閉経後の女性も気をつけて! 加齢臭の原因と対策
カラダから発する臭いの正体を知らぬは、百害あって一利なし! 強烈な臭いは、心や健康を蝕むシグナルかも…。その種類と原因、そして対策を、ここではっきり理解しておこう。今回は50代過ぎてから発する、ひなびた臭い、加齢臭について解説。
編集・取材・文/宮田恵一郎 イラストレーション/しりあがり寿 監修・取材協力/桐村里紗(医学博士)
初出『Tarzan』No.881・2024年6月6日発売
桐村里紗先生
教えてくれた人
きりむら・りさ 内科医・認定産業医。生活習慣病から終末期医療まで幅広く診療経験を積み、予防医療の観点から臭いにも着目。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(光文社新書)など。
古本や枯れ草のようにひなびた臭い、加齢臭
ご存じ、50代過ぎてから発する、ひなびた臭い。
「加齢臭を“嫌いじゃない”という人も多く、香りに奥行きが出ると好感を得られることも。必ずしも悪いものとして扱うことはありません」
胸や背中の体幹部から主に臭うのだが、詳しい理由はわかっていない。また60〜70代になると、肝臓代謝の悪化も重なり、きついアンモニア臭の老人臭に変化していく。
加齢臭の原因
いちばんの原因は老化。加えて、食生活やストレス、生活習慣の乱れも影響。
「複合的な理由から活性酸素の発生が増えると、皮脂の酸化が進み、加齢臭をカラダから漂わせます」
学術的には、アルデヒドの一種であるノネナールという臭い分子。男性特有の臭いと思われがちだが、閉経し、男性ホルモンが優位になった女性からも香ることがある。
加齢臭の対策
皮脂の過剰分泌を抑える点では、ミドル脂臭と同様の対策(詳しくはこちらの記事:30代〜40代男性特有の臭い!? 後頭部から発するミドル脂臭の原因と対策)も一定の改善が望めるが、加えて取り組むべきは腸活。
「腸内環境の悪化はカラダの酸化の原因となるため、まず腸内フローラを豊かにし、抗酸化作用が期待できる食生活を心がけてください」
食生活で腸を若返らせる
腸を若々しく機能させるには、発酵食品と腸内細菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を組み合わせて、腸内フローラを豊かにする食生活が欠かせない。あとストレスを溜めないことも。抗酸化成分として知られるビタミンEやカロテノイドも積極的に摂りたい。