“何かやらなきゃ”と思って始めたブラジリアン柔術
マーク・ザッカーバーグやイーロン・マスクといったアメリカの有名起業家、岡田准一や玉木宏などの一流俳優をはじめ、感度の高い人たちの間でブームとなりつつあるブラジリアン柔術。
福島さんが始めたきっかけは何だったのだろう。
「柔道が盛んな熊本・天草の出身なので、高校までは柔道をやっていました。だけど上京後どんどん太ってしまって、一番重いときで体重が108kg、体脂肪率は30%以上。そのせいで高血圧症になり、“何かやらなきゃ”と思って始めたのがブラジリアン柔術でした」
福島さんが始めたのは2020年初め。それから3年弱で体重は71kg、体脂肪率は9%にまで落ちたという。何か他のトレーニングも行ったのだろうか?
「ブラジリアン柔術だけです。大会まで週6、毎日1時間半練習したんですが、全身の筋肉がバランスよくつき、ロケで動き回っても全然疲れなくなって。めちゃめちゃ効率のいい競技だと思います」
柔術は脳とカラダに効く最高の運動
ブラジリアン柔術は有酸素運動や筋トレを兼ね、かつ全身の連動性も同時に鍛えられるスポーツだ。
「相手と組み合っているときは気を抜いた瞬間にやられるので、生存本能と向き合う時間。ザッカーバーグは“脳のデトックス”と言っていましたが、仕事や家族のことなど、人間に悩みは尽きない。それを考えないでいられる時間なんです。タップして合図を送れば相手が放してくれるので、ケガをしにくいのもいいですね」
今回福島さんが参加した大会は、来場者3万人のうち出場者がなんと1万人と、他のスポーツにはないスケールの催しだった。
「ラスベガスの会場はとにかく広かった! 全部で46面あって、自分の試合場に移動するのに徒歩30分ぐらいかかるんです(笑)。いまアメリカでは競技人口が300万人もいる。女性比率も日本ではまだ10%ぐらいですけど、アメリカやブラジルでは約30%とすごく多いんです」
これから福島さんはさらに上のランクに挑戦することになるが、ブラジリアン柔術の一番の魅力はどんなところにあるのか。
「対戦相手とは“敵”って感じじゃなくハイタッチやグータッチを交わしたり、コミュニケーションの要素があるのも楽しいです。でも一番は技がめちゃくちゃ多いところですね。世界中で毎日新しい技が開発されていて、自分なりの必殺技を作れる。ご高齢の方も多く、始めるのに遅いことはありません。
最初の1か月は筋肉痛ですが、その後はずっと楽しい。ジムも実はすごく多いので、まずは門を叩いてみてほしいですね」