「階段」は下半身を刺激するチャンス! 強度をアップさせる上り方
見た目的にも機能的にも、下半身を鍛えると多くの恩恵がある。とはいえ、運動習慣のない人がいきなりガチの筋トレを習慣化するとなるとハードルがちと高い。ならばまず手始めに、日常生活でできる動きに着手しよう。
取材・文/石飛カノ 撮影/内田紘倫 スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/村田真弓 イラストレーション/ボブa.k.aえんちゃん トレーニング監修/白戸拓也(トレーナー) 取材協力・監修/向本敬洋(東京理科大学准教授)
初出『Tarzan』No.861・2023年7月20日発売
階段を見つけたら踏み出そう!
楽な姿勢で座っているときの強度を1とする運動強度の指標をメッツという。それでいうと階段をゆっくり上る動きは4メッツ。普通歩行が3メッツなのでそこそこ強度は高くなる(ちなみに階段を下りる動作は3.5メッツ)。
せっかくなので、ジャンプしながら上ってみるとさらに運動強度はアップする。
「膝を曲げ伸ばしせずにジャンプして1段ずつ上がるラテラルジャンプは、ゆっくり行う縄跳びと同様の動きで8.8メッツに相当します。これは階段を駆け上がる運動強度と同じレベルです。
エネルギー消費量も見込めますし、着地の衝撃がかかるジャンプ動作なので下腿三頭筋というふくらはぎの筋肉により大きいメカニカルな刺激が加わります」(東京理科大学准教授の向本敬洋さん)
踏み外しのリスク回避のため、より安全な上りで実践したい。で、さらにじっくりふくらはぎの筋肉を鍛えたいなら、その場で踵を上下させる筋トレを行ってみる手もあり。
「普通の階段上りでも下腿三頭筋は鍛えられますが、足首の稼働域が広いカーフレイズではそれ以上に筋肉の収縮力が増します」
人けのないオフィスの階段などでお試しを。
片脚で伸び上がる(シングルレッグカーフレイズ)
階段の横の壁に手をついてカラダを安定させて行う。階段のステップの端で片足で爪先立ちになり、踵をできるだけ下に下げたら爪先で伸び上がるようにしてカラダを持ち上げる。時間が許すなら10回程度行い、ついでに逆も同様に。
横っ跳びで上る(シングルレッグラテラルジャンプ)
必ず階段の手すりに摑まって行う。階段に対して横向きに立ち、片脚立ちになる。軸脚の膝を曲げずにジャンプして1段ずつ着実に上っていこう。1フロア分左軸脚で上ったら次は右軸脚で。これで階段駆け上がりと同等の運動になる。
他にもこんな階段の上り方も
- 腕を大きく振り1段抜かしで上る(パワーウォーク)
- ケンケンで1段ずつ階段を上る(シングルレッグホップ)
- カニ歩きで階段を上る(サイドウォーク)
サイドウォークでは中臀筋に刺激が入る。シングルレッグホップは階段の壁などに手をつき、必ず上りで行うこと。パワーウォークはエネルギー消費も下半身全体への刺激も大。