「関節に優しく筋肉に厳しい」角田信朗61歳の肉体づくり
2022年8月に開催された日本マスターズボディビル選手権において、60歳以上級および60~80歳以上のオーバーオール部門で優勝。11月3日に行われたIFBB世界選手権で5位に輝いた角田信朗さんのカラダづくり(お話を伺ったのはIFBB世界選手権への参戦前時点です)。
取材・文/黒田創 撮影/高橋マナミ、りゅう(大会写真)
初出『Tarzan』No.843・2022年10月6日発売
諦めない気持ちで成し遂げた快挙
角田信朗さんは正道会館総本部師範であり、K-1選手、俳優としての活躍も有名だが、2015年からボディビルデビュー。60代とは思えぬ屈強な肉体を作り上げた。
「今まで空手や総合格闘技などいろいろやってきたなかでも、日本一のタイトルは初めてなので、素直に嬉しいですね。僕はいま61歳ですが、尊敬するアントニオ猪木さんの“人は挑戦を諦めたときに年老いていく”という言葉を座右の銘にしていて、何歳になってもチャレンジすることをやめたくない。それが結果として実ったことに満足しているんです」
70歳になったらもう一度バキバキに
当然、その挑戦は過酷なものとなる。とくにコンテスト直前は体脂肪を極限まで削ぎ落とすべく塩分と水分の摂取量を最小限にし、普段の食事もタンパク質、脂質、炭水化物を細かく計算して摂る。基本的にトレーニングは毎日だ。
「僕の場合、一日として同じトレーニングメニューを組まないんです。人間のカラダと脳はいつも同じ刺激を与えていると慣れてしまう。それでは筋肉は発達しないんですよ。
だからいつも違う方向から異なる刺激を加えているし、そうすることで常に今までの自分を超えていく意味合いもあるんです。でも関節を痛めては話になりませんから、“関節にやさしく、筋肉に厳しい”、最近はそのあたりを意識しながら鍛えていますよ」
ハードなだけではなく、理論立ててトレーニングするから60代でも筋肉はちゃんと発達するのだ。
「本当は今回の日本選手権で競技生活に一区切りをつけるつもりだったのですが、スペインで行われる世界選手権の選考大会でもあったため、辞退するわけにはいかない。もう少し挑戦を続けることになりました。
将来的には、70歳になったらもう一度バキバキに鍛えて、しれっと大会に出たいですね。やり方次第で何歳になっても筋肉は必ず成長するんです!」