【お取り寄せ】腸が喜ぶ有用菌を食卓に!日本各地の発酵食品11選
腸内環境を整えるのに「今持っていない新たな腸内細菌を取り入れること」も効果的。方法は「発酵食品を食卓に取り入れる」だけ。発酵過程では有用物質が作られるので、発酵食品には乳酸菌、糖化菌、酢酸菌、酪酸菌、その他、まだ分かっていないさまざまな有用菌が含まれている可能性が高いのだ。日本各地で古くから受け継がれている発酵食品をこの機会にお取り寄せしてみよう。
取材・文/石飛カノ 撮影/中島慶子
初出『Tarzan』No.864・2023年9月7日発売
① めふん
《鮭メフン》350g 3,300円 WEBサイト
オスの鮭の背わたの部分にある腎臓を塩漬けにした珍味中の珍味。名前の語源はアイヌ語で腎臓を意味する「めふる」で北海道独自の発酵食品。稚内で作られているこちらの材料は地揚物。酒の肴にはもちろんのこと、ごはんのお供にも。今年の新物の出荷は11月〜12月予定。
② 三升漬
90g 1,390円 WEBサイト
北海道および東北地方の郷土食。青なんばん、麴、醬油をそれぞれ一升ずつの分量で漬け込む製法が名前の由来。こちらは大根、白瓜、刻んだ青唐辛子を醬油と米麴で漬け込んだもの。豆腐や野菜にかける薬味またはドレッシングとしても活用可。
③ しゃくしな漬
250g 380円 WEBサイト
材料は雪白体菜という青菜。葉の形がごはんをよそう杓子に似ていることから「しゃくし菜」という愛称がついた。そのしゃくし菜を伝統技法で漬け込んだ、秩父の冬の食卓に欠かせない漬物。塩分はやや控えめで後を引く食感と味わい。
④ 久寿餅
《江戸久寿餅》8切れ(ミニ)360円 WEBサイト
江戸時代から続く関東独自の伝統食品。小麦でんぷんを2年以上乳酸発酵させた後、およそ1週間かけて水洗いし、熟練職人が発酵を整えて仕上げる手の込んだ和菓子。発酵食品ならではの淡い酸味が特徴。黒蜜ときなこをよくまぶしていただく。
⑤ すんき
180g 480円 WEBサイト
木曽の伝統野菜・赤カブの葉と茎を塩を使わずに乳酸発酵させた漬物。国内でも珍しい無塩の漬物で冬の保存食として数百年前から受け継がれている。塩味ではなく酸味が持ち味。血圧高めの人も安心して食せる。
⑥ いしり
150ml 432円 WEBサイト
奥能登地方に古くから伝わる魚醬。冬の寒い時期に原料のイカわたを塩にまぶし、じっくりと長期熟成させた天然万能調味料。アスパラギン、グリシン、タウリンなど複雑かつ旨みたっぷりのアミノ酸がさまざまな料理の隠し味として大活躍。
⑦ ふぐの子の糠漬け
1個 1,296円 WEBサイト
フグの卵巣を糠漬けにした希少な珍味。フグが持つ毒が自然発酵で無毒化するメカニズムは科学的に解明されていない。このため、石川県の限られた生産者のみにしか製造販売は許可されていないという。こちらの製品はイワシの塩漬けの魚醬が味の決め手。
⑧ 日野菜漬
近江地方の伝統野菜・日野菜はカブの一種で葉に近い部分は紫色、根に近くなるほど白みが強くなるのが特徴。この野菜を塩、米糠で漬けた日野菜漬は、滋賀県無形民俗文化財「滋賀の食文化財」。滋賀県内の道の駅やJAのほか、ECサイトなどでも購入可。
⑨ むかでのり
《戸村手作りむかでのり》1丁 682円 WEBサイト
宮崎の日南地方で長年受け継がれている伝統食。海藻をゼリー状になるまで煮詰め、味噌に漬け込んだ加工食品。原料の「きりんさい」という海藻がムカデに似ていることからこの名がついた。ところてんのようなプルブル食感と歯応えが楽しい。
⑩ ねむらせ豆腐
《しいばむら ねむらせ豆腐》80g 1,590円 WEBサイト
原料の硬い田舎豆腐を昆布とさらしで包み、麦味噌の味噌樽に漬け込み、半年間眠らせる。一度取り上げ、新しい麦味噌でさらに半年間漬け込んで発酵を促し、1年後に完成。野菜ディップやおにぎりの具に。
⑪ ミキ
《花田のミキ》500g 180円 WEBサイト
奄美大島では超ポピュラーな健康飲料。米とサツマイモ、砂糖で作られた甘酒にも似た発酵食品で、語源は「御神酒」。スイーツとしてそのまま飲んでもよし、果物やヨーグルトと混ぜて味わってもよし。夏バテ防止のごはん代わりにもなる。
コラム:ヨーグルトは朝よりも昼以降に食べるのが正解
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は乳酸、ビフィズス菌は酢酸というポストバイオティクスを作ってくれるので、こちらも毎日いただきたい発酵食品だ。
とはいえ、毎朝ヨーグルトを食べています、ランチ代わりに液状のヨーグルトを飲んでいます、というのはもったいない話。腸が最も働くゴールデンタイムは副交感神経が優位になる睡眠中。このときこそ、腸で有用菌に働いてもらう絶好のタイミングだからだ。
夜間に乳酸菌やビフィズス菌を腸に届けるため、ヨーグルトはランチ後のデザートか15時以降のおやつでいただこう。