- 整える
タンパク質と、何が同じで、どう違う?ジェーン・スーと〈味の素(株)〉社員が語るアミノ酸のこと。
PR
カラダから発する臭いの正体を知らぬは、百害あって一利なし! 強烈な臭いは、心や健康を蝕むシグナルかも…。その種類と原因、そして対策を、ここではっきり理解しておこう。今回は男女問わず全世代が発する多種多様の複合臭、ストレス臭について解説。
桐村里紗先生
きりむら・りさ 内科医・認定産業医。生活習慣病から終末期医療まで幅広く診療経験を積み、予防医療の観点から臭いにも着目。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(光文社新書)など。
男女問わず全世代が発する多種多様の複合臭。
「人はストレスを感じると、ネギのようにツンとした硫黄化学物系のSTチオジメタンを皮膚表面から放出します」
さらに悪臭をブーストする。
「肝機能が弱まると汗にアンモニアが混ざりやすくなり、自律神経が乱れると、汗臭や足臭も増します。さらに酸化ストレスによるミドル脂臭や加齢臭もキツくなります」
文字通り、心身へのストレスが全ての始まり。
「慢性的な疲労、人間関係による不安、食生活や生活習慣の乱れなど、きっかけはさまざま。交感神経が過剰になると起こる急性のストレス反応です。目に見えない皮膚ガスが全身から放出されます」
長期的なストレスだけでなく、激しい運動やプレゼンなどの短期的な疲労やストレスでも、瞬時に引き起こされる。
「対策はシンプル。交感神経モードを抑制することです」
すぐできることとしては深呼吸。あとは笑ったり、よく寝たり。自律神経を整え、副交感神経を優位にできれば、自然と臭いは緩和されていく。
「全ての体臭の中で、最も即効性が期待できます」
ストレスがかかると、脈が上がり、呼吸が浅く速いペースになるため、できるだけゆっくり深呼吸すること。あとはリラクセーション。お風呂に浸かったり、すやすや寝たり、思いっきり笑う。そうやって副交感神経を優位にすると、臭いだけでなくストレスも緩和。
編集・取材・文/宮田恵一郎 イラストレーション/しりあがり寿 監修・取材協力/桐村里紗(医学博士)
初出『Tarzan』No.881・2024年6月6日発売