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3大頭痛で発症者人数ナンバーワン。「緊張型頭痛」の特徴と対策

緊張型頭痛

頭がズキズキすることだけが頭痛と定義づけているなら大間違い。「頭がスッキリしない」のも、実は頭痛かも。日本人の3人に1人は頭痛持ちといわれるほど身近で、国民病ともいえるのに、なぜか「たかが」と軽視されがちだ。今回は、3大頭痛と呼ばれる、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛のうち、緊張型頭痛の原因やメカニズム、改善法まで徹底解説!

医師 丹羽 潔先生 にわ・きよし 東京頭痛クリニック理事長

丹羽潔先生

教えてくれた人

にわ・きよし 〈東京頭痛クリニック〉理事長、頭痛外来のある〈にわファミリークリニック〉院長。日本頭痛学会専門医、日本神経学会専門医、日本脳卒中学会専門医など。指導医として後進も育成。著書は『最新 頭痛の治し方大全』。

発症者人数ナンバーワン!

3大頭痛といわれる症状の中でも最も多いタイプの頭痛。日本には3000万人がいるとされる。

一般的には“肩こりが原因で、後頭部が重くなるのが特徴”と定義されますが、緊張型頭痛の99%は、実は首の凝りが原因です

現在、首こりを誘発する最大の要因はスマホ。いわゆるスマホ首と称されるストレートネックが、緊張型頭痛を引き起こすリスクを格段に上げる。

「さらに猫背や脚を組むなど、いわゆる“良くない姿勢”は、すべて緊張型頭痛の原因に

緊張型頭痛を引き起こす顔まわりの要素

緊張型頭痛 緊張型頭痛を引き起こす顔まわりの要素

マスクや眼鏡などで側頭筋が凝り、眼精疲労の影響で眼輪筋も凝る。下図のように頭部の骨を包む筋肉は連動し、それらの凝りが首へと繫がってしまう。また、身体的ストレスだけでなく、精神的ストレスで首や肩に力が入った場合も、筋肉や神経に過度に緊張がかかり凝りを誘発する。

「首や側頭部の筋肉が収縮すると、血管が圧迫されて血流が滞り、痛み物質や疲労物質が発生。結果、緊張型頭痛を引き起こします」

なりやすい人
  • 猫背
  • ストレスが多い
  • なで肩、柳腰
主たるメカニズム

筋肉の凝りで血流が悪化→血管が収縮→痛み成分(プロスタグランジンなど)の産生が増加→頭痛

チェックリスト
  • 頭全体が重く圧迫感がある
  • 1週間ほど痛みが続くこともあるがそのうち消える
  • じっとしているより動くとラクになる
  • 風呂や飲酒でラクになることが多い
  • 仕事はできる範囲の痛さ
  • 姿勢が悪いと言われる
  • 休日はだらだらする
  • パソコン仕事が大半だドラマや動画をよく見る
  • 吐き気などが併発することはない

起きてしまったら…

緊張型頭痛

後頭部を中心に、側頭部や首にかけて締め付けられる感覚の痛みが起こる。孫悟空の頭の輪のようなイメージだ。血流の鬱滞が痛みの元となっているので、カラダを動かすと少し楽になるのが特徴

首や肩を温めて筋肉の緊張をほぐすのが、速効性の高い解消法です。また軽く運動したり、入浴などでも痛みは軽減します」

一番の頭痛予防策として普段から心がけたいのは、猫背にならない、脚を組まない、肘をつかないなど、正しい姿勢を保つこと

「日中、こまめに下記のようなストレッチやマッサージを行い、凝りを溜めないようにしておくのも有効です。趣味の活動など、心理的ストレス解消も心がけて。また、首に負担をかけないよう、枕を見直すと効果があることも」

そのほか、運動不足、慢性的な睡眠不足、低血圧や血行不良、貧血気味なども頭痛の原因とされる。

「市販の鎮痛薬でも痛みを軽減することはできますが、生活習慣を見直せば、ガラッと快方に向かう人がほとんどです

凝りをほぐす適度な運動やツボ押しも有効。

ツボ押し

緊張型頭痛 対策 ツボ押し

凝りやすい筋肉が集まる顔面や頭部には、頭痛をやわらげるツボが集中。眼精疲労には「攢竹」「陽白」。めまいがあるなら「絲竹空」「懸釐」を。「百会」は「風池」とともに自律神経の乱れを整える。肩こりからくる頭痛には「瘂門」や「肩井」を刺激して。指先で数秒、1か所2~3回を目安に、痛すぎない程度の強さで押す

ストレッチ

パソコンやスマホによる姿勢の悪さを改善するには、背中を覆う大きな筋肉・僧帽筋をほぐすべし。頭痛を生まないカラダづくりのためには、筋肉は鍛えるのではなく、緩めることが何より大事

「猫背がひどい人は肩甲骨を寄せる動きがしにくいものですが、日々ストレッチを続ければ、肩こりが解消し、呼吸が深く入るようになります

僧帽筋中部、下部を緩める

緊張型頭痛 対策 ストレッチ

腕を後方に下げ、深呼吸しながら肩甲骨を寄せる。そのまま手を組んで下に引っ張る。10回程度。

僧帽筋上部を緩める

緊張型頭痛 対策 ストレッチ

肘を曲げてそのまま肩を開くように肩甲骨を寄せる。10回程度。

緊張型頭痛 対策 ストレッチ

壁に手をついて、肘は肩と同じか少し高い位置に。そのまま自重で肩を肘より壁側に寄せる。10回程度。

取材・文/板倉みきこ 撮影/内田紘倫 イラストレーション/うえむらのぶこ 監修・取材協力/丹羽 潔 取材協力/頭痛ーる(提供元/ベルシステム24)

初出『Tarzan』No.879・2024年5月9日発売

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