギなどの薬味を加える。つけ汁に炒めた豚挽き肉を投入しネギを散らせば申し分なし。

フルスルチアミン服用時のヒト血中ビタミンB1濃度

フルスルチアミン服用時のヒト血中ビタミンB1濃度

ネギやニンニクに含まれるアリシンという成分がビタミンB1と結びつくとアリチアミンという物質になり、体内に吸収されやすくなる。このアリチアミンから開発されたのがフルスルチアミンというビタミンB1誘導体。通常のビタミンB1より明らかに吸収率が高い。

出典/糸川ら、ビタミン66(1). 35-42. 1992

ランチでディナーでこのひと皿を実践!

鶏手羽中とパプリカのガーリックビネガー炒め

鶏手羽中とパプリカのガーリックビネガー炒め レシピ

主役はコラーゲン豊富な鶏手羽中のスペアリブ。火の通りも早く、骨からの身離れもよく食べやすい。お供は最強のビタミンC食材、パプリカ。ビタミンCが破壊されるのは約300度。調理加熱では壊れないのでご安心を

材料(2人分)
  • 鶏手羽中(スペアリブ)…10本
  • 赤パプリカ…1/2個
  • エリンギ…1本
  • [A]
    • ニンニクすりおろし…1/2片分
    • 醬油…大さじ1
    • みりん…大さじ1
    • 酢…大さじ1/2
作り方
  1. 鶏肉は塩(分量外・少々)を振る。
  2. 赤パプリカは半分に切って種とヘタを取り除き、食べやすい大きさの乱切りにする。エリンギは食べやすい大きさの薄切りにする。
  3. フライパンを中火で熱し、[1]を焼く。皮目から焼き始め、少しずつ転がしながら全体を7分ほどかけて焼く。
  4. [2]を加えて炒める。1分ほど炒め合わせたら[A]を加えて煮絡める。

厚揚げの鮭ネギ味噌挟み焼き

厚揚げの鮭ネギ味噌挟み焼き レシピ

意外なようだが大豆製品の厚揚げにはカルシウムがたっぷり含まれている。厚揚げにサンドされた鮭はそのカルシウム吸収を促すビタミンDの宝庫。ベストマッチだ。鮭缶を利用すれば調理もカンタン。

材料(2人分)
  • 厚揚げ…2枚
  • 鮭水煮缶…1缶
  • 小ネギ小口切り…10g
  • 味噌…小さじ1
作り方
  1. 厚揚げは横半分に切り込みを入れる。
  2. 鮭缶は汁気を切り、味噌、小ネギを加えて混ぜ合わせる。
  3. [1]に[2]を詰める。
  4. トースターで焼き、食べやすく切って器に盛り付ける。

ツナとモッツァレラチーズのパスタ

ツナとモッツァレラチーズのパスタ レシピ

糖質源のショートパスタは吸収が緩やかな全粒粉タイプをチョイス。タンパク質源はモッツァレラチーズとツナ。嚙み応え十分なのでサラダ風のこのひと皿で大満足。チーズからはカルシウムも補給できる。

材料(2人分)
  • 全粒粉ショートパスタ(ペンネ)…160g
  • モッツァレラチーズ…1個(100g)
  • ニンニク…1片
  • ズッキーニ…1/2本
  • ミニトマト…6個
  • ツナ水煮缶…1缶
  • オリーブ油…小さじ1
  • 塩…少々
  • コショウ…少々
  • バジル…好みで6枚
作り方
  1. 鍋に湯(1.5L)を沸かし、塩(分量外・小さじ2)、半分に切ったニンニクを入れてパスタを茹でる。茹で時間の残り1分ほどになったら1.5cm厚さに切ったズッキーニを加える。
  2. [1]の水気を切り、再び鍋に戻す。
  3. ツナ水煮缶(汁ごと)、横半分に切ったミニトマト、ちぎったモッツァレラチーズ、オリーブ油を加えて混ぜ、塩、コショウで味付けする。
  4. 器に盛り、好みでバジルを散らす。

プラスのひと皿

もう1品、副菜が欲しいというとき。または、お酒のアテに。たるみ防止のちょこっと小鉢を作ってみよう。

しらすもずく酢

しらすもずく酢 レシピ

たるまない副菜の1品目はカルシウム源のしらす骨からのカルシウム流出を防ぐ大豆の組み合わせ。

材料(2人分)
  • 味付きもずく酢…2パック(1パック70g)
  • 絹ごし豆腐…200g
  • 釜揚げしらす…20g
  • 白ゴマ…小さじ1
作り方
  • 豆腐は水気を切り、食べやすく崩す。
  • [1]、しらす、もずく酢を混ぜ、器に盛り、白ゴマを振る。

ホウレンソウのカッテージチーズ和え

ホウレンソウのカッテージチーズ和え レシピ

もう1品は骨を作るビタミンKが含まれたホウレンソウ低脂肪高タンパク、そしてカルシウムが豊富なカッテージチーズの和え物。

材料(2人分)
  • ホウレンソウ…200g
  • カッテージチーズ…50g
  • 焼き海苔…1/2枚
  • 醬油…小さじ1と1/2
  • ゴマ油…小さじ1
作り方
  1. ホウレンソウは熱湯で茹で、冷水に取って冷ましてから、水気を絞り、ざく切りにする。
  2. [1]にカッテージチーズ、ちぎった焼き海苔を加え、醬油、ゴマ油で和える。

取材・文/石飛カノ 撮影/谷尚樹 イラストレーション/mrsn 取材協力/赤石定典(東京慈恵会医科大学附属病院栄養部管理栄養士) 料理製作・スタイリング・栄養監修/牛尾理恵 編集/阿部優子

初出『Tarzan』No.885・2024年8月1日発売

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