視界をクリアに保つ栄養素も。ホウレンソウを使った常備菜|野菜不足を補う簡単レシピ
日本人に足りない野菜量は、1日70gほど。この足りない分を補うのにピッタリなのが、冷蔵庫から出してそのまま美味しく食べられる常備菜。週末などに作り置きしておけば、1週間を通して野菜不足がカバーできる。そこで、人気料理研究家のエダジュンさんに、より栄養価の高い緑黄色野菜をメインにした常備菜レシピを提案してもらった。今回紹介するのは、ホウレンソウを使った常備菜のレシピ。
取材・文/井上健二 撮影/吉松慎太郎 イラストレーション/Yui Watanabe 撮影協力/UTUWA
初出『Tarzan』No.863・2023年8月24日発売
エダジュンさん
教えてくれた人
1984年、東京都生まれ。料理研究家。管理栄養士の資格を取得後、〈(株)スマイルズ〉に入社。〈Soup Stock Tokyo〉の本部業務に携わる。2013年、料理研究家として独立。お手軽アジア料理などを得意とする。好きな野菜はパクチー。
日本人に足りない野菜量は、1日70gほど。この足りない分を補うのにピッタリなのが、野菜が主役の常備菜。日々欠乏しやすく、より栄養価の高い緑黄色野菜をメインキャストにして、週末などに、作り置きしておこう。
味付けなど常備菜を作り置きするときのポイントを下にまとめておいたので、参考に。今回紹介するのは、緑黄色野菜のホウレンソウを使った常備菜。さあ、作ろう!
常備菜作り置きのポイント
- 栄養価の高い緑黄色野菜をメインにする
- 欲張らず、1品から始める
- 保存性を高めるため、味付けはやや濃いめに
- 保存容器がなければ、器+ラップでもOK
- 冷めても美味しく食べられる調理を心がける
ホウレンソウ|葉野菜の真打ち。視界をクリアに保つ
元来は冬野菜だが、現在では年中手に入りやすい葉野菜の代表格。β-カロテンの含有量はニンジンに匹敵。タンパク質の合成を助け、抗酸化力を持つビタミンC、血中で酸素を運ぶヘモグロビンの成分で貧血予防に効く鉄も多い。
ホウレンソウに多いフィトケミカルはルテイン。抗酸化作用があり、モノを見るときに重要な網膜の黄斑部に多く含まれる。灰汁に混じるシュウ酸を摂りすぎると結石のリスクになるが、加熱して灰汁を絞ればシュウ酸は減らせる。
品種:ヒユ科ホウレンソウ属
原産地:カスピ海南西部
栄養素 :β-カロテン、葉酸、ビタミンC、ビタミンK、カリウム、鉄、亜鉛、ルテイン
旬 :11月~2月
ホウレンソウとシメジの胡椒オイスター
冷蔵保存期間:3~4日
材料(3食分)
- ホウレンソウ…1束半(300g)
- シメジ…1パック(100g)
- オイスターソース…大さじ2
- ゴマ油…小さじ1
- 黒胡椒…小さじ1/2
作り方
- ホウレンソウは水に全体を濡らし、耐熱ボウルに入れて、ふんわりとラップをし、電子レンジ(600W)で2分半温める。水にさらし、水気をしっかり切り、3~4cm長さに切る。
- シメジは石突きを取り、表面をサッと濡らし、耐熱ボウルに入れて、ふんわりとラップをして、電子レンジ(600W)で2分温める。
- 器ですべての材料を和える。
メモ
黒胡椒がピリリと効いたパンチのある野菜料理。電子レンジのみですべての調理が完結するので、手軽に作れる。ホウレンソウの代わりに小松菜、シメジの代わりに舞茸やエリンギなどのきのこを使ってもOKだ。
ホウレンソウとちくわの粒マスタード
冷蔵保存期間:3~4日
材料(3食分)
- ホウレンソウ…1束半(300g)
- ちくわ…2本(40g)
- [A]
- 粒マスタード…小さじ2
- オリーブオイル…小さじ2
- 砂糖…小さじ1/2
- 塩…小さじ1/4
作り方
- ホウレンソウは水に全体を濡らして、耐熱ボウルに入れて、ふんわりとラップをし、電子レンジ(600W)で2分半温める。水にさらして、水気をしっかりと切り、3~4cm長さに切る。ちくわは斜め切りにする。
- [A]の調味料を合わせておく。
- 器ですべての材料を和える。
メモ
「オリーブオイルと粒マスタードのほろ苦さがホウレンソウのような青菜によく合います」。隠し味の砂糖により、角の取れた優しい味わいに仕上がる。魚が原料のちくわは旨みが豊富なタンパク源。独特の弾力で食感にメリハリをプラスしてくれる。