年々痩せにくくなる人へ。“巡りのいいカラダ”の作り方(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)
「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回は「“巡りのいいカラダ”の作り方」について。
漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。
目次
万年ダイエットに今年で終止符を!
2024年が始まりましたね。新たな気持ち、そして楽しい年末年始からお正月にかけてのちょっと怠惰な日々の反省とで、ダイエットが気になっている人も多いはず。
若くエネルギッシュなカラダであれば一時的な変動はすぐに元に戻せます。が、じわりじわりと増えた大人の体重や体型の変化は、新年の意気込みだけで元に戻すのは難しいものです。
「運動や食事にも気を付けているのに」と心当たりのあるまま万年ダイエットを続けているなら、視点を変えることが重要です。漢方でいうところの“巡りのよいカラダ”の作り方を実践してみましょう。
カロリー計算だけじゃない! 大人ダイエットの秘訣は使わない部分を動かすこと
カロリー消費にばかり意識が向いていると、大人のダイエットは成功しづらいです。筋肉量や代謝の力は、若いころのそれとは違います。単純に摂取カロリーより消費カロリーを多くすればいい、という認識だけではかなり遠回りなダイエットになってしまいます。
食品に表示されているカロリーも目安にはなりますが、カロリー計算自体あやふやな部分があります。消化にかかるカロリー、栄養として燃焼するカロリー、食べているものは同じでも、20年前と今とでは摂取したときのカラダの反応が変わっています。
若いときは疲れなかったし、今に比べてよく動けました。そう、動けていたのです。ところが加齢に伴って、動けていない部分が増えています。意識的に動かせる部分と、内蔵など意思の届かない部分、どちらについても同じことが言えます。
運動編:使えていない部分を動かす&硬い筋肉をほぐす
前述のとおり、大人ダイエットで大事にしたいのは使えていない部分を動かすことです。使えていない部分が動くことで、カラダが本来備えている自然な代謝をよみがえらせます。
運動なら、同じ姿勢で負荷をかけ続けるよりも、むしろ使うことのない筋肉に刺激を与えてあげることを意識してみてください。
必要以上に疲れる運動をして、カロリーを消費する必要はありません。使っていなかった筋肉に「あなたにはまだ働いてもらいますよ」という気持ちでカラダを動かします。
また一部の筋肉にばかり負担がかかっていたら、よくマッサージをすることも大事です。硬い筋肉はあるべきカラダの流れを妨げる障害になります。
瘀血と呼ばれる血の巡りの滞りや、慢性的な疲労を起こしやすくなります。いい巡りがもたらすダイエット効果に逆行していますよね。巡りがよく太りにくいカラダはしなやかで柔軟性が高いです。運動はしてるけどガチガチに硬いという方、ここは大事な改善点です。
食事編:消化器官を活性化させて、巡りのいいカラダを手に入れよう
食事はどうでしょうか。
こちらも消化器官を上手に動かすことを意識します。ダイエットがうまくいかないカラダのほとんどの消化器官は、働きすぎのために不活発です。
食べる量に消化のキャパシティが追い付いていません。自分を観察してみましょう。空腹を感じるタイミングは、お腹が空っぽになった時か、それとも満腹から少し余白が空いた時か、どちらでしょう。
後者だとキャパオーバーの悪循環タイプです。理想的には一食ずつ、胃での消化を済ませてから次の食事がとれるといいです。これだけで、使えていなかった消化器官の力が復活します。
消化器官は口から肛門まで長く、様々な機能を持っています。免疫や代謝、神経に至るまで消化器官が関係しています。胃を一度空っぽにすること、さらに腸活までできると、自身のカラダの能力をかなり発揮しやすくなるでしょう。
よく噛むとか、夕食を一食抜くとか、こうした健康方法も消化器官を助けることに繋がっていますよね。
“巡りのいいカラダ”は老けない! 新年のダイエットで体型にポジティブな変化を
漢方でよく言われる巡りのいいカラダ、イメージしていただけたでしょうか。
いつも同じところだけ、しかも部分的にしか使っていないカラダは太ります。そして老けます。代謝も悪く、疲れます。
いい巡りのカラダはこうしたことを解決して、体重だけでなく体型にいい変化をもたらします。新年、新たな気持ちで取り組む“巡りのいいカラダ作り”、ぜひ参考にされてみてください。