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「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回は「現代人の危ない習慣」について。
漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。漢方の魅力を現代に合わせて発信しています。
体重を落としたい、PMSを無くしたい、便通を改善したい、血液検査の数値を良くしたいなどなど、漢方相談には様々なお悩みが寄せられます。漢方薬を飲み始めた途端にみるみるカラダが良くなっていく方もあれば、そうでない方もいます。
この差は一体どこにあるのでしょうか。
漢方とは方術つまり「やり方」であり、漢方薬はそのひとつに過ぎません。自分が持つ回復力を発揮するには漢方薬を飲むだけでなく、毎日の過ごし方も関係してきます。
その毎日の過ごし方に、カラダの変わらない人の共通の習慣があります。何気ない、意外な習慣があなたの邪魔をしているかもしれません。睡眠や食事の質は言わずもがな、体質改善を邪魔する「意外」な悪しき習慣を挙げてみます。
体質改善を邪魔する意外な習慣第3位は運動不足です。これはカラダに多少負荷をかける運動を指します。息が上がるとか、翌日筋肉痛になるとか、清々しい程度に疲労を感じる運動です。
やってる人はやってます。が、歩く、長時間立つというものではなく、日常生活では使わない筋肉に刺激になることを週1回ほどのペースで行っているか、となると当てはまらない方も多いです。
「〜に通ったけど、お休みすることが多くてやめちゃいました」とよく聞きますが、今とその時とはまた環境も変わっているはず。また月々の支払いの元を取ることが目的ではなく、運動の機会を得ることが目的です。
たまにお休みすることも予め許容して、カラダのためにぜひ運動の習慣を獲得してほしいです。
続いて第2位は入浴しないです。シャワーで済ませるばかりで、湯船に浸かる習慣がない方です。
漢方の用語で瘀血(おけつ)というのがありますが、入浴の習慣のない方は面白いほど瘀血体質です。湯船に浸からないと瘀血になるのか、瘀血になると湯船に浸かるのが嫌になるのか、どっちが先かはわかりませんが、相関があります。
ちなみに瘀血とは血の巡りの滞りを意味します。昔から「烏の行水は実証」と言われます。実証とは体力が充実して赤ら顔、熱をこもらせている体質の方です。暑がりだから長湯はできないというのはイメージ的に想像がつきますが、瘀血と入浴なし習慣はちょっと面白いですね。
血の流れは代謝に大きく関わる部分であり、美容、健康、両面で瘀血体質であることは望ましくありません。
そして堂々の第1位は噛まずに飲み込むです。ひと口30回噛むのが理想と言われていますが、実は意識的にやらないとかなり難しいです。
試しに数えてみてください。口に食べ物を運び、完全に無くなるまでに何回噛んでいるか。噛みながら飲み込んだり、口の中が空になる前に次のひと口をほおばったりしていないでしょうか。
自然と早食いになり、食べてもなかなか満たされた感覚が得られません。さらに咀嚼されなかった食べ物は胃腸での消化に負担をかけます。消化にエネルギーを取られると、疲れやすくなったり回復力の不足したカラダとなってしまいます。
さて、いかがでしたでしょうか。一見関係がなさそうで、実は今のカラダを作っている習慣はたくさんあります。お悩み一発解決の薬なんてそうそうありませんから、コツコツ習慣改善していきましょう。
わかってはいるけど…という方、「20年後も元気でいられるか」を基準にすると、今やるべき、そしてやめるべき習慣が見えてくるのではないでしょうか。
バリバリ働いている姿、趣味に没頭する姿、リタイヤして充実した日々を過ごす姿、人によって描く未来は様々ですが、元気なカラダは今から作っておきましょう。