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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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筋肉の表情は十人十色。本誌『ターザン』764号からスタートした新連載『筋肉図鑑』では、さまざまなトレーニーの筋肉の裏側に迫ります。そして〈Tarzan Web〉では誌面ではスペースの都合上紹介しきれなかった、こぼれ筋肉も余すことなく紹介。連載の第1回目を飾るのは、お笑い芸人・なかやまきんに君です!
【今回の筋肉】
お笑い芸人・なかやまきんに君
僕が今、最も手応えを感じている筋肉は広背筋です。でも、この広背筋だって初めから厚かったわけではないのです。筋トレデビューは高3の夏、バスケットボール部の引退後、カラダを動かしたくて入会したボディビルジムがきっかけでした。
なぜボディビルジムを選んだかというと、家の近所にあったからという、ただそれだけの理由です。引退前は筋トレをしたことはほぼなかったですが、ジムでは自体重トレのほか、トレッドミルで走れたらいいなと思ってました。
でもベンチプレスを勧められて試すうちに日々強くなるのを実感したんです。一つひとつ課題をクリアしていくのが面白くなりハマりました。当時はかっこいいカラダになりたいとも漠然と思っていて、90年代に活躍していたアメリカ人ボディビルダーのショーン・レイさんとフレックスウイラーさんは憧れでした。
二十数年前はビルダー級のマッチョは日本では稀有な存在だったし、ボディビルジムに通う人=変わり者みたいなイメージすらあった気がします。でも「鍛え抜かれたカラダは最高にかっこいいのに、どうしてみんな分からないんだい??」と心底不思議でしたねぇ…。
今も昔も筋トレは僕にとって生活習慣の一つです。そんなわけでお笑いの道に進み始めた頃は筋肉キャラになるつもりは一切ありませんでした。でも生徒600人近くいる養成所で自分をアピールするべく、毎日“タンクトップ×短パン”で通いました。すると「変なヤツがいる」と噂になり、〈FUJIWARA〉さんのライブに呼ばれて、原西さんが“きんに君”と命名してくれました。
それから仕事が徐々に増えましたが、芸風云々というより筋トレが好きという一心で、ジムに通う頻度は変えませんでした!
今は週5〜6日ジムへ行って鍛えます。好きなマシンで鍛えたいので部位によって店舗を変えます!
トレーニングで一番面白いのは、筋肉に重さが乗ってるとき。最もキツい瞬間でもあるけれど、それこそ筋肉に効いている証しですから! だからキツくないときは面白くないですね。重さが乗らないのは睡眠不足やストレスなど、原因が一つとは限りません。そんなときは筋肉の状態を確かめながら、その日のベストな鍛え方を地道に探るんです。
メニューをルーティンでこなさないのもマイルールです!いつも意識的に新しい方法を取り入れます。本を読んで勉強したり、他の人のトレーニングの話を聞いたり、ジムにいる人を観察していると、筋トレのヒントはたくさん見つかりますよ〜!!
コツコツ鍛え続けて23年目、筋肉のサイズは今がマックスです!! でも自分のカラダに満足したことはほぼありません。
挫折しそうになった経験ですか?? そんなの毎日ですとも! でもいつまでも目標に到達しないからこそ、張り合いがあるってもんです。それに、筋肉の表情は一人ひとり違うでしょう?
“僕の筋肉がさらに発達したらどうなるんだろう”と想像すると、めちゃくちゃワクワクします。
大会に出始めた4年前からは“どうすれば勝てるだろう”とも考えるようになりました。今までの経験からしても、やはり筋肥大のキーは運動・食事・休養ですが、運動(筋トレ)をきっちり頑張れる人は多い一方で、食事に苦戦してスランプに陥る人って結構いるような。それならば大会で勝つためにも僕は食事を徹底的に突き詰めようと決心し、4年間、毎日ほぼ同じメニューを用意して食べています。
毎日ラップに包んで持ち歩いているのは、
あくまで目安ですが、摂取カロリーは1日2300kcal。PFCバランスはP(タンパク質)260g、F(脂質)45g、C(炭水化物)130gくらいを摂取するよう意識しています。
あと経験上、筋肉を成長させるには朝食をできるだけ早く食べ始めるのが重要な気がします。僕はだいたい毎朝7時に食べますが、たまに8時頃にズレると、その日一日、筋肉が張らない感じがして…。何を食べるかも大事ですが、どう食べるかも大事なんですよね。そんなふうに食には色々気遣ってますが、全ては筋肉のためですから別にツラくありませんよ!
ただあくまでバルクアップすること以上に、健康であることが一番大事だと僕は思ってます。80歳以上になり、同世代のライバル達がトレーニー人生を引退していっても、僕は変わらず運動を続けていたいんです! そのために昔から心がけているのはとにかく無理をしないことです。
もちろん大会前などで普段より頑張る日もありますが、そんな時も一線を超えないように注意を払います。ケガをしたらトレーニングできなくなり、それでは元も子もないでしょう?? 生涯現役を目標とする僕には考えられません。
筋トレはお笑いにも通じています。 お笑いで地味に大変なのが新ネタを考えることです。「あのネタを見たかったのに」とガッカリされたり、新しいネタだとスベるリスクもあります。でも成長するには、筋トレと同じように、キツくても地道に続けるべきことがあると思うんです。生き方の姿勢を学べた筋トレは、僕にとって人生の教科書なのです。
なかやまきんに君
取材・文/門上奈央 撮影/山城健朗