眼精疲労、脳疲労、頭痛…。頭の悩みをほぐすセルフマッサージ4選
慢性的な凝りや痛み解消のためにはセルフマッサージが効く。大事にしたいのは、「頑張らない」こと。しんどい時には誰だって頑張りたくないはず。そこで厳選したのが、余計な力をできるだけ使わず最大限の効果が得られるメソッドだ。今回は、脳疲労や眼精疲労、頭痛といった頭まわりにまつわる悩みを解消する頑張らないセルフマッサージメソッドを紹介!
取材・文/井上健二 撮影/幸喜ひかり スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/天野誠吾
初出『Tarzan』No.867・2023年10月19日発売
脳が疲れるなら…リストラティブヨガ
岡部朋子さん
教えてくれた人
おかべ・ともこ/ヨガセラピー指導者。リストラティブヨガをはじめとするヨガセラピーの第一人者。アメリカでヨガセラピーを学び、国際的な資格であるC-IAYT、E-RYT500を取得。現在、京都大学大学院医学研究科在学中(博士後期課程)。
集中力がない、霧がかかったように頭が冴えないと感じたら、脳はお疲れモード。リストラティブヨガで即座にリフレッシュしよう。
初めに頭とカラダを結ぶボトルネックであり、多くの神経と血管が行き来している首すじの筋肉を緩める。さらに脳への情報の入り口である目と耳をしばし遮断し、脳をオフラインモードにして情報過多による疲れを癒やそう。
シャバアーサナ(5〜10分)
❶仰向けになり、膝裏に丸めたクッションなどを置き、膝を120度程度曲げる。❷首の後ろに丸めたタオルを置き、首のアーチを支える。
❸タオルを畳んで目と耳を覆う。❹両腕は体側で伸ばす。❺瞼を閉じて、鼻から6秒(6カウント)で息を吸い、口から6秒(6カウント)で息を吐く。
ポイント
丸めたタオルの両端を後頭部に差し入れて、顎を軽く引くとリラックスしやすい。
眠りの悩みには…ツボペッカー
寺林陽介さん
教えてくれた人
てらばやし・ようすけ/あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師。六本木・寺林治療院院長。父の治療院で修業後、24歳で独立して治療院を立ち上げ、予約の取れない人気を獲得。著書『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』(アスコム刊)はベストセラーに。
日本人の5人に1人は、眠りに何らかのトラブルを抱えているとか。早起きして朝日を浴びる、夕飯を早めに食べる、入眠前に浴槽入浴して深部体温を上げる…。そうした快眠法を試しても効果が出ないときは、東洋医学の知恵に頼ってみよう。
眠りに効くツボは耳の後ろにある翳風(えいふう)。心が落ち着き、健全な眠りを妨げる頭痛の解消にも役立つ。
ポイント
ツボペッカーには、ノック式のシャープペンシルかボールペンが便利。とくにシャープペンシルは何回でも連続してノックできるため、ツボを連続的に刺激できる。その際、芯は抜いて空っぽにしておこう。くれぐれも先端部分で突かないように。
翳風を突く(10回+5往復)
❶耳たぶの真裏にある翳風に、シャープペンシルのノック部を押し当てる。❷10回ほど軽やかに突く。
❸次に人差し指を翳風に置く。❹頭を左右に傾けながら、翳風をゆっくり押し込む。これを5往復。
眼精疲労には…ツボペッカー
脳にインプットされる情報の約8割は目を経由して入る。しかも、令和の日本人が1日に処理する情報量は平安時代の一生分、江戸時代の1年分にあたるとか。
絶え間ない情報の洪水を処理し続けて目が疲れると、それは脳疲労にも直結する。目の周りの攢竹(さんちく)、絲竹空(しちくくう)、太陽(たいよう)といった眼精疲労を和らげるツボにアクセス。
目の周りのツボを突く(各10回×1〜3セット)
❶眉毛の内側にある攢竹にシャープペンシルのノック部を押し当てる。❷10回ほどリズミカルに突く。
❸次に眉毛の中央部分(黒目の真上)を同じようにシャープペンシルのノック部で10回ほどリズミカルに突く。❹さらに眉毛の外側にある絲竹空も、同様にシャープペンシルのノック部で10回ほどリズミカルに突く。
❺こめかみにある太陽というツボの上部に両手の人差し指を当て、円を描きながら10回ほど押し揉む。
❻太陽の後方に両手の人差し指を当て、円を描きながら10回ほど押し揉む。
頭痛には…アラウンドマッサージ
石垣英俊さん
教えてくれた人
いしがき・ひでとし/あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師。ホリスティッククーラ代表。手ぬぐいボール健康法提唱者。解剖学と東洋医学の知見を融合した施術を心がける。ことに背骨からのケアを重視し、日本背骨養生協会では指導者の育成にも取り組む。
ひと口に頭痛といっても、原因も症状も十人十色。まず試してみたいのは、首すじの僧帽筋を緩めること。頭痛持ちには僧帽筋が硬くなっているタイプが多く、ここがほぐれると頭痛が軽くなるケースも少なくない。
僧帽筋は、重力に対して重たい頭を支える抗重力筋の代表格。立ったり坐ったりした姿勢では緊張が取れにくいので、仰向けでマッサージを。
僧帽筋の間欠圧迫マッサージ(左右各3〜5秒×3〜5回)
❶床で仰向けになり、両膝を曲げて立てる。
❷右手で左側の首すじを摑む。
❸3〜5秒間、やや強めに摑んだら、ゆっくり離す。