可動域&安定性をアップ!股関節強化プログラム|中級編
年を経るに従って変化を感じずにはいられない股関節。意識的にケアしないと、可動域は年々狭くなり、筋力低下は避けられない。そこで、日常動作により近い形で股関節の可動域アップと安定性を高めるためにプログラムを用意した。中級は初級と比べ負荷と難度を上げてさらに股関節を磨いていく。楽にできるようになったら上級へ進もう。準備運動で滑液で潤すのも忘れずに。
取材・文/石飛カノ 撮影/安田光優 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 監修/中村直樹(アジアNOVASTストレッチ協会代表理事)
初出『Tarzan』No.862・2023年8月3日発売
中村直樹さん
教えてくれた人
トレーナー
なかむら・なおき/アジアNOVASTストレッチ協会代表。理学療法士。パーソナルトレーナー。ストレッチ専門店〈RIPS!!〉主宰。科学的根拠に基づいた正しく安全なコンディショニングメソッドの普及に努める。
効果高まるジグリング準備運動4種目
股関節を大きく動かす準備運動は初級、中級、上級、どのレベルにかかわらず必ず最初に行う。貧乏ゆすりではないが、股関節をダイナミックにゆらすことで滑液の分泌を促すためだ。
普段、デスクワークが多いという人はとくに念入りに行おう。動き始めに違和感がある場合は滑液不足。ゆらせばゆらすほど股関節は楽に動くようになる。
中級|負荷と難度を上げて股関節を磨く
ヒップリフト(30秒キープ)
お尻と腿裏に強い負荷をかける
床に仰向けになり両膝を立てる。両腕は胸の前でクロス。お尻を床から浮かせる。膝の角度は90度、股関節は伸展した状態で、頭から膝までが一直線になるように。この姿勢からスタート。
両足の爪先を上げ、片脚をまっすぐ伸ばした姿勢で30秒キープ。左右の膝の高さを揃えることがポイント。逆脚も同様に行う。
スクワット(20秒×1セット)
ハーフスクワットでお尻と太腿を鍛錬
両足を肩幅よりやや広く開いて立ち、爪先を正面に向ける。両腕は胸の前でクロス。体幹はウェストを5cmほど凹ませたドローインの状態。
そのまま膝を90度程度曲げて腰をゆっくり落とす。膝の向きは爪先と同様に正面に向ける。こうすることで膝が内側に入ったり外側に逃げるのを防ぎ、股関節を安定させられる。20回行う。
ランジ(各10回×1セット)
フロントランジ
大きく踏み込んで深く腰を落とす
両足を腰幅に開いて立つ。片足を大きく1歩前に踏み出し、膝を直角に曲げてランディング。このとき反対側の足の踵は床から浮かせる。
踏み出した側の股関節は屈曲し、逆脚の股関節は伸展した状態。この姿勢から1歩で元へ戻る。10回繰り返したら逆脚で。
バックランジ
軸脚の膝を曲げずに大きく1歩後方に引く
両足を腰幅に開いて立つ。今度は片足を後ろに1歩引いて膝を曲げながらランディング。多くのバックランジは軸脚の膝を曲げて腰を落とす動きだが、軸脚の膝はまっすぐ伸ばして行う。
着地時はなるべく深く腰を落とし、逆足の爪先を浮かせる。10回。逆も行う。
サイドランジ
横方向に踏み出して股関節をしっかり屈曲
両足を肩幅に開いて立つ。お腹に力を入れて上体をやや前傾させながら、片足を真横に大きく1歩踏み出してランディング。
着地したときに爪先、膝、股関節が一直線のライン上に来るように。左右に壁があるつもりで行う。左右交互に10往復。
ジャンプ(10回×1セット)
プッシュアップの姿勢からスタート。両足を揃えて小さくジャンプし、両手の間で着地。膝と爪先の向きは正面。
そのまま真上に向かって高くジャンプ。股関節をしっかり伸ばすこと。着地すると同時に股関節と膝をしっかり曲げて両手を床につき、最初のプッシュアップの姿勢に戻る。ここまでを1回として10回繰り返し。